
アメリカのヘグセス国防長官がイランへの軍事作戦について、さらに大規模な攻撃を加速させていく考えを示しました。一連の攻撃の応酬で、中東の空港が閉鎖されて帰国できない日本人が相次いでいます。
トランプ大統領 イラン攻撃を自賛
「戦線において我々は控えめに言っても大変よくやっている。0~10でどう評価するかと聞かれれば私は15くらいだと答えるだろう」
日本時間5日午前5時半ごろ、アメリカのトランプ大統領は、独特の言い回しで、現在の戦況について評価しました。
「イランは制御不能な国家であり、もし我々がこれ以上待って許していたら我々に対しても(ミサイルを)使ってきただろう。我々には世界一の軍隊があるから、引き続きよい働きをするだろう」
イラン軍艦をアメリカが撃沈
さらに日本時間4日午後10時には、アメリカのヘグセス国防長官が会見を行いました。
「アメリカの潜水艦が魚雷によりイランの軍艦を撃沈した。公海上にいて安全だと考えていたのだろう」
撃沈の様子を捉えた映像も公開されました。船は爆発し、大きな水しぶきをあげているのが確認できます。
ロイター通信などによると、インド洋のスリランカ沖で180人近くが乗っていたイラン海軍の船がアメリカの潜水艦による攻撃を受け、沈没したといいます。
スリランカ海軍などが救出に向かいましたが、これまでに少なくとも80人が死亡したといいます。
ヘグセス国防長官は、魚雷を使用し敵艦を沈没させたのは、第2次世界大戦以降、初めてだとしています。さらに「アメリカは容赦なく、圧倒的な破壊力で優勢な戦況にある」とも続けました。
次期最高指導者にハメネイ師次男が浮上
一方、イラン側にも動きがありました。
殺害されたハメネイ師の後継者についてアメリカのニューヨーク・タイムズが、イラン政府関係者の話として伝えたのが、ハメネイ師の次男、56歳のモジタバ師です。
「イランでは、次の最高指導者を選ぶ専門家会議の会合が開かれ、モジタバ師が最有力候補として浮上した」
モジタバ師は、最高指導者直轄の軍事組織「イラン革命防衛隊」との関係が深いとされています。
そのイランでは国営メディアによると、死者数は1000人を超えたといいます。
弾道ミサイルをNATO部隊が撃墜
戦闘が始まって5日目の朝、エルサレムの街に鳴り響く空襲警報。爆発音が鳴り響き、火の手も上がっています。
激しい攻撃の応酬は、中東全体に広がりつつあります。
クレーンでつり上げられているミサイルの破片。イランから発射された弾道ミサイルがイラク・シリアの上空を通り、トルコ領内に侵入したため、東地中海に展開していたNATOの防空システムで撃墜したとトルコ国防省が明かしました。ミサイルの破片はトルコ東部に落下し、けが人は出ていないということです。
一連のイランからの報復攻撃で、NATOの部隊が対応したのは、これが初めてです。
またペルシャ湾をはさんで、対岸に位置するUAEでは…。
UAE国防省 報道官
「我々は十分な弾薬備蓄を戦略的に確保しており、空からのあらゆる脅威を長期にわたり撃退できる」
アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、UAEがイラン攻撃を検討していると報じています。さらにCNNが報じたのは…。
CNN クラリッサ・ワード特派員
「トランプ大統領が電話会談したのは、クルド人組織(KDPI)のリーダーです。アメリカとイスラエルの支援をクルド人部隊が受けて、数日以内にイラン西部における地上作戦の準備を進めています」
“日本人移送先”で爆発も「無事を確認」
そんな中、日本人に関わるニュースも…。
ロイター通信は、イランの首都・テヘランにある、エビン刑務所の一部が爆発による被害を受けたと報じました。
アメリカ系メディアは、この刑務所にNHKのテヘラン支局長が移送されたと報じています。
この件に関して、木原稔官房長官は4日、「1月20日にイランの首都・テヘランで現地当局に拘束されたことを政府として確認している邦人1名については現在も連絡が取れており、同邦人の無事を確認しております」と述べました。
ドバイ滞在の日本人夫婦「帰れるか不安」
イランの報復攻撃は中東のハブ空港があるドバイを“逃げ場のない場所”へと変えました。
「もう早く帰りたいって…」と話すのは30代の日本人男性です。
「3泊5日で50(万円)です。結婚記念の旅行で来ました」
先月27日から結婚5周年記念で訪れた2人、しかし…。
「爆撃音は滞在中のホテルで何回か聞いて。夜中に緊急アラートが来て、ホテル側からアナウンス入って『避難してください』って」
さらに…。
「空港で飛行機が飛ばない状況になっていて」
3日に帰国予定でしたが、空港閉鎖によって帰国できず、急きょ現地でホテルを抑えたことで10万円以上の出費が。
「(Q.その辺りの料金はどうなる?)今は分からない状態、戻ってくるのかすらも。実費、実費で払っている状態。帰る予定の額よりも加算されていってるんで、財力に限界が来るんで早めには帰りたい」
「今現状、隣国のオマーンの空港からバンコク(でトランジットして日本)に向けて出発する飛行機、それを取ろうかなって。本当に帰れるかどうかっていう不安もあります」
首都・アブダビの空港と合わせると年間およそ1億人以上が利用するドバイ国際空港。一部運航を再開し始めていますが、いまだ完全復旧には至っていません。
これは世界の航空機の位置情報が分かるレーダー映像。攻撃を受ける前はイラン上空にも多く飛び交っていましたが、攻撃後はポッカリとまるで穴が開いたように航空機が飛んでいないことが分かります。
異例の事態に航空に詳しい元日本航空機長の小林宏之さんはこう話します。
「こういう状況ですから代替の便も少なくなりますので、その便を取り合いになるので航空券は高騰する。(長期化すると人だけでなく)物流が滞ってくる、あるいは遅れてしまう、そういった不都合がかなり生じてくる」
ホルムズ海峡封鎖でタンカー足止め
空のルートが閉ざされる中、海では、ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態。
ステナバルク社 エリック・ハネル社長兼CEO
「何かしらの物体が船に衝突しました。乗組員は全員無事で、負傷者はいません」
「私の理解では、112隻の大型原油タンカーが湾の中で待機し、他にも200隻ほどの石油製品を運ぶタンカーやその他のタンカーも何隻かいるようです」
心配される、乗組員については、食料なども豊富に積んでいて、連絡も問題なくできているといいますが…。
「(乗組員)みんながプレッシャーを感じています。我々は、安全にこの地域から船を出す方法をこの数日間で見つけなければなりません」
(2026年3月5日放送分より)
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