
アメリカとイラン、それぞれが主張する停戦条件。落としどころが見えないなか、高騰する原油が日本のマグロ漁に大きな影響を与えていました。
なぜ?原油高がマグロに影響
イランを巡る緊迫が続くなか、26日午前11時ごろ、石油の国家備蓄の放出が始まりました。政府は国内消費の1カ月分に相当する量を順次放出する方針です。
原油高への対応が進む一方で、食卓には懸念も。新鮮なマグロをふんだんに乗せた丼を食べれば…。
客(20代)
「柔らかくて脂が乗っていておいしい」
日本人が愛してやまないマグロに、中東情勢の影響が直撃しています。
宮城県北部鰹鮪漁業組合 勝倉宏明組合長
「日本の油が一番安い。世界中で。こういう油の状況が長く続くと、海外から入るマグロは当然少なくなる」
「日本の油が安いのにマグロが少なくなる」、マグロ漁で今何が起きているのでしょうか?
大海原を進む一隻の漁船。エサをつけた仕掛けを手繰り寄せると、巨大なマグロを釣り上げました。ここは北アイルランド沖の海。
日本かつお・まぐろ漁業協同組合
佐藤康彦さん
「日本から出港して、南アフリカのケープタウンを回って、アイルランド沖のクロマグロ漁場…」
遠洋マグロ漁の舞台は世界各地に点在しています。そのため、世界的な重油の値上がりに直面しているのです。
「遠洋マグロ漁船は、年間大体10カ月航海で、黒マグロ漁船だと4億円前後の水揚げがあるんですけども、そのうち大体1億2~3000万円が燃料代にかかっています。外国の燃油が倍ぐらいになってきているので、そうすると年間2億5~6000万円ぐらいの燃油代がかかるので」
この漁協ではマグロ漁の動画公開をきっかけに、毎日のようにマグロ漁船に乗りたいという連絡が入るようになったそうです。そんななかでの燃料費高騰に…。
「せっかく若手が集まってきたところに、(燃料費高騰の)状況になっているので、非常に厳しい状況にこれからなる」
世界の重油価格が軒並み上昇するなか、とくに顕著なのが…。
宮城県北部鰹鮪漁業組合
勝倉宏明組合長
「今、気仙沼の組合の船が、この近辺に二隻出漁していて…」
アフリカ大陸南部のケープタウン周辺。世界有数のミナミマグロの漁場だといいますが…。
「ケープタウンは紛争前は1キロリットル12万円ほどだったが、今30万円を超えて先日は36万という値段をつけていた。ここは約3倍の値段になっている。これは私が過去に経験したことのない燃油の急騰、非常に困った状況」
「日本の油が一番安い」
これほどまでに原油が高騰する理由は、やはり中東情勢にありました。
ヨーロッパを出港する船は、地中海からスエズ運河を通ってアジアに向かう航路が一般的だったといいますが…。
勝倉組合長
「イランの紛争によって中東が非常にリスクが高いということもあって、多くの船が喜望峰を経由して、ケープタウンで補給しながらアジアに向かう、そういう航路に変更しているようです。それによってですね、この要所であるケープタウンでの、燃料の補給が多くなって、在庫が少なくなって値段が高くなっていると聞いています」
中東のリスクを回避しようとするヨーロッパの船がケープタウンに集中。重油の需要が高まり、高騰していたのです。
世界中で重油価格が上昇する一方で…。
「今、世界中で激変緩和措置の政府のガソリンに対しての補助もあり日本の油が一番安い。日本を出入り・操業をする、運航計画の船はまだなんとか耐えられる、政府の激変緩和措置のおかげで。海外に関しては全くその恩恵、補助がないので、モロに効いてくる」
政府の補助金が続く限り、日本でとれるマグロには影響は薄いとしています。目下の懸念は海外産のマグロです。
「(コロナ禍で)海外勢は船の運航を止めて、マグロ類をとるのをストップした。それによって日本に入ってくるマグロ類が少なくなった。それと今回は同じような状況になるのではないか」
(2026年3月26日放送分)
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