イラン情勢、停戦か地上侵攻か 検討される“米の軍事作戦” フーシ派がイスラエル攻撃

イラン情勢、停戦か地上侵攻か 検討される“米の軍事作戦” フーシ派がイスラエル攻撃
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 アメリカ軍の強襲揚陸艦が中東地域に到着するなど、イランへの地上侵攻の可能性が高まっているという。一方、トランプ大統領は停戦協議が進展しているとも主張し、停戦か地上侵攻か、重大な局面を迎えようとしている。

米とイラン、それぞれが相手側に要求している条件とは

攻撃から1カ月…戦闘収まらず

それぞれが相手側に要求している条件
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 停戦協議の現在地はどうなっているのか。アメリカとイラン、それぞれが相手側に要求している条件を見ていく。

 まずアメリカ側だが、「核能力の解体」「ホルムズ海峡の開放」「親イラン武装組織への支援停止」など、15項目の条件を提示しているとされている。

 対するイラン側の条件は、「侵略と暗殺の完全停止」や「ホルムズ海峡におけるイランの主権承認」、「賠償金の支払い」などを求めていて、そもそも論点がかみ合っていない状況だ。

 ただ、トランプ大統領は27日に「現在話し合いが進んでおり、彼らは合意を望んでいる」とイランとの協議が進展していることを強調している。

 一方、イランのアラグチ外相は、25日時点では「我々に交渉する意思はなく、交渉は一切行われていない」とアメリカとの協議自体を強く否定していた。

米国防総省 最大1万人派遣か

 停戦に意欲を見せるアメリカだが、一方でイランへの地上侵攻の可能性が高まっているという。なぜ地上侵攻の可能性が高まっているのか。

原油輸出の要衝・カーグ島を占領する可能性も
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 ワシントン・ポストによると、アメリカ国防総省はイランへの地上侵攻の準備を進めているという。

 アメリカ中央軍の発表によると、長崎県の佐世保基地を拠点とするアメリカ軍の強襲揚陸艦「トリポリ」や、沖縄のアメリカ軍・第31海兵遠征部隊など、合わせて約3500人規模が27日に中東に到着したという。

 また、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、すでに派遣が命じられている第82空挺(くうてい)師団の数千人と海兵隊約5000人に加え、最大で1万人の地上部隊を中東に追加派遣することを検討しているという。

 では、どこを狙うのか。アメリカのニュースサイト・アクシオスによると、ペルシャ湾北部にある原油輸出の要衝・カーグ島や軍事拠点とされるアブムサ島やララク島などへの作戦が検討されているという。また、トランプ大統領はフィナンシャル・タイムズのインタビューで、カーグ島を占領する可能性について言及したという。

“停戦協議”の現在地は?

 限定的な地上作戦の可能性があるということだったが、イラン側の動きはどうなっているのか。

返り討ちに遭わせると警告
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 イランのタスニム通信は26日、すでに100万人規模の戦闘員が組織されているほか、これに加えて、イランの革命防衛隊や民兵組織などへの入隊希望者が殺到しているという。

 イランの中央司令部の報道官は、アメリカが進める地上侵攻の動きに対して「ペルシャ湾のサメの餌食になるだろう」と返り討ちに遭わせると警告しているという。

 また、CNNによると、イランがカーグ島に携帯式防空ミサイルシステムを追加で移送し、海岸線などに地雷の設置を進めているという。緊張が一段と高まっている様子だ。

戦火が拡大する中東

 そんな中、イエメンの親イラン武装組織・フーシ派が参戦を表明している。28日、フーシ派はイスラエルに弾道ミサイルを発射したと発表し、「敵の軍事的侵略が終わるまで攻撃を継続する」と宣言している。

フーシ派はハマスに連帯
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 イスラエルとイスラム組織「ハマス」との戦闘が始まって以降、フーシ派はハマスに連帯し、紅海を通航する船舶への攻撃を続けてきた経緯がある。

 フーシ派の幹部はANNの取材に対して新たな海峡の封鎖を示唆した。その新たな海峡というのが紅海とつながるバブエルマンデル海峡だ。ここが封鎖されれば、世界のエネルギー危機に拍車がかかると懸念されている。

 さらに、周辺国への戦火は拡大しているという。どこまで広がるのか。

 レバノンの親イラン武装組織「ヒズボラ」は、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃の翌日から、ドローンなどでイスラエルを攻撃している。イスラエルは地上部隊を投入するなど、戦闘は激化している。

 また、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、27日にアメリカ軍が駐留するサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地にイランのミサイルが着弾したという。これによってアメリカ軍の兵士12人が負傷し、空中給油機などが損傷したという。

 また28日には、イランの中央司令部の報道官がUAEのドバイにあるアメリカ軍の拠点などを攻撃し、ウクライナが提供したドローン迎撃システムの保管庫を破壊したと発表するなど、イランや親イラン勢力による周辺国への攻撃が激しくなっている。

戦火はどこまで広がる?
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 こうした動きに対抗してか、サウジアラビアやUAEがイランとの戦闘に参加する可能性が浮上している。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは関係者らの話として、サウジアラビアのムハンマド皇太子は抑止力の再構築に注力していて、イランへの攻撃に加わる可能性があるという。参戦するのは時間の問題だと伝えている。

 また、アクシオスは複数の関係者の話として、UAEがイランのミサイル発射施設などへの攻撃を検討しているとも報じている。

(2026年3月30日放送分より)

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