
イラン情勢による原油高騰の影響が世界中に広がっています。ガソリンが「配給制」になった国も出てきています。
イラン情勢“石油危機”の実情
朝焼けのなか、水浴びをするゾウの群れ。中東情勢の悪化は、タイの観光資源・ゾウの飼育にも影響を及ぼしていました。
世界遺産の遺跡をゾウに乗って巡ることができるタイのアユタヤ。これまでは、毎朝飼育所から約5キロ離れた乗り場まで、トラックで移動していましたが、トラックの燃料を確保できなくなり、18日から公道を歩いて移動する事態になっています。
ゾウの管理施設代表
「スタッフは給油のためだけに半日並ばなければならない。私たちにできることは、協力して資源を節約し、この危機を乗り越えるために適応するだけです」
タイでは、各地で燃料の購入制限が設けられていて、市民生活への影響が広がっています。
“燃料不足の危機”は、インドの南東・スリランカでも…。これは17日、コロンボ近郊で撮影された映像です。「トゥクトゥク」の名で知られる三輪車がガソリンを求めて長蛇の列をつくります。列はどこまでも続き…ガソリンスタンドを通り過ぎると今度は車の列です。
“ガソリン配給制”も
今、現地では何が起きているのか?スリランカに23年住む、石川直人さんに話を聞きました。
「この戦争が始まった時にも実は3日間ぐらい列ができた。“燃料がなくなる”という噂が流れてパニック買いがあった。その時も近くのガソリンスタンドには結構列ができていた」
スリランカ ディサナヤカ大統領
「現在、約10万トンの原油を積んだ2隻が期限までに受け入れられない状況。国内需要を満たすために必要な燃料は不足しています」
国営の石油会社によると、スリランカの石油備蓄は1カ月半ほど。5日前から、ガソリンは「配給制」になりました。所有する車の情報を登録した二次元コードを提示しなければ、給油はできないそうです。
自動車は1週間あたり15リットル、二輪車は5リットルの制限が設けられているといいますが…。
石川氏
「仕事上配達もやるので一日50~60キロ走る。そうすると(ガソリンが)ちょっと足りなくなる。バスで移動するとか検討しなくてはいけない」
さらに、18日に新たに始まったのは…。
ディサナヤカ大統領
「水曜日を休日に指定する予定」
新たな休日を設けて「週休3日制」に。対象は公的な機関や学校などで、保健当局などエッセンシャルワーカーは対象外だそうです。
石川氏
「政府は『ガソリンはあと1カ月か1カ月半ぐらいある』と発表したが、そのあと戦争が終わらなかったらどうするのか。すでにいろんな値上げなど起こり、それに対する国民の不安も当然ある」
20日未明に行われた「日米首脳会談」。原油価格に影響はあるのでしょうか?
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英氏が注目するのは、高市総理がアメリカ産原油、増産への協力を表明したことです。
「高市総理としては、日本が協力してアメリカでの原油の生産が増えることによって、世界の原油価格の安定に資するんだというような説明をしたと思います。世界の原油価格が若干下がってますので、少し影響があったかなと思います」
「ただ、アメリカでも原油の生産というのはかなり逼迫(ひっぱく)した状況で、簡単に増産はできないということと、アメリカは世界最大の原油の輸出国、生産国ではあるわけですが、世界全体からすると2割に満たないということで、アメリカだけ増産しても世界全体の原油価格を下げるのは簡単ではない」
「日米の合意というのは、わずかな影響は原油の低下につながった可能性はありますけども、大きな影響は出てこないということだと思います」
(2026年3月20日放送分より)
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