
アメリカのトランプ大統領が17日未明、日本や中国、ヨーロッパなどに対してホルムズ海峡の安全の確保に協力するよう強く求め、「喜んでアメリカに協力するべきだ」と語りました。
各国対応に不満あらわ
「私は誰よりも戦争を望んでいません。平和的な強さを求めている」
日本時間午前5時ごろ、ホワイトハウスで会見を行ったトランプ大統領。ホルムズ海峡の安全確保について言及。不満をあらわにしました。
「私を大いに失望させた国々もある。NATOの問題点は我々は常に彼らのためにいるが、彼らは決して我々のためにいてくれないということだ」
さかのぼること4時間ほど前にも…。
「日本は95%依存」名指し
「我々はアメリカよりもはるかにホルムズ海峡に経済を依存している他国に対し、強く支援を呼びかけている。アメリカがこの海峡を通じて輸入している石油は1%にも満たない」
トランプ大統領は、ホルムズ海峡の安全確保に向けて支援を求めました。
「日本は95%、中国は90%、多くの欧州諸国もかなりの量を依存しています。韓国は35%、我々は彼らに海峡の警備に協力してほしいと考えている」
中でもホルムズ海峡に大きく依存しているとして、日本と中国を名指し。さらに…。
「いいか。ホルムズ海峡を必要としているのは他国だ、なのに我々が長年警備を担って立派に守ってきた。イランの戦力は大幅にそがれ弱体化しているので、他国が参入するいい機会だ」
一方、イランも選択を迫っています。
イラン アラグチ外相
「我々から見れば(ホルムズ海峡は)通過可能なままです。ただし、敵は通らせません。我が国に卑劣な侵略を行った者たちと同盟国に対して」
日米首脳会談が迫る日本の対応は…。
高市早苗総理大臣
「日本政府として、必要な対応を行う方法を現在検討中です」
米国「数千の標的無力化」
17日未明にアメリカ中央軍のSNSに投稿された動画。イランの数千の軍事標的を無力化したと発表しました。
空爆で廃墟と化したイランの首都テヘランの住宅街。がれきの下から救助隊が懸命に住民を救助する様子が映し出されています。
住民
「多くの人がまだがれきの下敷きになっていて、生きているとは到底思えません。軍の基地や関係施設もありません、ここには住宅以外何もなかったのに…」
骨組みだけが残る建物。外壁はなくなり、中は野ざらし状態です。
住民
「多くの人が亡くなり、家族や生活を失いました」
前日にもテヘラン市内の宇宙研究センターが攻撃され炎上。建物内部は真っ赤に燃え盛り、もうもうと黒煙が立ち上ります。
さらに警察の建物も攻撃を受けて、大量の煙が立ち上っています。
一方で、15日に革命防衛隊が公開したのは、最新型の中距離弾道ミサイル「セジル」です。
さらに、イスラエルの占領地域にミサイルが撃ち込まれる様子も捉えられていました。
イランからの反撃で被害を受けるイスラエルですが、当局はその数や規模の詳細を明らかにしていません。
街にはミサイル攻撃を知らせるサイレンが鳴り響き、シェルターに逃げ込む住民たちがいました。
イスラエル警察官
「イランはいつもこのような人混みを狙って標的にしてきます。大都市の中心部です」
イランとの戦闘が長期化する中、イスラエル軍は16日レバノン南部で親イラン武装組織「ヒズボラ」の拠点を標的とした限定的な地上侵攻を開始したと明らかにしました。
日本「対応検討中」
「中国、フランス、日本、韓国、イギリス、そのほかの国々が艦艇を派遣し、ホルムズ海峡の脅威を根絶してくれることを期待する」
トランプ大統領は、自らのSNSで国名を挙げてアメリカへの協力を要請しました。
「きのうときょう各国に連絡したが、肯定的な反応もあれば、関与したくないという国もあった」
「(Q.何カ国に打診を?)7カ国ある。いいか、あの海峡を必要としてるのはこれらの国々だ。なのに、アメリカが長年警備を担って立派に守ってきた」
日本は艦艇の派遣に協力するのか。国会では…。
無所属 広田一議員
「米国側から船舶の護衛活動への参加検討を求められる可能性が高いと想定されるが、その場合、どのように対応されるのか」
高市総理
「まだ求められていませんので、仮定のことはお答えしにくい。日本政府として、必要な対応を行う方法を現在検討中です。もちろん日本の法律の範囲内でございますけど、どのように日本関係船舶および乗員の命を守っていくか、何ができるかということを検討中でございます」
艦艇の派遣を巡っては「対応を検討中」と述べるにとどめた高市総理。自衛隊が海の上で警察権を発動する海上警備行動についてもこう述べました。
「相手方として国または国に準ずる組織が想定される場合、派遣ができない、こういうことになっています。非常に法的には難しいということです」
