「支援は必要ない」不満募らせるトランプ大統領…欧州各国が“艦艇派遣”否定

「支援は必要ない」不満募らせるトランプ大統領…欧州各国が“艦艇派遣”否定
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高市総理大臣は18日夜、日米首脳会談のためアメリカに向けて出発しました。首脳会談は日本時間20日の午前中に行われる見通しです。

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その高市総理をホワイトハウスで迎えるトランプ大統領。各国にホルムズ海峡への艦艇の派遣を求めてきましたが一転、「我々は誰の支援も必要としていない」などと発言しました。ただ、素直に諦めたと受け取る訳にはいかないようです。むしろトランプ大統領は、同盟国との安全保障を後退する可能性をちらつかせ、日本を含む各国に圧力をかけ続けています。

イスラエル イラン指導者を次々殺害

イラン暦の大みそか
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イラン暦の大みそかに行われる伝統行事。火を飛び越えて厄を落とし、くる年の無病息災を祈ります。新年を迎えるイラン国民に対して、イスラエルのネタニヤフ首相はこんなメッセージを送りました。

イスラエル ネタニヤフ首相
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イスラエル ネタニヤフ首相
「我々は24時間で独裁体制の最高幹部、テロの首領2人を始末した。軍用機で地上・交差点・街の広場でテロの工作員どもを攻撃中だ。これでイランの勇敢な民は“火の祭り”を祝えるようになる。さあ新年のお祝いを。我々は空から見ている」

イランへの攻撃
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イスラエルの目的はあくまで体制の転換です。17日には、殺害された最高指導者ハメネイ師の最側近とされるラリジャニ氏と、民兵組織バシジのトップの死亡が確認されました。また、イスラエル軍は、イラン情報省のトップも殺害したと発表しました。イスラエルはこれまで、数千カ所に1万発の弾薬を投下。イラン・インターナショナルは、夜間の連続攻撃で、バシジ司令官や現場幹部約300人が死亡したとしています。

イランは報復攻撃に出ています。攻撃はイスラエル各地に及び、住宅や駅にも被害が出ています。

ホルムズ海峡沿岸に地中貫通弾

バンカーバスター
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一方、アメリカの主戦場は、世界で海上輸送される原油と液化天然ガスの5分の1が通過するホルムズ海峡です。アメリカ軍は、ホルムズ海峡沿岸にあるミサイル基地を、重さ5000ポンドの爆弾で攻撃したと発表。これは地下深くに作られた施設に対し、新型のバンカーバスターを使ったものとみられています。

基地
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イランは地下施設をいくつも作り、ミサイルを運用する拠点としてきました。ホルムズ海峡の沿岸部にもミサイルやドローンの基地がいくつも存在し、石油タンカーへの攻撃に使われたとされています。

元米陸軍准将 マーク・キミット氏
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元米陸軍准将 マーク・キミット氏
(Q.海峡の船舶への脅威を取り除く上で、今回の空爆の効果は?)
「忘れてはならないのは、商業船を装った何千もの高速艇が海岸線に潜んでいることです。その脅威を海峡から排除するまでは軍事的な成功とは言えず、商業的な再開も先の話になるでしょう」

指導者殺害も体制揺るがず?

指導者や幹部が次々に殺害され、基地も大規模な攻撃を受けるイラン。体制が崩壊しないのはなぜなのでしょうか。

アラグチ外相(アルジャジーラから)
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アラグチ外相(アルジャジーラから)
「重要なのは、イランの政治体制が非常に堅牢であることだ。最高指導者より重要な人物は存在せず、その最高指導者が殉教した時でさえ、体制は機能を失わず、すぐに後任を選出した。誰が殉教しようとも、この仕組みは変わらない」

民兵組織『バシジ』
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『モザイク防衛』とも呼ばれるイランの有事における構想。指導者や幹部の入れ替わりが可能なうえ、指揮系統を地域や部隊ごとに分散させることで体制の崩壊を防ぐ狙いがあります。さらに、正規軍42万人や革命防衛隊約20万人に加えて、民兵組織『バシジ』の60万人を次々に動員できると言われています。

バシジの学生
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バシジの学生
「もしアメリカが攻撃してきたら、祖国と指導者のため、最後の血の一滴まで徹底抗戦する」

こうした力を背景にイランは長期戦に持ち込もうとしています。専門家は、現状をこう分析しています。

現代アラブ研究センター事務局長 アミラ・フェルナンデス氏
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現代アラブ研究センター事務局長 アミラ・フェルナンデス氏
「現在までイランの政治体制は立ち直りが早く、軍も指揮系統を維持して応戦する力を残しているようです。イスラエルは戦争を続けて、イランの国家と現政権をたたき潰す気でしょう。アメリカとイランが停戦や何らかの合意を勝利と言い張り、戦争に終止符を打てるかどうか全く不透明です」

米テロ対策トップ抗議の辞任

疑問の声は、アメリカ国内からも上がります。テロ対策機関のトップが17日、トランプ政権によるイランへの攻撃を「支持できない」として辞意を表明しました。

米国家テロ対策センター ケント所長
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米国家テロ対策センター ケント所長
「良心に照らして、イランとの戦争を支持することはできない。イランはアメリカにとって差し迫った脅威を与えていない。この戦争がイスラエルとアメリカ国内のロビー活動による圧力で始められたことは明らかだ」

アメリカメディアによると、トランプ政権の高官がイラン攻撃を理由に辞意を表明した初めてのケースです。それでもトランプ大統領は「核の脅威を取り除いた」と強調します。

アメリカ トランプ大統領
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アメリカ トランプ大統領
「彼は辞めて正解だろう。辞表に『イランが脅威でない』とあった。イランはずっと脅威だったが、それが現実になった。私がオバマの核合意を破棄していなければ、4年前に核戦争が起きて、核による“ホロコースト”になっただろう。核施設への爆撃も必要だった」

欧州各国が艦艇派遣否定

出口の見えない展開に、各国は慎重な姿勢を見せています。

フランス マクロン大統領
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フランス マクロン大統領
「我が国は戦争の当事者ではないし、現状、海峡の再開や解放に向けた作戦に参加することは決してない」

ヨーロッパ
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ヨーロッパでは他にドイツ・イタリア・スペインが艦艇の派遣を否定しています。賛同を得られないトランプ大統領。

アメリカ トランプ大統領
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アメリカ トランプ大統領
(Q.複数の同盟国がアメリカに協力し、ホルムズ海峡を護衛する話に進展は?)
「支援はそれほど必要ない。実は全くいらない。NATOは大失態を犯した。連中が我々のために動くことがあるのか、いい見極めができた。本来、居合わせるのが筋だ」

強い言葉を投げ掛けた相手は、NATOだけではありません。自身のSNSでは日本や韓国、オーストラリアも名指しし「支援は必要ない」と繰り返すなどいらだちを見せています。

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