
アメリカがイランの軍艦を魚雷で撃沈。場所は遠く離れたインド洋でした。戦火は確実に拡大しています。
“戦域拡大”アメリカの狙いは
4日、アメリカ国防総省が公開した映像です。アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃は連日、続いています。
辺り一面が煙に包まれています。人道支援組織、イラン赤新月社がSNSに投稿した映像です。
テヘランの空爆現場での救助活動だといいます。
隊員
「座っていて。骨が折れている可能性がある」
男性
「妻と子どもが被害に遭った。この先にいる」
付近にあった車、バス。それも激しく損傷しています。
隊員
「この住宅のビルが攻撃を受けた。私たち救助チームが駆け付けたが、衝撃が激しく隣の建物の屋上にまで飛ばされた人もいた」
イラン赤新月社によると、攻撃を受けたのは住宅などの民間施設だといいます。
がれきをかけ分けながらの捜索活動です。
イラン南部のケルマーン。やはり空爆を受けたという建物に救助隊員が入っています。
市民1人ががれきの下敷きになりましたが、生存した状態で救出できたといいます。
アメリカに拠点を置くイランの人権団体のニュースサイトによると、これまでにイランの市民1100人以上が死亡しています。
その中には子ども、183人も含まれているといいます。
市民
「早く終わってほしい。これ以上、人が殺されてほしくない」
市民
「妻が爆風に巻き込まれ、病院に連れて行った。私自身もガラス片をたくさん頭に浴びた」
公海上でイラン軍艦を撃沈
これもアメリカの国防総省が公開した映像。
海の中で爆発が起き、軍艦の船尾側が浮き上がりました。
軍艦はイランのフリゲート艦「デナ」。攻撃したのはアメリカ軍です。
ヘグセス国防長官
「アメリカの潜水艦がイランの軍艦を撃沈した。公海上にいて安全だと思ったのだろう」
撃沈された場所は、イランの付近ではありません。スリランカ沖です。
スリランカ海軍 報道官
「本日の早朝、救難信号を受け取った。救助チームを派遣し、捜索活動を行った結果、海に漂っている人を発見し救出した。その結果、彼らがイランの船に乗っていたことが分かった」
イランのフリゲート艦「デナ」は先月、インド東部で行われた合同訓練に参加し、イランに戻っている最中でした。
ロイター通信によると、この攻撃で少なくとも87人が死亡。
32人が救助され、病院に搬送されましたが、フリゲート艦にはおよそ180人が乗っていたとみられ、およそ60人が行方不明になっている可能性があります。
ヘグセス国防長官
「魚雷で撃沈した。静かな死だ。第2次世界大戦以来、初めての事例だ」
ヘグセス国防長官は、魚雷で敵の軍艦を撃沈したのは、第2次世界大戦以来、初めてだと強調しました。
あえてイランから遠く離れた海で、軍艦を撃沈した狙いはどこにあるのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授
「魚雷で軍艦が撃沈されるのは、第2次世界大戦以降初めてだが、軍事的にみれば全く意味のないこと。潜水艦で破壊しなくても、上から撃沈できる。イラン海軍の船は、アラビア海にいて今の作戦にあまり関係ない。それでもやった理由はただ一つで、今ホルムズ海峡がイランによって事実上封鎖されている中、派手なことをやることで、アメリカが海の安全、ホルムズ海峡の安全を守れるということを強くアピールした。それが狙い」
NATO出動 ミサイル迎撃
横たわっているのはミサイルです。
現場はトルコ南部。トルコ国防省は4日、イランから発射された弾道ミサイルを東地中海に配備されたNATO(北大西洋条約機構)の防空システムが迎撃したと発表しました。
トルコはNATOの加盟国。イランは周辺の湾岸諸国への攻撃を繰り返していますが、トルコに及ぶのは初めてのことです。
元駐イラン大使
齊藤貢さん
「トルコは名実ともに中東の雄。軍事力も非常に強力なので、そこにミサイルを撃つのは、私は非常に驚きました。焦りというか本気度が上がったということだと思う」
外交官としてイランとイスラエル両国で、勤務した経験を持つ関西学院大学の齊藤貢客員教授によると、トルコで米軍が使用する基地を狙った可能性があるといいます。
「たとえトルコを怒らせたとしても、強いメッセージをアメリカに発する必要があったので、トルコの基地を狙ったと思う」
中東諸国を巻き込むイランの狙いは、「石油価格のつり上げ」だといいます。
「アメリカは車社会。ガソリンが止まると非常に響く。トランプ大統領は11月に中間選挙を控えている。武力攻撃をやめないなら、ガソリン価格を高止まりさせて、『トランプ大統領の支持を落としてやる』というメッセージ」
(2026年3月5日放送分より)
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