
雪の上をうろつくクマ。今月に入り、冬眠から目覚めたクマの目撃が相次いでいます。
クマ異例の出没
撮影者
「朝、相談したクマの件。今、目撃情報があって。間違いなく子グマですね」
うっすらと雪が残るなか、現れた1頭のクマ。斜面を登ると、辺りを見渡すような仕草も。そして勢いよく走り、道路を横断します。
今月1日、クマは住宅近くにある果樹園に姿を現しました。しかし、クマが好みそうなリンゴの実は、まだありません。
リンゴ農家
「今はリンゴの剪定(せんてい)作業」
なぜ、実のなっていない果樹園にクマが現れたのでしょうか。
岩手大学 農学部 山内貴義准教授
「最近のクマの行動を見ると、去年出てきた街中でも、去年よく出没した場所で見かけることが多い。たとえば、リンゴ園、柿の木、家畜の餌(えさ)。去年、成功体験をしたクマが春先に出てきて、その辺りをうろつく可能性がある。そういった場所をクマは学習しているので」
専門家は去年人里で味を覚えたクマが、冬を越し再び姿を現している可能性を指摘します。
目撃した農家の男性は…。
リンゴ農家
「ガードレールの下の所をほぼ同じような場所で2回。本当に真っ黒いのでびっくり」
「最初は真っ黒い…なんだ?犬の黒よりも本当に黒いので。50センチぐらいか、60センチあるかな。やっぱり、子グマでも怖い」
「飛び掛かってくるので、とてもじゃないけど…」
人里うろつく…対策効かず
その果樹園では、こんな対策も…。野生動物を追い払うためのスピーカーです。
しかし、クマは音を聞いても慌てるような素振りは見せません。
完全に人里になじんでいる様子に、住民からは…。
住民
「びっくりしている。テレビでは見るけど、実物を見るのは初めて、怖い。なんぼ小さい子グマでもクマに変わりはないから」
住民
「(クマは)今ずっと出ている。朝、玄関開ける時は、前を見るようになった。今まで、そんなことはなかった」
「(Q.(クマが)目の前にいるかも知れないから?)そうそう」
「(Q.この時期に出るのは)異例だと思う」
異例の出没が続く理由は…。
山内准教授
「クマの冬眠は3月いっぱいまでと考えられる。最近、温暖化の影響などで、暖かくなる時期が早くなっている。実際に東北でも、今年も数週間前から暖かい日が続いて雪もかなり少なくなっている状態なので、目覚めるのが早くなっているのかなと感じる。気温が高い日、昨年クマの出没が続いた地域は警戒・注意が必要」
クマの目覚めを早めている大きな要因は、気温の上昇です。
実際に出没が相次ぐ横手市の2月の平均気温は、観測史上2番目の高さでした。
住民の声を受けて市は、3月には異例となるワナを設置。中にはリンゴがたっぷり入っているものの、捕獲には至っていません。
冬眠明けた?
一方でこんなケースもあります。石川県白山市の斜面を歩くクマ。若干、足元がおぼつかないようにも見えます。雪に足をとられるようなシーンも。一旦、冬眠から目覚めたこのクマは、再び穴に戻っていったといいます。
去年クマによる過去最悪の被害が出た北海道では、市街地への出没や人身被害を防ぐために冬眠明けのクマを駆除する「春期管理捕獲」が始まりました。
秋田市では12日も、住宅近くの田んぼにクマが現れました。
クマを見た人
「タイヤか何か置いてあるのかと思ったが、よく見たらクマだった。春のこんな早い時点で見たのは初めてだから」
今年のクマの冬眠について専門家は。
山内准教授
「通常は山奥で冬眠しているので、途中で目覚めても人と会う機会はほとんどない。昨年、今年に関しては、人里近くで冬眠していた個体がかなり多いのではないかと思います」
「昨年、非常に多くの個体が人里・町中まで入ってきて、人の餌・資源に接してしまった個体が多くなった。そういう個体は山に帰らず、人里近くで冬眠した可能性が高い」
山内准教授は、去年相次いだ「アーバンベア」が人里近くで冬眠明けを迎える可能性を指摘。さらに、今の時期は特に注意が必要だといいます。
「3月上旬に早々と目覚めてしまうと、今山に戻っても雪が残っていて餌がない。どうしても人里で餌を探してしまう。基本的には春先、暖かくなってきて山で芽吹きが始まると、そのころはクマが山へ移動する。ただ、それまでの間にどうしても早く冬眠から目覚めてしまったり里に出てきてしまったりすると、ミスマッチが起こり出没が増える」
(2026年3月13日放送分より)
この記事の画像一覧
