トランプ氏 ホルムズ海峡「艦艇派遣」要求…日本はどうする?19日に日米首脳会談

トランプ氏 ホルムズ海峡「艦艇派遣」要求…日本はどうする?19日に日米首脳会談
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ホルムズ海峡の安全を確保するため、日本などを名指しして艦艇の派遣を求めているトランプ大統領。これに日本はどう対応するのか。今週トランプ大統領との首脳会談を控えた、高市総理大臣が国会で問われました。

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トランプ氏「前向きな返事あり」

軍艦の派遣要請
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トランプ大統領のSNS
「中国・フランス・日本・韓国・イギリスなどが船を出してくれれば、ホルムズ海峡は脅威と無縁になる」

トランプ大統領が各国に要請した軍艦の派遣。しかし、戦闘地域への介入は単純な話ではありません。

アメリカ トランプ大統領
「前向きな返事の他に、関わりたくないというのもあった。いいか、あの海峡を必要としているのは他国だ」

これはさらなる混迷の始まりとなるのでしょうか。

イラン軍事衝突 見えぬ出口

15日に革命防衛隊が公開したのは最新型の弾道ミサイルでした。トランプ大統領は以前「彼らに残された物はない」としていましたが、そうではなかったようです。

中距離弾道ミサイル「セジル」
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CNNエルサレム支局 リーバーマン支局長
「開戦から15日目。イランは弾道ミサイルでイスラエルへの攻撃を続けました」

爆撃の傷跡が確実に増えてきている
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イランからの反撃。その数や規模の詳細をイスラエル当局は明らかにしていません。ただ、街中では爆撃の傷跡が確実に増えてきているようです。

テルアビブ警察
「3人が軽傷を負ったことが確認されています。閉じ込められた人がいないか確認するため、建物内部を点検すると共に、現場の封鎖作業を行っています」

こうした現状に久々に姿を見せたネタニヤフ首相は…。

ネタニヤフ首相
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イスラエル ネタニヤフ首相
「外で気分転換を。ただしシェルターの近くで」

3週目に突入した軍事衝突。それぞれの国の思惑は大きく食い違い、妥協点は見えていません。はっきりしているのは、まだ続くということだけです。

攻撃する理由を探し続けるイスラエル…。

イスラエル軍 デフリン報道官
「数千以上の攻撃対象があり、毎日さらに増やしている」

そしてアメリカは…。

アメリカ トランプ大統領
(Q.終戦に関してネタニヤフ首相と目指すところは一致しているか)
「イスラエルとは国が違うから、目的は多少違うかもしれない。アメリカに並ぶ強国はないと彼も認めるだろう。1期目に軍を立て直したのは私だ」

一方のイランは、話し合いはもはや意味がないとしています。

イラン アラグチ外相
「アメリカ人と話し合う理由は特に見当たらない。アメリカ人と対話してもろくなことがない。もう一度、話し合いに戻ったとして、いったい何の意味があるのか」

石油供給に混乱 揺さぶるイラン

ウォール・ストリート・ジャーナル
「原油の流れを妨害し、世界経済を揺さぶっているイランは、本物か虚勢かは分からないが、より広範な場で自信を示している」

石油施設やタンカーを攻撃対象に
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イランはこの間、湾岸諸国にある石油施設やタンカーを攻撃対象にしています。そのダメージは少しずつ各国に…。

AP通信 サミヤ・クラブ記者
「ペルシャ湾航行の混乱や石油インフラへの攻撃で原油輸出ができず、イラクには死活問題です。来月には公務員の給与も支給されなくなる恐れがあります」

UAEを「敵国」
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特にUAE(アラブ首長国連邦)に対しては明らかに“敵国”として扱い始めました。ただでさえ多かった攻撃は、今も空港や港を対象に続いています。

イラン軍統合司令本部 ゾルファカリ報道官
「UAEの指導者に告ぐ、イラン・イスラム共和国は自国の主権と領土防衛の正当な権利として、一部の港・埠頭(ふとう)、米軍隠れ家のミサイル発射拠点を攻撃対象とみなします」

UAE
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UAEはホルムズ海峡を挟む対岸に位置し、代替輸送ルートもあることから強くプレッシャーがかけられていると言われています。

激化するペルシャ湾の主導権争い。

ロイター
「『史上最も深刻な石油・ガス供給の混乱』が、いつまで続くのかを最終的に決めるのはイランだとの認識が、中東内外で広がりつつある」

イラン石油輸出の“生命線”攻撃

ニューヨークの原油先物相場
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ニューヨークの原油先物相場は15日、1週間ぶりに1バレル=100ドルの大台を超えました。これには13日のアメリカ軍の作戦が大きく影響したようです。

