
18日午後、ガソリン平均価格が発表され、先週の161円から過去最高値の190円になりました。高騰が続くなか、その影響はガソリン以外にも広がっています。
原油高はガソリン以外も影響
すっかり花開いてきた、靖国神社の桜。開花発表は、もう目の前です。
桜の名所は、すっかり花見モードです。少し気の早い花見客でにぎわう、東京・上野公園。早咲きのシダレザクラは、すっかり色づいています。春の陽気も重なり、花見酒が進みます。
「ビール最高。おいしい」
「平日なのに人がいてびっくり。もう春だなという感じがある」
先週始まった桜フェスタ。秋田のご当地グルメ・横手焼きそばなど、全国各地のうまいものがそろい、「花よりグルメ」も楽しめます。
日本の春の風物詩、花見に水を差すのが原油高騰です。
アオモリヤ 石岡彩乃店長
「(先週)『明日から爆上がりします』とガソリンスタンドの人に言われて、値段聞いたらびっくりした」
18日午後に、16日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格が発表されました。1990年の調査開始以来、過去最高額となる1リットルあたり190.8円に。前の週から29円と大きく値が上がりしました。
花見には欠かせない屋台。こちらは、青森・陸奥湾のホタテなど青森の逸品を全国各地に届けています。
「青森から(車で)9時間くらい。青森からだとどこに行くにも遠い。正直、結構きびしい」
「(Q.店の価格に影響は?)今のところは出せない」
グアムの伝統料理を出す店は、キッチンカーで全国を回るだけに、影響は小さくありません。
WH JAPAN 塩見哲成さん
「移動するのもガソリン使うし、距離が延びれば延びるほどガソリンを使うので、今の値段がどれくらいまで上がるのか心配。(別のイベントで)オール電化の場合IHになると、発電機をたいて使用して
ガソリンを使う場合もある。今が一番きびしい」
“容器も高騰”
原油高の影響が深刻なのは、ガソリンだけではありません。群馬県太田市にある「鳥めし」が名物の弁当店。
屋台蔵 齋藤勇会長
「すべて食材が上がっている」
メインで扱う国産の鳥肉やコメなど、あらゆる食材が高騰する中でも、鳥めし680円での販売を続けています。
利用客
「(Q.何がおいしい?)タレかな」
「(Q.甘いかしょっぱいか?)その中間」
店は、価格の維持につながるあらゆる手を尽くし、少しでも利益を確保するため、新たに地元名物の「太田焼きそば」の販売も検討しています。
「もうこれ以上(材料費が)上がったら商売できない」
そこに、今回のイラン情勢による原油高騰。弁当の価格を維持できるかの瀬戸際に立たされています。
今、値上げのキッカケになり得るのが…。特注だという「保温」に優れた容器にも、値上げの波が迫っています。
屋台蔵 齋藤胡依代表
「少し値上げしていかないとやっていけない」
いまや暮らしに欠かせないプラスチック。弁当や納豆の容器などを製造する工場で、現時点の状況を聞きました。
村山製作所 村山泰義社長
「原油が入ってこなければガソリンもナフサも作れない。今の状況はナフサの不足にダイレクトにつながる」
主要企業も影響
今、最も心配しているのがナフサ不足だといいます。この透明な液体のナフサ。原油を加熱して分けられる石油製品の一つです。ナフサを化学反応によって分解することで、エチレンやベンゼンなど、石油化学製品の基礎となる成分を取り出すことができます。そして、身近なプラスチック製品などに生まれ変わります。
村山社長
「今、納豆容器を作っている。(一日に)約30万個の納豆容器をここで作っている」
この工場では、ベンゼンなどから作られる「ポリスチレン」というプラスチック樹脂の材料を仕入れて、容器を製造しています。
「納豆容器の他にも、トレー、お弁当の中敷き、コンビニの弁当容器のフタなどを製造している」
「食品の流通でプラスチック容器の果たす役割は非常に大きい。プラスチック容器がなければスーパーで物が買えない。コンビニで食品が買えない。日常生活への影響は非常に大きい」
村山社長は、「まだ原材料の在庫に影響はない」としながらも、この先の供給に不安を抱いていました。ナフサの国内消費量のうちおよそ4割は、中東地域からの輸入が占めています。
他にもプラスチックの原料を生産する主要な企業に影響が出始めています。今後、私たちへの日常生活にどのような影響があるのでしょうか。
「ガソリンと違って国策で備蓄が決められていないので、ナフサがなくなってプラスチックがなくなれば、我々は仕事がなくなってしまう」
ガソリン以上に、プラスチックの原料ナフサの不足を深刻に捉えている人もいる中で、この先の見通しについて「石油化学工業協会」がコメントを発表。
「中東地域における紛争拡大は、石油化学製品の原料となるナフサの供給確保の観点から、極めて高い緊張感をもって注視しているところである。(中略)主要石油化学製品では国内需要の3カ月半から4カ月程度の在庫があるなど、一定程度の在庫水準が確保されており、直ちに供給困難となる状況ではないと認識している」
ただ、ナフサ不足の影響は出始めていて、すでに「出光興産」「三菱ケミカル」「三井化学」が、エチレンの減産を始めています。影響が長期化すれば、生産停止など、状況が悪化する可能性もあるとしています。
村山社長
「石油由来の製品の中からガソリンを含めて何から先に止まっていくのか分からないが、何が止まっても必ず大きな影響があると思うので、軽量化やリサイクルの推進など、少しでもナフサを使う量を減らす努力をしながら対応していくしかない」
(2026年3月18日放送分より)
この記事の画像一覧
