
日本人を狙う詐欺集団のアジトに初めてカメラが入りました。詐欺の拠点はなぜカンボジアに多いのか、追跡取材です。
銀行・警察署 全部ニセモノ
タイ軍の案内のもと、特殊詐欺の拠点とみられる建物の中に入ります。 建物は何棟もあり、複数の棟が詐欺拠点とみられるということです。
ここは、タイとの国境付近にあるカンボジア北部の町・オスマック。去年12月、武力衝突の際にタイ軍が攻撃し占拠した施設の一つから、詐欺グループの拠点が見つかりました。
建物は6階建て、その中に入ると…。詐欺拠点の一室には上海市公安局と書かれた壁があります。もちろんこちらはカンボジアなので、そんなわけはありません。台の上には公安の帽子のようなものも置かれています。
他にも、こちらの部屋はブラジルの警察署のようになっています。そして壁に、まるで警察署のように、容疑者の身長を測るものがあります。
ブラジルの国旗が広げられています。サッカー元ブラジル代表のロナウド選手の絵も飾られています。
建物には、少なくとも6カ国のニセ警察署。さらには…。
こちらの部屋はベトナムの銀行のような部屋になっています。ニセの銀行です。ソファも置かれて待合室のようになっています。受付には名刺もあります。しっかりしています。
こちらはベトナム共産党の部屋を模したものだということです。奥にはホーチミンの像もあります。
部屋の窓には鉄格子
この拠点では、中国人やインドネシア人など1000人以上が活動していたとみられ、タイ軍が踏み込んだ際にはすでに逃走していました。
ここは食堂だったのかもしれません。冷蔵庫のようなものに飲み物が置かれていて、ビール瓶もあります。
たばこがいくらで売られているかというのが写真で貼られています。
この施設内で、すべてが完結するようになっていますが、生活は快適なものではなかったとみられています。
藤富空記者
「今回取材した詐欺拠点は、窓に鉄格子が設置され、逃げられないようになっていました。逃走しようとした人を押さえつけるためなのか、さすまたも見つかっています。そこまで広くない部屋に二段ベッドが並べられ、一部屋に10人以上が生活しているようでした」
特殊詐欺のターゲットには…。
タイ国家警察幹部 タッチャイ氏
「日本人を標的にした詐欺拠点として使われていた」
警察装う 被害者を取材
詐欺拠点からは英語や中国語など、さまざまな言語で書かれた書類が見つかりました。中には日本人の高齢女性のものと見られる個人情報が記されたものもあります。
書類に書かれていた女性を取材すると…。
詐欺拠点に個人情報が流れていた女性
「え!私の情報が?どこからいったんだろう…」
「(Q.最近怪しい電話はあったか)いっぱいあった。偽警察から電話があった」
都内に住む70代の女性。1、2カ月前に警察官と名乗る人物からビデオ電話がかかってきたといいます。
「ビデオで警察手帳を見せてきた」
女性はその後、用があったため、最寄りの警察署へ。このことを話すと…。
「(警察官に)警察手帳を見せられたと言ったら、『ビデオで警察手帳を見せるわけない』」
拠点から見つかったこの女性の書類にも、「最寄りの警察署 バツ」と書かれていました。さらには、銀行名や金額なども記されています。
「(Q.細かい預金残高などを聞かれた?)そうそう、聞かれた。何銀行と何銀行持っていますかと」
なぜカンボジア?
そもそも、なぜカンボジアで、詐欺グループは活動するのでしょうか。
藤富記者
「警察や政治関係者に賄賂を渡すことで摘発を免れるといったことが、まかり通ってきたといわれています。詐欺拠点はカンボジア国内に点在し、日本人も相次ぎ拘束されています。タイやベトナムと国境を接する地域は、犯罪組織側としても、不法入国しやすく、当局側に居場所を把握されないメリットがあります。多くは、高収入やリゾートバイトといった偽の求人につられ、詐欺行為を強要されているとみられます」
(2026年3月13日放送分より)
この記事の画像一覧
