12日、衆議院本会議において、「JR東日本の運賃値上げの影響」などについて議論がなされた。
【映像】「手取りが3000円減る」ケースの解説(実際の様子)
国民民主党の深作ヘスス議員は「エネルギー価格の高騰が続きますと物価が上がっていく可能性が高くなります。物価が上がればもちろん国民生活は苦しくなりますので、当然それを軽減するための政策が実行されるべきだと考えます。しかし、それとは逆に今、国民の手取りが減る方向の制度が維持をされているというのも事実です」と切り出した。
続けて深作議員は「通勤手当は社会保険料の算定基礎となる標準報酬月額の等級を定める報酬月額に参入されています。その結果、通勤手当が増え、報酬標準報酬月額が上がると労使双方の社会保険料負担が増える仕組みとなっています。ただ、通勤手当はポケットに入れるものではなく、基本入ったものは出ていくものだと考えるのが自然です。ですので、これが“報酬の一部”とされることは国民の感覚からはなかなか理解できないのではないかと思います。それにもかかわらず、現時点において通勤手当を社会保険料算定のための対象に含め続けているその理由、政府としての考えを伺うとともに現役世代の負担軽減という観点からこの通勤手当の社会保険料算定の対象から除外する。このことについてどのような検討が行われてきたのか、厚生労働大臣の見解をいただきたいと思います」と質問。
これに上野賢一郎厚労大臣は「まず我が国の社会保険制度ですが、各労働者が事業主から支払われる報酬を基礎として保険料を拠出いただく相互扶助の仕組みです。したがいまして、労働の対象として受ける全てのものを報酬として、これに保険料を付加しているところです。通勤手当につきましても、法律上これは事業主が支給することを義務づけられているものではないことから、社会保険料の算定にあたっても報酬に含めているのが現在の取り扱いです。特に社会保険料につきましては、保険給付に見合った保険料収入を確保する必要があり、仮に通勤手当を社会保険料の算定基準から除外しますと、現行の給付水準を維持するためには保険料率の引き上げが必要となります。これは現在、通勤手当を受けていない非保険者にとって一定の負担増となる点にも留意することが必要であります。通勤手当を社会保険の付加基準から除外することにつきましては、このような課題を整理していくことが必要でありますので慎重に検討していく必要があると考えております」と回答した。
深作議員は「これまでもそういった立場というものはお示しをいただいていると思います。けれども実は、あさってから一つ段階が変わります。それは何かというとJR東日本が1987年の民営化以降、初めて運賃の引き上げを行います。JR東日本のホームページでは値上げの理由としてエネルギー価格の高騰、主に電車ですから“電気代”が上がっていることが、その一つとして挙げられています。運賃の値上げは全エリア平均で7.1%、東京都の標準報酬月額の表を参照しますと仮に1万円の通勤手当を含め報酬月額30万9999円こういった方がいた場合、その通勤手当が7.1%上がって、仮に1万710円となると、保険料算定のための等級が22等級から23等級に上がります。健康保険と厚生年金を合わせて、本人の負担額が月に2977円増えることになります。実際に増えたのはJRの電車代だけでしかないのに、そしてそれが手元に残るわけではないのに、出て行くお金だけが増えるということが間もなく起きようとしています」と指摘。
さらに「私たち国民民主党はこれまでも手取りを増やす政策、これを訴えてまいりましたし、総理ともこの思いは共有しているものと思います。つきましては、この社会保険料における通勤手当の取り扱いを含め、現役世代の負担軽減に向けてどのような政策の見直しや、対応を検討し得るのか、ぜひ総理のご決意・思いお聞かせください」と述べた。
高市総理は「先ほど来、ご提案の通勤手当を付加基準から除外することにつきましては、通勤手当が支給されていない方や、基本給に含まれている方との公平性をどう考えるかという視点に加えて、先ほど厚生労働大臣が答弁したような課題を整理しなきゃいけませんので、慎重な検討が必要だと思います。一方で現役世代の保険料負担を抑制していくということはとっても重要です。OTC類似薬などの保険給付の見直しですとか。データヘルスなどを通じた効率的で質の高い医療の実現も進めますけれども、また是非ともご一緒にと思っている給付付き税額控除、これは本当に逆進性のある社会保険料を考えますと、中所得低所得の方々にとって大いにメリットがありますので、国民会議で与野党の垣根を越えて議論を進めていきたい、実現したいと考えております」と回答した。
深作議員は「総理も同じ思いでどのように現役世代の負担軽減を図っていくのか、こういった思いがあるということは重々承知しています。さまざまな課題が出てきたときにぜひこれらを議論をしてどれであれば課題解決に向けることができるのか。これから国民会議、我が党も参加をいたしますが、さまざまな議論をしていきたいと思っています」と述べて次の質問に移った。
(ABEMA NEWS)

