迫る日米首脳会談 日本が“できる”交渉材料は?

迫る日米首脳会談 日本が“できる”交渉材料は?
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 トランプ氏との会談を前に「できないことはできないと伝える」と話した高市早苗総理大臣。では、交渉材料として何ができると伝えるのでしょうか。

【画像】政府関係者「もう一喜一憂しても仕方ない」

トランプ氏真意は?「顔と空気みて判断」

立憲民主党 杉尾秀哉議員  
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立憲民主党 杉尾秀哉議員  
「トランプ大統領から日米首脳会談で強硬に(艦艇の)派遣を求められた場合、本当に予測不能ですから高市総理は『ノー』と言えますか」

高市総理大臣
「法律の範囲内で必要な対応を検討していくという考え方です」

杉尾議員  
「これまでの質疑で総理は派遣要請はないとおっしゃっておられるが、その後今に至るもない?」

高市総理大臣
「これまでもないですし、現段階でもございません」

杉尾議員  
「非公式な打診はなかったんですか?」

艦艇の派遣要請について
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小泉防衛大臣
「非公式なことを話したら外交は成り立たないってのは、これは杉尾先生がお分かりいただけると思います。正式な派遣要請はありませんし、現時点で自衛隊の派遣は考えていることはありません」

 18日夜に日本を経ち、現地時間19日にアメリカのトランプ大統領との首脳会談に臨む高市総理大臣。その直前になってコロコロ変わるトランプ大統領の発言に、政府関係者も戸惑いを見せています。

総理周辺
「トランプさんの頭の中が全く分からない…」

 イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡を巡って、石油タンカーなどの船舶を護衛するよう、日本を含む各国に艦艇の派遣を求めていたトランプ大統領。ここへ来て一転、派遣要請を撤回しました。

トランプ大統領
「我々に支援は必要ない。いかなる支援も必要としていない」

呼びかけに応じた国はゼロ
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 17日、フランスが派遣に応じない考えを示したことで、呼びかけに応じた国はゼロ。協力を得られなかったトランプ大統領は「強く失望した」と不満を見せました。

「もはや我々はNATO諸国の支援は“必要"ないし望んでもいない。日本、オーストラリア、韓国についても同じだ。世界で最も強大な国、アメリカ合衆国の大統領として言わせてもらえば、我々は誰の助けも必要としていない!」

 そのトランプ大統領、「近い将来イランから撤退する」とも発言。政府関係者は、その真意をはかりかねています。

真意をはかりかねる政府関係者
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政府関係者
「もう一喜一憂しても仕方ない。直接総理が会いにいくわけだから、トランプ大統領の顔と空気をみて判断するしかない」

杉尾議員  
「この方はコロコロ発言が変わるので、まったく分からない。真意が分からないんですよね。憲法9条を含めて制約がたくさんある中で、できることはできる、できないことはできないとはっきりと伝えるべきではないか」

高市総理大臣
「日本の法律に従って、できることはできるけどできないことはできない。それをしっかりとお伝えするつもりですし、先方もこれまでの経緯から、日本の法律よくご承知のはずでございます」

杉尾議員
「ただ先方のトランプ大統領がよくご存じかどうかは分からない」

日本の法律について
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高市総理大臣
「安倍総理のころに1回日本国憲法の内容等について、丁寧に説明をしたり、できないことはできないとはっきり申し上げた経緯はございます。もしも忘れておられたら、しっかりとお伝えをしてまいります」

交渉材料とは?

中立の立場で情報収集活動
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 2019年のイラン情勢が緊迫した時、当時の安倍総理はアメリカ主導の有志連合には参加せず、中立の立場で情報収集活動を行うために自衛隊を派遣した経緯があります。

杉尾議員
「安倍(元)総理は高市総理大臣のお師匠さんですけれども、同じことを考えていませんか」

高市総理大臣  
「完全な停戦合意が行われた後、貢献できることが皆無だとは申し上げません。これはその時しっかりと考えさせていただきます」

アメリカ産原油の増産に向けた投資
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 日米首脳会談で高市総理は、アラスカ州を含むアメリカ産原油の増産に向けた投資を行い、その原油を調達する意向をトランプ大統領に伝える方針であることが分かりました。

 日本政府が視野に入れるアラスカ産の原油について、桃山学院大学の小嶌正稔教授は、近年、環境保護の観点などから生産量が減少していて、施設や設備が老朽化しているといいます。

日本に届くには数年かかる
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「あるものを輸入するのではなくて、今回の投資というのは自分で掘ってきますと、かなりの投資をする。そうすればきっと採れるでしょう。これは安全保障の一環として、採算がとれなくてもやるんだという考え方をするなら分かりますけども、果たしてそこまでしますか。非常にうまくいったとして、少なくとも数年かかります」

 日本政府としてはアメリカへの新たな投資を、首脳会談の一つのカードにしたい思惑が見え隠れします。

「大統領へのアピールの色が強い」
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政治部 外務省担当
飯田陸央記者

「トランプ大統領は原油価格を今、非常に気にしています。アメリカの原油生産量が増えれば市場の安定化につながります。また増産分は日本が輸入し、共同備蓄することも伝達する方向で調整していて、政府関係者は『アメリカの原油をさらに買うと言えば、トランプ大統領も喜ぶのではないか』と話しています」
「ただ、増産分が今すぐ調達できるわけではなく、大統領へのアピールの色が強いです。トランプ大統領は、ホルムズ海峡でのタンカー護衛など、自衛隊の艦艇派遣を会談で要求してくる可能性も否定できません。しかし、日本政府としては戦闘が続いている現時点では自衛隊の派遣は検討していません。アメリカ側からホルムズ海峡の安全確保に向けた『有志連合』の共同声明への賛同を求められていますが、こちらも先行きが見通せません。高市総理は就任後最も難しい外交の場面に向き合うことになります」

(2026年3月18日放送分より)

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