トランプ大統領のSNSから
「イランの至宝カーグ島のあらゆる軍事目標を跡形もなく完全に破壊した」

カーグ島
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アメリカ軍が攻撃したカーグ島は、ペルシャ湾にあるイラン領の島です。イランで採掘された原油は、9割がここに一度集められ、そこから輸出されます。いわばイランの生命線ですが、ここに戦火が広がったとなると、さらなるエスカレーションは避けられません。

さらに…。

CNN
「速報です。中東への海兵隊が増員されます。情報筋によると、海兵隊と海軍、最大2500人と戦艦が追加派遣されます」

アメリカメディアによると
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アメリカメディアは、佐世保基地に配備されている強襲揚陸艦と、沖縄のキャンプ・ハンセンの第31海兵遠征部隊が中東方面に派遣されると報じました。ついに地上戦に踏み切るのかという憶測が飛び交っています。

アメリカ トランプ大統領
(Q.海兵隊・海軍を派遣する根拠は?)
「静かに。礼儀知らずだな。他の質問を」

トランプ氏「エネルギー必要なら…」

7カ国に軍艦を派遣要請
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トランプ大統領は、軍事行動でも各国を巻き込もうとしています。7カ国に対してホルムズ海峡に軍艦を派遣するよう要請したことを明らかにしました。

アメリカ トランプ大統領
「海峡を守るために、他国に参加を求める。海峡は自国の領域同然で、エネルギーを得るのに必要だ。現地で我々と守るのが筋だろう。極論を言えば、我々が海峡にいる必要すらない。石油なら自前のがある」

「派遣を期待する」としている
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トランプ大統領はSNSでは、中国・イギリス・フランス・韓国、そして日本に対して「派遣を期待する」としています。

アメリカ トランプ大統領
「協力を要請している多くはNATO加盟国で、ウクライナ問題でも我々は常にNATOに協力してきた。ヨーロッパとの間には海があり、こっちに影響はないのに、海峡開放という“些細な協力”だ。拒む国があるのか見ものだな」

在日アメリカ軍の中東派遣に加え、自衛隊も関わるとしたら、日本も当事者として扱われることは避けられません。革命防衛隊の元司令官は、このように警鐘を鳴らしています。

革命防衛隊元司令官 カナニマガディム氏
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革命防衛隊元司令官 カナニマガディム氏
「日本はイランの友達ですが“日本におけるアメリカ軍基地が対イラン攻撃に利用されている”そうした情報を得た場合は、アラブ諸国同様に在日アメリカ軍の基地を攻撃します。日本の船舶もホルムズ海峡を通過できません。しかし現時点において“日本がイランの敵”であるとの結論には至っていません」

イラン情勢 日米外相が電話会談

対応を迫られる日本。

無所属 広田一参院議員
「トランプ大統領の発言を踏まえると、今般の日米首脳会談で米国側から船舶の護衛活動への参加検討を求められる可能性が高い。その場合、どのように対応するのか」

高市早苗総理大臣
「まだ求められておりませんので、仮定のことにはお答えしにくい。日本政府として必要な対応を行う方法を現在検討中です」

無所属 広田一参院議員
「日本関係船舶の護衛、それに伴う自衛隊派遣が含まれているのか」

小泉進次郎防衛大臣
「現時点で自衛隊の派遣、こういったことは考えておりません」

ペルシャ湾に残る、45隻の日本に関係する船舶をどう守るのか。自衛隊が海の上で“警察権”を発動する、海上警備行動についても…。

高市早苗総理大臣
「相手方として国または国に準ずる組織が想定される場合、派遣ができない。こういうことになっている。非常に法的には難しい」

現行の法律ではハードルが高い、自衛隊の派遣。同じような光景は過去にも。アメリカとイランの対立が深まり、ホルムズ海峡周辺でのタンカー攻撃が相次いだ2019年。アメリカは、民間の船舶を守るための有志連合を作ろうと、日本にも協力を打診。しかし、情勢が不安定であることなどを理由に、ホルムズ海峡には派遣せず、近海での情報収集にとどめていました。

突如浮上した、トランプ大統領による艦艇派遣の要請。19日に行われる予定の首脳会談でも、避けては通れないとみられますが…。

高市早苗総理大臣
「護衛艦の派遣について、まだ一切決めていない。今、日本国独自として何ができるか。法的な枠組みの中で何ができるか。昨日も一昨日もそうでしたが、関係省庁も集まっていただいて、私自身も色んな指示を出しながら検討を続けている」

