
トランプ大統領は焦っているのでしょうか。48時間としていた期限を5日間に、急な方針転換の真意を探りました。
【画像】故エルヴィス・プレスリー邸宅でレプリカギターにサインしたトランプ大統領
トランプ氏「攻撃を5日延期」
トランプ大統領
「オォ~うまく書けた。ほら、見てくれ」
エルヴィス・プレスリーの邸宅へ訪問し、レプリカのギターにサインし、上機嫌のトランプ大統領。
「(Q.ギターにサインするのは初めてですか?)ほぼ初めてだ。バイデン氏にはできないだろう」
機嫌がよいのは、局面が変わったからでしょうか。
「100億ドル以上の建設費がかかったイラン最大の発電所を爆破する予定だった。我々は5日間の猶予期間を設けた。うまくいけば、これで決着がつくし、そうでなければ、ひたすら爆撃し続けるだけだ」
前日まで「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければイランの発電所を破壊する」と警告していたにもかかわらず、一転して、攻撃を5日間延期するよう指示したトランプ大統領。
イラン側と対話し、イランが核兵器を保有しないことなど主要な点で認識が一致したとしています。
「きのう協議が行われた。昨晩まで続いた。彼らは取引(合意)を強く望んでいる。我々も取引をしたいと考えている」
トランプ大統領は、こうも話します。
「イラン側から電話があった。私が電話したわけではない。彼らが電話してきたのだ」
トランプ大統領は、イランから接触があったとしましたが…。
イラン国営放送 IRIB(日本時間午前4時放送)
「イランとアメリカの間に何の交渉も行われていません。交渉についてのトランプ氏の主張は嘘です。アメリカ大統領の発言には明らかなトーンの変化、いわば後退がみられた」
対話があったのかどうかでも、食い違いがあります。
CNN ケイシー・ハントキャスター
「誰が本当のことを言っているんですか?」
米・民主党 クリス・バン・ホーレン上院議員
「残念ながら、トランプ氏はアメリカ国民に嘘をつき続けています」
また「トランプ氏は原油価格を下げるため、毎週市場が開くのに合わせてこうした声明を出すのだ」と批判的に伝えるイランメディアもあります。
実際、原油価格は、一時下落しました。
24日のマーケットですが、まずは原油についてです。トランプ大統領がイラン攻撃延期表明直後、WTI先物価格は、98ドル台から84ドル台まで急落しました。その後は80ドル台後半で推移しています。
なぜ5日間延期?
なぜトランプ大統領は、5日間延期したのでしょうか。その真意について、明海大学の小谷哲男教授は。
「『48時間』も厳密なものではなかったんだと思います。期限を切って相手にプレッシャーを与えるのが一つのやり方。大きな意味がなくて、相手の行動を変えさせる、促すのが目的。イランに圧力をかけてホルムズ海峡開放に向けた流れを作るのが狙いだった。今回は5日間イランに猶予を与える決定をした」
アメリカメディアは、海兵隊と強襲揚陸艦を含む数千人の部隊が中東に派遣されると報じています。
小谷教授
「追加で海兵隊を中東に派遣、これが5日以内に到着するとみられているので、それを念頭に置いた。イランが交渉に前向きだと言っていますが、だらだらと交渉が長引かないように分かりやすい日程を設定した。海兵隊が到着して、さらに軍事的圧力を強められる時間稼ぎ」
トランプ大統領はこのことを聞かれ…。
記者
「海兵隊が先週カリフォルニアを出発したと報じられています。なぜ彼らは今そこへ向かっているのですか」
トランプ大統領
「もし君が私の立場でその質問をされたら、それに答えると本当に思うか。クレージーな質問だ。我々は戦略については話さない」
イランとの対話は進む?
一方、イラン側も変化が起きています。
イラン軍 中央司令部
ゾルファガリ報道官
「このレベルの支配力と能力があればペルシャ湾に機雷を敷設する必要はない」
攻撃されればペルシャ湾に機雷を敷設すると予告していましたが、機雷の敷設は必要がないと、トーンダウンさせています。
両国の対話は進むのでしょうか?
イスラエルメディアが当局者の話として、「アメリカ政府が戦争終結の目標日を4月9日に設定した」と伝えました。
接触相手はイランのガリバフ国会議長であるとしています。
トランプ大統領
「(Q.ウィトコフ氏は誰と話しているのですか?)トップの人物だ」
「(Q.それは最高指導者ですか?)いや、最高指導者ではない。誰も2番目の最高指導者、つまり息子のことは聞いたことがない」
最高指導者に就任したモジタバ師ではないと認めたものの、ガリバフ氏であることは明言しませんでした。
小谷教授
「ガリバフ氏は革命防衛隊出身、要職歴任」
「(Q.なぜモジタバ師ではない?)モジタバ師は一切姿を見せていない。どこまで実権を握っているのか分からないと考えている。革命防衛隊が実権を握っている可能性があるので、革命防衛隊に近いガリバフ氏のほうが適任という判断のようです」
アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、パキスタンの首都イスラマバードで戦闘終結に向けた協議をすることで調整が進んでいると伝えました。
トルコ、エジプト、パキスタンが仲介に入り、アメリカとイランにそれぞれ接触したということです。
協議には、戦争に否定的だという、アメリカのバンス副大統領やウィトコフ中東担当特使らが出席する可能性があり、イラン側は保守強硬派ガリバフ国会議長の名前が挙がっています。
ロイター通信は協議は28日にも実施されると伝えましたが、イラン側はまだ返答していないとしています。
イスラエルと米国の思惑にずれ
こうした中でもイスラエル軍はイランの首都テヘランへの攻撃を続けています。
「なんで早く助け出さないの、あすになって『もう死んでいる』と言うつもりじゃないよね。けさ呼びかけに『はい』と返事したんだよ。生きているんだよ。中に入っているから皆にお願いしてるのよ」
ここに来てイスラエルとアメリカの思惑にずれが生じていると言います。
小谷教授
「アメリカとイスラエルの軍事作戦の目標は、当初は体制転換で一致していたが、その後大きくずれた。トランプ大統領はできるだけ早期に終結してホルムズ海峡開放、原油価格を下げるというところに目標を定めている。ネタニヤフ首相は徹底的にイランを弱体化させると考えているので、両者の開きを埋めるのは簡単ではない」
(2026年3月24日放送分より)
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