
高齢者を標的に年々巧妙化している特殊詐欺。その新たな手口とはどのようなものなのでしょうか。
ニセ警察官詐欺
増殖するニセ警察官。最新の詐欺の記録です。
被害者
「あした行きますね」
ニセ警察官
「お願いします。こちらも来ていただけると、ありがたいです」
「捜査2課に来ていただいて、市役所と同じような形で番号札があるから、そちら取っていただいて、お待ちいただければと思います」
被害者
「一階かどこかですか?」
ニセ警察官
「そうです。市役所と同じような形で上にテレビがついてますから、捜査2課の部署に行けますので、そちらのほうで対応していただければ」
被害者
「電車だったら何駅が近い?」
ニセ警察官
「知らないよ。自分で調べろよ、そんなの」
被害者
「駅はどこにあるんですか?」
ニセ警察官
「だから調べろって、自分で。 自分で探せって」
通話の最中に、不機嫌になる犯人。実は、またしてもだましの手口を“更新”していました。
犯罪心理学に詳しい
東北大学大学院 文学研究科
荒井崇史教授
「電話は視覚的な情報がない分、見抜くほうも大変では」
専門家が、犯人の最新の狙いを暴きます。
巧妙な新手口
ニセ警視庁
警察官
「この度、長野県警から捜査協力要請を受け、〇〇さんにご連絡しました。ある事件のことでお聞きしたことがある。本日中に長野県警に足を運んでいただくことは可能?」
被害者
「難しいですね、今仕事中なんで」
ニセ警視庁
警察官
「電話での対応でしたら可能ですか?」
被害者
「いいですよ、はい」
それは、警視庁の警察官をかたる詐欺電話でした。
ニセ警視庁
警察官
「現在、どういった場所でお電話をされていますか?」
被害者
「会社です」
ニセ警視庁
警察官
「職場に周りに他の方はいますか?」
被害者
「今は誰もいない」
ニセ警視庁
警察官
「周りに誰もいない? どういう部屋で電話をしていますか?」
被害者
「今トイレに行っていたので、電話したんです」
ニセ警視庁
警察官
「他の方が来られない場所に移動してほしい。トイレだと…私とお話している間に他の方が来ると、第三者等のいない環境が崩れる」
トイレを避けさせる狙いは、何なのでしょうか?
荒井教授
「人が誰かいる所で、やりとりをしたくない。(第三者に)会話を聞かれて、おかしいぞと思われて外から『それ大丈夫?』と言われるのも加害者側は嫌がる」
過去のニセ警察官詐欺と同様、被害者はこの後、架空の詐欺事件への関与について追及を受けます。
ニセ警視庁
警察官
「心当たりがないのなら、なおさら捜査協力をしてほしい」
「内容は理解していただけましたか?」
被害者
「分かりました」
ニセ警視庁
警察官
「捜査手順に沿って話をすると、着替えと身分証を持ち、長野県警まで足を運んでほしい」
被害者
「どこに行ったらいいんですか、長野県警の」
ニセ警視庁
警察官
「長野県警です。捜査二課です」
「本日中にそういった対応はできますか?」
被害者
「本日中は難しい。今仕事中なので」
詐欺発覚の危険があるのに、警察に行かせようとするのはなぜでしょうか?
荒井教授
「(被害者に警察へ)行かれては困るので、行けないような場所をあえて言っているんじゃないか。とにかく不安にさせて、普段だったらしないような判断をさせようとする」
専門家も驚く“音声ガイダンス”
被害者が遠方の長野県警には行けないことを伝えると、犯人側は…。
ニセ警視庁
警察官
「では、このまま長野県警に電話を転送します」
機械音声
「警視庁より電話を転送しております。しばらくお待ちください」
長野県警 オカタキ
「長野県警捜査2課のオカタキと申します」
電話を転送する際の、機械音声の正体は…?
荒井教授
「(加害者側が)作ったんだと思う。シナリオをより現実的にして信じさせるようにする加害者側の工夫。よりリアリティーを高める一つの工夫だろう」
その後、ニセの長野県警・警察官から口座の残高を聞かれた被害者。「数万円」などと回答したところ…。
長野県警 オカタキ
「こういう金額(残高)では、事件に関与している可能性が非常に低い」
被害者
「もういいんですか、これだけで?長野県警行ったほうがいい?そしたらオザワさん(架空の共犯者)の顔が見られる」
長野県警 オカタキ
「こちらとしてはいいです。実際にオザワの顔見ていただきたい」
被害者
「そしたら行ったほうがいいですか、長野県警」
長野県警 オカタキ
「もちろん、来ていただけるなら来ていただきたい」
被害者
「電車だったら何駅が近いんですか?」
長野県警 オカタキ
「自分で調べろよ、そんなの」
被害者
「駅はどこにあるんですか?」
長野県警 オカタキ
「だから調べろって、自分で。自分で調べてきてください、しっかり。お願いします」
交通手段を確認しただけなのに、犯人はなぜ豹変(ひょうへん)したのでしょうか?
荒井教授
「加害者側からすると『信じていないな』っていうので馬鹿にされていると感じたか。これは無理だって分かったから逆切れしたんでしょうね」
新手口はコンビニで逮捕状?
一方で、専門家も驚く、最新の手口も出始めています。
荒井教授
「知らなかった。初めて聞いた」
北海道警察防犯情報発信室 Xから
「道外で、コンビニに設置されているマルチコピー機を悪用した特殊詐欺が発生しています」
警察が注意喚起する手口というのが…。
ニセ警察官
「警察です。あなたに犯罪の容疑がかかっている。コンビニに行って下さい」
ニセ警察官は、被害者をコンビニのマルチコピー機に誘導。
ニセ警察官
「コピー機で予約番号を入力して印刷して下さい」
そこで犯人が被害者に印刷させるのは「ニセの逮捕状」などです。“実物”を印刷させて嘘を信じ込ませ、金をだまし取るのだといいます。
荒井教授
「(ニセ警察官詐欺は)もう定番化。引っ掛かる人が減っているのでは。そうすると次の手口として、コピー機が最先端になるかも。また違う方法、やり方、ストーリーでやってくると思う」
(2026年3月30日放送分より)
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