現行の法律内ではハードルの高い自衛隊派遣。小泉進次郎防衛大臣もこう述べました。
「現時点で自衛隊の派遣、こういったことは考えていません」
介護施設「死活問題」
イラン情勢が緊迫する中、16日に国内では石油の“民間備蓄”の放出が始まりました。
ガソリン価格の上昇は、高齢者を支える現場にも重くのしかかっています。
「憩の道 みち」 石津道弘代表
「(Q.今から迎えですか?)(迎えに)今から出ます。(午前)7時20分に行きます」
静岡県牧之原市でデイサービス「憩の道 みち」を運営する石津道弘さん。所有する6台の車で、毎日20人ほどの高齢者を自宅まで送り迎えしています。
石津さんはこの日、1時間半かけて3人の利用者の家を訪ねていきます。
「(周辺は)海山しかないので、一軒一軒だとやっぱり離れていますから、どうしても不便ですね」
一日およそ80キロの距離を送迎しているという石津さん。車の走行距離はというと、21万キロを超えています。
「(Q.最近ガソリンの変動が激しいですが)激しいですね。一喜一憂しますよ。(レギュラー価格が)26円上がりましたから、さすがにびっくりしました。それがもう毎回これから続くと思うと、こういう小さな事業所はやっていけないです」
ガソリン代が上がっても、変わらぬサービスを続ける石津さんに利用者の家族はこう話します。
「少しでも助けたい気持ちはあるので(介護サービス料金の)値上げしても構わないなって思っていますけど。来てもらわないと困るもん」
それでも、石津さんは…。
「(Q.送迎の料金は値上げできない?)上げられません。介護報酬の中に含まれているので、(値上げして)取ることは難しい」
介護サービスの利用料は国や自治体が決めるため、物価や光熱費が高騰しても利用料に転嫁できないのです。
そのため、石津さんは自身の給料を下げるなどして、やりくりしているといいます。
「どこまで我々の経費を削ればいいよって話になるので、本当に死活問題。生き残りをかけた闘いですね」
利用者からは次のような声が聞かれました。
「迎えがないと来られないです。一週間に一度だけだけど、やっぱり来る日は楽しみです」
「本当にありがたい。ありがたいよ。こういう所に来てね、楽しいし」
昼すぎ、合間をぬって訪れたのは近くのガソリンスタンド。石津さんが気になっていたのは、19日の出荷分から再開されるガソリンの補助金です。
石津さん
「補助金出たらどれくらい下がります?」
店主
「(1リットル)170円くらいには」
石津さん
「来週?」
店主
「19日の予定。19日からもし安くなれば、その日から下げるから」
石津さん
「分かりました。じゃあ、それ以降にまた」
店主
「19日以降がいいと思う。(ガソリンを)入れるのがね」
ガソリン価格はいつ下がるのか、石津さんの気をもむ日が続きます。
「ガソリンを入れるのが一番憂鬱(ゆううつ)ですね」
先行きが見えない状況の中、それでも石津さんは…。
「たとえ経費は削ってでも、持続していくこと継続していくことが僕らの“福祉魂”と言ったら変ですけれども。ガソリンが上がっても、自分の心は折れないように、何とか続けていくということだけですね」
混迷深まるイラン情勢。石油製品以外のものにも影響が出始めています。
アルミ工場に思わぬ余波
愛知県蟹江町にある加藤軽金属工業の工場。自動車の部品や窓枠のサッシなどを製造しています。
その素材となっているのが、1円硬貨にも使われている身近な金属「アルミ」です。
加藤軽金属工業 加藤大輝社長
「アルミの丸いインゴットをですね。ドバイ(UAE)から仕入れております」
そこには、メードイン・UAEの刻印がされています。この会社では、全体の半分ほどを中東のUAEから輸入しています。
しかし、ホルムズ海峡が事実上封鎖されているため、ドバイからの輸入がストップしました。
「ホルムズ海峡がこのまま封鎖されたままですと、5月以降の生産に影響が出る可能性があります」
こうした中東情勢の悪化を受け、アルミ価格は急激に上昇しています。
「2月末の時点で(1トン)3100ドルくらいになって、(イランへ)実際に侵略があってから上がって、今は(1トン)3500ドルくらいに。(ダメージは)少なくとも2000万~3000万円はいくんじゃないかなと思っています」
戦争が長期化すれば、億単位のダメージになる可能性もあるといいます。さらに…。
「イランの影響が出始めてから、(1キロ)100円弱くらい価格が上がっている。アルミホイルだったりポテトチップスの袋、アルミ缶、そういったものの価格が今後上がる可能性はあります」
(2026年3月17日放送分より)
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