
イラン革命防衛隊がペルシャ湾でアメリカのタンカーを攻撃したと発表しました。
事実上の封鎖が続くホルムズ海峡周辺には、今も日本人24人が取り残されています。
イランの軍艦を…米国潜水艦が魚雷で撃沈
混とんとする、イラン情勢。5日も、アメリカ・イスラエルとイランの応酬は続いています。
アメリカ国防総省が公開した映像。レーダーに捉えられていた大きな船が爆発しました。その後、海の上で船体がほぼ垂直になった様子も確認できます。
この攻撃、第2次世界大戦以降、初めてのことだそうです。
アメリカ ヘグセス国防長官
「公海上にいて、安全だと考えていたのだろう」
ロイター通信などによるとインド洋・スリランカ沖で180人近くが乗っていたイランの軍艦をアメリカの潜水艦が魚雷で撃沈。少なくとも87人が死亡したといいます。
ヘグセス国防長官いわく…。
「静かな死だ。第2次世界大戦以降、魚雷による敵艦撃沈は初めてだ。アメリカは勝利のために戦う。アメリカとイスラエルが遅くとも1週間以内に、イランの空域を完全に掌握する」
イランへの攻撃を始めたトランプ大統領は、現在の戦況をこう評価。
アメリカ トランプ大統領
「誰かが『10点満点で評価するとしたら何点か?』と尋ねた。私は『15点くらいだ』と答えた。これからも、うまくやる」
一方で被害は当事者同士のみならず、中東全体に広がりつつあります。
トルコに落下したのは、ミサイルの破片。トルコ国防省は4日、イランから発射された弾頭ミサイルがトルコ領内に侵入したため、東地中海に配備されていたNATO(北大西洋条約機構)の部隊が撃墜したと発表しました。
一連のイランからの報復攻撃で、NATOが対応したのは初めてのことです。
米タンカー攻撃
当然、日本にとっても遠い国の話ではありません。
自民党 小林鷹之政調会長
「現地の邦人の安全確保に万全を期するとともに、ホルムズ海峡をはじめ、日本経済への影響も懸念される。しっかりと注視していく必要がある」
エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡。世界で消費される原油のおよそ2割が通過するといわれていますが…。
イランが石油タンカーを攻撃するなどし、海峡は封鎖されている状態です。
4日、イラン革命防衛隊の幹部は「ホルムズ海峡の通航禁止を無視した石油タンカー10隻以上が攻撃を受け炎上した」とも明かしています。
そして5日午後、ロイター通信によると、イラン革命防衛隊はペルシャ湾北部でアメリカのタンカーを攻撃したと発表しました。タンカーは現在、炎上中だということです。
今、ホルムズ海峡の内側、ペルシャ湾はどのような状況にあるのでしょうか。足止めされているタンカーの運航会社に話を聞くことができました。
ステナバルク社
エリック・ハネル社長兼CEO
「私の理解では、112隻の大型原油タンカーが湾の中で待機し、他にも200隻ほどの石油製品を運ぶタンカーや、その他のタンカーも何隻かいるようです」
タンカーには食料などを豊富に積んでいて、乗組員とも連絡がとれている状態だといいますが…。
エリック・ハネル社長兼CEO
「(乗組員)みんながプレッシャーを感じています。我々は、安全にこの地域から船を出す方法をこの数日間で見つけなければなりません」
日本人足止め
エネルギー供給への懸念もさることながら、心配なのはペルシャ湾にいる人たちの安全です。中には、日本人も…。
日本船主協会 長澤仁志会長
「非常に切迫した状況。当協会会員船舶・船員がペルシャ湾で身動きがとれない状況」
大手海運会社などで構成する日本船主協会は安全確保に向けた対策本部を設置。4日時点で、ペルシャ湾内には日本関係の船舶が44隻取り残され、そのうち5隻に日本人の船員24人がいるといいます。
茂木敏充外務大臣
「ホルムズ海峡やその周辺海域において、民間船舶が攻撃を受け、安全な航行が脅かされています。日本はこうしたイランの行動を非難します」
“海峡封鎖”狙いは?
世界に影響を与える、ホルムズ海峡の封鎖。そもそも、イラン側の狙いは何なのでしょうか。専門家は…。
慶応義塾大学 田中浩一郎教授
「正面切っての戦いにはイランは勝てないし極めて不利なので、劣勢をなんらかの形で挽回(ばんかい)しようと動いていると言える。狙いは何なのかというと、原油・LNG(液化天然ガス)などがペルシャ湾岸から出てくることができなくなり、そうするとさまざまなところに経済ショックが発生する。それはいずれもトランプ大統領の支持基盤などをも直撃したり、トランプ大統領が掲げる政策の邪魔をすることになる。こういう、ある種の“非対称戦”を挑んでいるのだと思う」
トランプ大統領にダメージを与えるため…。そのためには、他の国から反感を買うこともいとわない姿勢が見えると、田中教授は分析します。
田中教授
「こういう行為に出れば当然、周辺国からも恨まれるし、友好関係にあると言われている中国とも関係が悪化する可能性もあるが、国際社会、国連を問わず、地域諸国も含めて“アメリカを止めなかった”あるいは“止めようとしない国々も同罪だ”と巻き込んでいる」
アメリカとイランの攻撃の応酬が続く以上、ホルムズ海峡の封鎖は解かれないと話す田中教授。今後、懸念されることは…。
田中教授
「もっとも懸念されるのは、イランが最後に機雷を敷設すること。敷設されてしまうと、除去するのに手間がかかる、時間もかかる。機雷が除去されていない状態では、船舶は航行しようとしないので、イランが戦いをやめてアメリカが戦いをやめたとしても封鎖状態が長引くことが避けられなくなる」
日本政府は5日、イラン周辺のクウェート、バーレーン、カタール、UAE(アラブ首長国連邦)の4カ国に滞在する日本人について、チャーター機を手配し出国を支援すると発表しました。
佐藤啓官房副長官
「最も重要なことは事態の早期沈静化。我が国として国際社会とも連携し、引き続き必要なあらゆる外交努力を行うなど、政府として対応に万全を期してまいります」
(2026年3月5日放送分より)
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