
群馬県高崎市が、市内のすべての小学校の開門時間を4月から最大50分早め、朝7時とする方針を決めました。共働き世帯からは歓迎の声が上がる一方で、教職員からは反発の声が上がっています。
教師「信じられない回答」
高崎市の小学校教師
「子どもたちを守るためのルール・方法、何も作られていません」
こう話すのは、群馬県高崎市の小学校に勤める現役の教師です。ことの発端は?
高崎市教育委員会
「『仕事の都合で早朝に家を出なければならないが、子どもを自宅に置いておけないので学校をもう少し早く開門できないか』などの要望を受けた全国でも数少ない取り組みです」
市内では現在、多くの小学校が午前7時30分から50分の間に開門していますが、教育委員会は市内すべての小学校の開門時間を午前7時に前倒しすることを決めました。
子育てをする親からは歓迎の声が。
小学校1年生の子どもを持つ保護者
「私も仕事なので7時半には学校に送っているから、早く開けてくれるのはありがたいですかね」
高崎市の教育委員会は、開門作業については学校用務員である校務員が行い、その分の手当てを支払うといいます。
しかし、現役の小学校の教師たちの中には異議を唱えている人もいます。心配しているのは校務員しかいない時間に何かあった場合の責任の所在です。
全群馬教職員組合
田中光則執行委員長
「(教育委員会は)『見守り事業ではなく開門事業である』『門を開けるだけだから子どもたちを見守る必要はない』というような信じられない回答がきました」
教育委員会は?
現役教師が懸念しているもう一つの点が、教師の労働時間の増加です。本来の勤務時間は午前8時からですが、現状でも多くの教師が7時半過ぎに来ていて、授業の準備や子どもの見守りなどを行っているといいます。
田中執行委員長
「(教育委員会は)『これまでも先生たちは勤務時間前に来ていて対応しているんだから、それが少し延びるだけだ。今までと同じである。子どもを放置することにはならない』と。その時に例えば子どもがけがをすれば、それは対応しますよ。しかし今度はそれを善意で対応することをあてにして、『7時に開けるんじゃ(早く)来なきゃいけないんですか』『来なくていいです。でもいる人が対応します』という支離滅裂な回答がきました」
法律で原則、時間外勤務手当や休日勤務手当が支給されない公立学校の教員。高崎市教育委員会は?
「今回の取り組みの実施にあたって、教員には早朝勤務を求めておりません。緊急の場合には校務員が管理職へ連絡し、指示に基づいて対応することとしております。対象となる子どもの校舎内での過ごし方は、現在の朝の過ごし方と同じでございます」
田中さんによると、この取り組みをきっかけに校務員や教師が辞める事態も起きているといいます。高崎市の職員や校務員に対し全群馬教職員組合がアンケートを実施すると…。
賛成派の教師(40代)
「子を持つ共働きの親としては導入に賛成です。ただ、負担もあるので退勤時間を早める対応を行うといいのでは」
反対派の教師(30代)
「勤務時間内に仕事が終わることが少ない中で転職を考えざるを得ません」
「再検討すべき」と答えた人は1236件。「このまま実施すべき」は11件という結果になったといいます。
一連の訴えに対し教育委員会は?
「校務員が加入する労働組合にご説明し、了承をいただいております。取り組みにより多くの方が退職を希望した事実は全くございません」
市議会でも質問 市長は?
現在早朝の登校を希望する児童はおよそ130人いるといい、教育委員会としても無視できない数だといいます。
すでに決定事項となっている「7時開門」。田中さんや他の教師は街頭で問題点を訴えます。中には他の県から参加した教師もいました。
栃木県から来た教師
「この話が隣の栃木県にまで飛び火して、まねをする自治体が出てきたら、栃木の子たちまで、安心安全守られることがありません。対岸の火事では済まない」
一方、「子どもの朝の居場所づくり」は都内でも広がっていて、三鷹市ではシルバー人材センターに登録している高齢者が開門作業を行っています。
今月4日には高崎市議会でも取り上げられた、今回の取り組み。議員が富岡賢治市長に理由を聞くとこう答えました。
「社会全体で子育てをしている働く女性たちを、できる限り支援していくということは社会的な命題ですよ。それに対して学校施設も無縁じゃない。見守りがどうこうってとおっしゃるけども、先生方に出勤しろと言ってませんから。あなたがおっしゃるようなそんなことは穿(うが)ちすぎですよ」
(2026年3月25日放送分より)
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