茂木外務大臣は16日夜、アメリカのルビオ国務長官と電話会談を実施。艦艇の派遣についても意見が交わされた可能性があります。

「法律の範囲内で」選択肢は

ホルムズ海峡の“事実上封鎖”という事態を受けて、トランプ大統領は、7カ国ほどに艦艇の派遣を要請しました。トランプ大統領が名指しした中には日本も含まれていますが、果たして現実的なのでしょうか。

戦闘が激化している中東への自衛隊の派遣となると、集団的自衛権の議論は避けられません。

『密接な関係がある国が攻撃された場合、日本が直接攻撃を受けていなくても、それを阻止できる』いわゆる“集団的自衛権の行使”について、2015年、安保法制の議論の中で、当時の安倍総理はこのような答弁をしています。

民主党 岡田代表(当時)
「アメリカが(違法な)先制攻撃をした時に、日本が集団的自衛権の行使をすることはないか」

安倍総理大臣(当時)
「国際法上認められない行為をする国を支援することはない」

日本政府は今回、双方の攻撃に対する、国際法上の評価は避けた上で、高市総理は16日の国会で「法律の範囲内で必要な対応を行う方法を現在検討中」という答弁に留めています。

関わる法律として、どんなものが考えられるのでしょうか。

【海上警備行動】
海上での人命救助や治安維持などが必要な場合、自衛隊法に基づき、総理の承認を得て行動ができますが、高市総理は16日の答弁で「相手が国または国に準ずる組織が想定される場合、派遣ができないため、法的に難しい」としています。

【存立危機事態】
日本と密接な国への武力攻撃により、日本の存立が脅かされ、国民の生命や自由が根底から覆される明白な危険が迫る事態を指します。これに対し、木原官房長官は「あたらない」としています。

【重要影響事態】
そのまま放置すれば、日本に対する直接攻撃の恐れがある場合を指します。アメリカ軍などへの後方支援や、捜索救助活動を行いますが、戦闘行為がある場所では実施しないことが定められています。これについても、木原官房長官は「あたらない」としています。

つまり、政府は一貫して“法律の範囲内では難しい”という立場を取っています。

かつて、第1次トランプ政権の時、自衛隊の派遣に関して日本は独自の立場をとりました。2019年、イラン情勢が緊迫化した際、ホルムズ海峡の安全確保のためとして、アメリカ主導の“有志連合”に、日本は参加しませんでした。その時には、ペルシャ湾やホルムズ海峡には行かずに、オマーン湾やアラビア海、アデン湾の公海上で、護衛艦などが“情報収集活動”を行うことを閣議決定しました。

トランプ氏が艦艇要請…日本は

政治部官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。


(Q.政府は今回、トランプ大統領の要請には答えられないとみていいですか)

自衛隊派遣の主な法的選択肢
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千々岩森生記者
「まず最新情報からお伝えします。政府高官は16日夜、トランプ大統領に名指しされた5カ国のうち、中国を除くイギリス・フランス・韓国と、どう対応するか協議を始めたと明らかにしました。そしてトランプ大統領の要請ですが、仮にこれが自衛隊がホルムズ海峡に行くという意味であれば、日本政府は応じるつもりはありません。ここは明確です。総理側近など複数の関係者が断言しています。ですから、存立危機事態などの枠組みが使われることはないとみていいと思います。もともと、木原官房長官は否定的でした。ただ、これは攻撃開始から間もない時期でした。トランプ大統領が要求を公表してから、官邸が一気に緊迫したのは事実です。それでも日本が応じられない理由は2つです。1つは法的に当てはめるのが極めて難しいという法律論。2つ目は、そもそも自衛隊が今まさに戦闘が行われている真ん中に突っ込んでいくことに、政治的にゴーサインは出せないという、法律以前の現実論です」

(Q.とはいえ、日米首脳会談まであと3日。トランプ大統領をどう納得させますか)

情報収集活動
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千々岩森生記者
「16日夜に総理側近を取材すると『2019年のように日本単独でやるのか、それとも有志連合に入るか。色々な選択肢がある』と説明しました。2019年という意味では、考えられるのは情報収集活動です。イランの攻撃が及ばない、距離を取って自衛隊の安全は確保して行う。一方で“派遣した”という実績をトランプ大統領に見せる意味もあります。これでトランプ大統領が納得するのか。今週予定されている日米首脳会談が成否を握るわけですが、政府は早ければ17日にも、現行法の範囲内で取り得るオプションをまとめたい考えです」

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