

再開発が進む渋谷の街が、また1つ姿を変えることになりそうです。60年近くにわたって渋谷を代表するデパートの1つだった『西武渋谷店』が今年9月末で閉店することになりました。
【画像】「寂しい…」西武渋谷店9月末で閉店“文化の発信地”約60年の歴史に幕

西武グループを、カルチャーの発信地として印象付けた、伝説的なキャッチコピー。コピーライターの糸井重里さんが手掛けた「おいしい生活。」。映画監督のウディ・アレン氏を起用した広告は大きな話題となりました。

元々、映画館があった場所に西武渋谷店A館とB館がオープンしたのは、1968年4月。渋谷駅からスクランブル交差点を渡った先。当時は屋上に遊園地もありました。

そして5年後、若者文化の発信拠点がオープンします。劇場やギャラリーなどを備えた『渋谷パルコ』。若者がこぞって集まりました。

50代(当時は大学生)
「皆と集まる時に渋谷でというのはあったので、この辺ブラブラしてから待ち合わせに行ったりとか。あると便利でした」
(Q.他にデパートはあったと思うが、西武の特徴は)
「やっぱりオシャレだった」

西武グループの戦略で、渋谷の街はさらに変革を続けました。今も若者や観光客でにぎわう公園通り。そこに面したビルはオープン当時、『SEED館』という名前でした。

そこが発信地となったのは、黒を基調とした、日本人デザイナーの『DCブランド』。バブル景気と共に爆発的に台頭し、ファッション界を席巻しました。

60代
「この辺歩くとオシャレな感じがした。パルコができたのも大きかった。西武系のものとカルチャーが一緒になった感じがして良さそうと」
(Q.当時のカルチャーとは)
「何か自分たちに足りないものだった」
1987年には『渋谷ロフト』がオープン。当時、その生みの親に行ったインタビューでは…。

西武百貨店 水野誠一常務(当時)
「人と同じことをやっているのでは進歩がないわけで。絶えず新しい何かをつかもうということで、勇気をもって踏み出していかないと仕事にならない。街は、色々な新しい実験的な要素が多ければ多いほど魅力的になる」

運営する『そごう・西武』の発表では、9月末に閉店するのは渋谷西武のA館とB館、パーキング館の3つです。この3つの土地と建物は借りている状態です。約20年前から、渋谷の再開発をめぐって地権者と営業を続けるための協議を重ねていましたが、去年8月に地権者側から「賃貸借契約を終了する」旨の通知を受けました。

そごう・西武
「その後も交渉を続けてまいりましたが、当社の要望を容れていただくことは叶わず、営業終了の運びとなった次第です」
渋谷ロフトや無印良品が入る『モヴィーダ館』は営業を続ける方針です。

50代
「西武はあちこちで閉店になっている。寂しい」
(Q.こういう場所での買い物は)
「楽しい。わくわくするので」

60代
「そういう時代になったんだなと。渋谷に西武がない時代が来るんだなと」
