
これからの時期、クマによる市街地での人的被害も心配されるなか、最高裁では、注目の判断が示されました。
【画像】最高裁「民間人を委縮させる」銃を奪われたクマハンター 逆転勝訴

猟銃所持の許可取り消し処分を受けた猟友会の池上治男さん(77)が、処分の無効を求めた裁判。
最高裁は、処分を違法だとして取り消し、池上さんの請求を認めた1審判決が確定しました。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長
「ハンターにとっては銃が魂です。おかしな判決だったら、駆除から撤退するはずだった。でも、これで考え方がちょっと変わった」

2018年、北海道砂川市で猟友会の支部長を務める池上さんは、市の要請で出動。現場には、警察官や市職員もいるなか、ライフル銃を1発撃ち、ヒグマを駆除します。

翌年、北海道公安委員会が「周囲の建物に弾丸が到達するおそれがある発砲は、銃刀法違反にあたる」として、猟銃所持の許可の取り消し処分を出しました。
1審の札幌地裁は、市の要請だったことを重視し、公安委員会の処分を取り消しましたが、2審の札幌高裁は、クマを貫通した弾丸が近くにいた別のハンターの銃に当たっていたことをとらえ、「人の生命や身体も危険にさらした」として、池上さんの逆転敗訴とします。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長(2024年)
「危険なクマがいて、『駆除してくれ』と懇願されて、現場に赴いて。行って勝手に撃ったわけじゃない」
クマによる人身被害、死者ともに過去10年で最悪の被害状況となっています。
住民の安全をどう守れるのか。40年以上、ハンターとして活動してきた池上さんの思いはここにありました。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長
「銃が好きで、撃ち殺すのが好きでやっている人はいない。あくまでも人のために」

猟銃を所持する許可が取り消されてからも、ほぼ“丸腰”の状態で活動を続けてきました。
27日の判決。

林道晴裁判長
「処分は、酷であるだけでなく、自治体の任命を受けた民間人のハンターの活動を萎縮させる。道公安委員会の処分は、重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、裁量の範囲を逸脱・濫用したもので違法」
判決では、住民の安全確保だけでなく、駆除にあたるハンターの拡充や負担軽減が喫緊の課題となっていることにも触れられました。

平裕介弁護士
「国のために働いてくれているハンターを守るというところを、正面から法的に合理的に説明して。正直、前例がない。それをきちっと正面から書いてくれた」

こうしたなか、政府が27日、ロードマップを決定しました。
地域ごとに個体数の管理を強化するため、2030年度までの捕獲目標数を設定。捕獲作業に従事する自治体職員の数は、現在の3倍を目指すことを盛り込みました。
約7年ぶりに猟銃が戻ることになった池上さん。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長
「やっぱり、その地域の人たちがクマの被害にあわないようにするため、みなさんのために非常に良い判決だったと私は評価するから、200点満点と」
