
終始和やかなムードだった日米首脳会談。アメリカや世界のメディアはどのように見たのでしょうか。
日米会談 海外メディア反応は?
トランプ大統領
「今夜、素晴らしい友人でありパートナーのホワイトハウス初訪問をうれしく思います」
高市総理大臣
「あしたに控えるドナルドのご子息のバロンさんの誕生日です。立派でイケメンに成長されているとうかがっております。間違いなくご両親に似たんだと思います」
グーグルのCEO、ソフトバンク・孫正義会長ら日米の経済界の重鎮が集まった夕食会でお互いを称え合う2人。日本とアメリカ、両国のトップの姿をアメリカメディアはこう伝えています。
ワシントン・ポスト
「トランプ氏が記者団からの質問に答え続けている間、高市総理は時折、自身の腕時計に目をやる場面もあった。ホワイトハウスでの予測不可能で、しばしば居心地の悪い会談の現実を示す最新の一例となった」
日本で日付が変わるころ、高市総理は車から降りるとトランプ大統領に駆け寄り、ハグをしました。
日本時間20日午前0時半から始まった日米首脳会談。その様子をアメリカCNNは速報として伝えました。
ビアンナ・ゴロドリガキャスター
「すみません。話を中断させてください。大統領が日本の高市総理と会談を行うのでホワイトハウスとつなぎます」
トランプ大統領
「きょうは特別な人にお越しいただいている。選挙で記録的な圧勝をおさめたばかりだ。総理を支持できることを非常に誇らしく、光栄に思う。彼女はとても優秀で素晴らしい仕事をしていると感じている」
高市総理
「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだと思っています」
「イランに関しては核兵器の開発は許されてはならないことですから、日本も働きかけをしてきました」
ビアンナ・ゴロドリガキャスター
「日本の総理は『大きな懸念は世界経済であり、戦争が長期化すれば大きな打撃が予想される』と述べた。一方で『トランプ大統領だけが平和を達成できる』とほめたたえる場面もありました」
「タブー破った」
予定されていたワーキングランチは急きょ中止となり、首脳会談は1時間33分にわたり行われました。その中で最大の焦点は、事実上の封鎖が続くホルムズ海峡への対応などイラン情勢についてです。
トランプ大統領
「(Q.日本からの支援に満足か?)きょうはその件を話し合う予定。日本からは多大な支援と良好な関係を築けていて、日本は本当に責任を果たそうとしていると思う。NATOとは違う。日本は石油の90%以上をホルムズ海峡経由で輸入していると…。だから責任を果たすべき大きな理由がある」
リンダ・キンケイドキャスター
「アメリカの大統領はまた同盟国に圧力をかけて、ホルムズ海峡の安全を守ろうとしている。日本は平和主義の国家であり、軍事行動は法的に政治的な限度がある。日本国内で、中東の衝突に関与することを支持する割合はどれぐらいなんですか?」
アジア担当 ジェレミー・チャンシニアアナリスト
「いい質問ですね。シンプルな答えは、支持する声は非常に少ないです。世論調査で軍事的に関与すべきと答えているのは日本国民の10%未満。日本には平和主義国家の歴史と、軍事行動への長い間の拒否感があるのだと思います」
世界が注目したのはこの場面でした。
千々岩森生記者
「なぜイラン攻撃前に同盟国に戦争を知らせなかったんですか?」
トランプ大統領
「動きを知られたくなかったというのが一つだ。侵攻したとき奇襲を狙っていたので、誰にもそのことを教えなかった。奇襲について日本より詳しい国はないだろう。なぜ真珠湾攻撃をアメリカに教えなかったんだ?そうだろう?」
秘密裏に実行したイラン攻撃を、日本の真珠湾攻撃になぞらえました。この発言にアメリカメディアは…。
ニューヨーク・タイムズ
「タブーを破り、トランプ大統領は第2次世界大戦の攻撃について、日本の総理をからかった」
ワシントン・ポスト
「去年10月に日本初の女性総理に就任し、絶大な人気を誇る安全保障上のタカ派高市早苗総理は、目を丸くして椅子に寄りかかり、慎重に保っていた笑顔を消した」
リンダ・キンケイドキャスター
「トランプ氏は第2次世界大戦での真珠湾への奇襲攻撃を持ち出しました。この発言はアジア、そして世界でどう受け止められていますか?」
ジェレミー・チャンシニアアナリスト
「これはジョークとして笑えないもので、アジア全般で良くは受け止められていないと思います。しかしほとんどは軽く一笑に付される反応でしょう。つまり、冗談を言い合うほどに会談がうまくいったということです」
このシーンを報じたのはアメリカメディアだけではありません。
フランス フィガロ紙
「日本の総理はほとんど気づかれないほどのため息をつき、椅子に少しもたれかかったようだった」
中国 新華社系列メディア
「“真珠湾発言”で会場全体が笑ったが、高市総理と日本の記者だけは青ざめた」
「一種の脅迫」
イラン情勢が緊迫する中の首脳会談。どれだけの成果があったのでしょうか。
高市総理
「まずはイラン情勢について申し上げます。私からは事態の早期沈静化の必要性をはじめとする我が国の考え方をしっかりと伝えました。やはりホルムズ海峡の安全確保は非常に重要だということ。ただ日本の法律の範囲内でできること・できないことがあるので、これについては詳細にきっちりと説明した」
会談後、巨額の対米投資について共同文書を発表しました。第2弾のプロジェクトとして次世代型小型原子炉の建設や、天然ガス発電施設の建設が盛り込まれ、投資総額は日本円で11兆円を超える見込みです。
高市総理
「JAPAN is BACK」
終始和やかなムードの高市総理とトランプ大統領。日本と同様に同盟国としてホルムズ海峡への艦艇派遣を求められた韓国のメディアは、こう分析しています。
韓国 連合ニュース
「高市総理にとって最も重要な同盟国であるアメリカとの緊密な関係を誇示することで、安定した政権支持率を維持し、政権目標である“強い日本”に進むための足場にしようとする意志が反映されている」
「トランプ氏の『日本はNATOとは違う』という発言は、日本がアメリカの要求に対応する余地があるという期待感を表し、同時に日本の貢献を引き出そうとする、一種の脅迫の念も込められたものともみられる」
総理周辺からは「会談は95点だ」と声が上がるなど、関係者には安堵(あんど)が広がっているといいます。
しかし、ホルムズ海峡を巡るトランプ大統領の要求はこれで終わったわけではないと専門家は指摘します。
明海大学 小谷哲男教授
「日本政府は楽観的過ぎると思う。今回トランプ政権から具体的な要請はしていないはず。日本が何を言ってくれるのかということを見ていた。テストをした。日本側から様々な説明を受けているが、トランプ大統領はスルーしている。次、会っても覚えていないので、具体的な動きがなければ、どこかの段階でトランプ氏が不満を表明するSNS発信があると思う」
(2026年3月20日放送分より)
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