【独自】幹部「世界中がアメリカ止めるべき」紅海も緊迫 参戦フーシ派の“真意”は

【独自】幹部「世界中がアメリカ止めるべき」紅海も緊迫 参戦フーシ派の“真意”は
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デモ
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イランへの攻撃が始まってから1カ月が経ち、この週末、アメリカ各地で、過去最大規模のデモが行われました。主催者発表によりますと、参加者は、50州で800万人以上です。

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トランプ氏“地上侵攻”に言及

国内から突き上げが強まるなか、トランプ大統領は、こう述べました。

アメリカ トランプ大統領
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アメリカ トランプ大統領
「イランとの交渉は順調で、本来得られるべき条件を、いろいろ引き出せた。すでに体制転換は実現している。最初の政権が全滅して、次の連中もほぼ全滅。いま、我々が相手にしている連中は、全く別の顔ぶれだ。これこそ体制転換だろう。いまの連中は話ができる。これ以上の成果はない」

イラン指導者たちの殺害を“成果”として誇示しつつ、交渉が進んでいるような話しぶりです。ただ、この少し前、フィナンシャル・タイムズとのインタビューでは、露骨に「石油を奪う」とも強調しました。

アメリカ トランプ大統領
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アメリカ トランプ大統領
「一番望んでいるのは、イランの石油を奪うことだ。カーグ島を占領するかもしれないし、しないかもしれない。我々には多くの選択肢がある。“占領”は、我々がしばらくとどまらなければならないことを意味するだろう」

濃縮ウランの回収作戦
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カーグ島は、イランの石油輸出の90%を処理する最重要拠点です。さらに、かねてより言われている地上部隊による濃縮ウランの回収作戦について、ウォール・ストリート・ジャーナルは当局者の話として「イランの核兵器製造を阻止するという目標の達成に役立つ可能性があるため、大統領はおおむねこの案に前向きだ」と伝えています。

イラン猛反撃 米軍に打撃か

イランも、これを黙って見ているわけではありません。

サウジアラビアの空軍基地
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サウジアラビアの空軍基地を捉えた衛星写真。黒煙が上がっています。

早期警戒管制機『E-3』
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CNNは、イランによる攻撃で、アメリカ空軍の早期警戒管制機『E-3』1機が破壊されたと報じました。
破壊された機体は、円盤状の巨大なレーダーで、陸や空の約600の目標を同時に追跡する“目”となり、そこで得た情報を基に味方を指揮する“司令室”でもあります。中東で運用されていたのは6機で、その1機を失ったことは、作戦能力の大きな低下につながります。

イラン中央司令部報道官
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イラン中央司令部報道官
「“地上戦”“島々の占拠”トランプは脅迫を繰り返している。侵略や支配は破局への道だと証明するために、長年、イスラムの戦士は、準備してきた。アメリカ兵は、ペルシャ湾のサメの餌食となる」

仲介努力もイスラエルは攻撃続行

4カ国外相協議
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仲介の動きは、いまも続けられています。
29日には、エジプトやトルコ、サウジアラビア、パキスタンの外相がイスラマバードに集まりました。

パキスタン ダール外相
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パキスタン ダール外相
「“この戦争は誰の得にもならず、死と破壊を招くだけ”。有意義な協議を主催できることを光栄に思っています」

イスラエルは、イランやイランの影響下にある勢力に対して攻撃を続ける構えです。

イスラエル ネタニヤフ首相
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イスラエル ネタニヤフ首相
「イランと“代理勢力”に対して、圧倒的な力で攻撃を仕掛けている。我々は、大きな成果を上げており、テヘランのテロ政権に目に見える亀裂を生じさせている。攻撃しているのは我々であり、主導権を握っているのも我々だ」

新たな“海峡封鎖”を示唆大

フーシ派
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そのイスラエルに攻撃を仕掛け、参戦を表明したイエメンの武装組織『フーシ派』。イランから強力な支援を受け、レバノンのヒズボラや、ガザ地区のハマスなどと共に反米・反イスラエル勢力『抵抗の枢軸』の一翼を担います。弾道ミサイルを保有するなど、国家レベルの軍事力を持つといわれています。

フーシ派による船の拿捕
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3年前には、日本郵船が運行する貨物船を襲撃。イスラエルのガザ侵攻から紅海を渡るタンカーの攻撃を激化させていました。

バブエルマンデブ海峡
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アラビア半島の南端に位置するバブエルマンデブ海峡。ピーク時には、世界の貿易量の約12%が通過した国際海運の重要拠点です。

サウジアラビア
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ホルムズ海峡が、事実上、封鎖され、約1カ月。サウジアラビアは、この海峡を通じて、1日数百万バレルの原油を輸送しています。いま、世界中で高騰する石油価格。この海峡が封鎖されると、さらに拍車がかかると想定されています。

フーシ派は、紅海など、この地域一帯を実効支配していることから、そのカギを握っているといわれています。

『世界がアメリカを止めるべき』

私たちは、最高指導者が直轄する政治部門のリーダーに話を聞くことができました。

フーシ派幹部 モハメド・アルブハイティ氏
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フーシ派幹部 モハメド・アルブハイティ氏
「バブエルマンデル海峡の封鎖は、 圧力をかける手段だ。侵略行為に関与した国には、封鎖せざるを得なくなるだろう」

そのうえで、海峡を通過する船舶から通航料を徴収することも、今後、検討すると明かしました。

フーシ派幹部 モハメド・アルブハイティ氏
「アメリカが同盟国にさえ向けている敵対的な姿勢を世界中の国々が協力し、止めさせるべきだと考えている。周知のとおり、トランプ政権は、カナダやデンマークといった同盟国にも敵対的な姿勢で臨んでいる。すでにベネズエラに対して行ったように、アラブ・イスラム諸国やキューバ対する目的を達成した後は、さらに、ほかの国々へと矛先を向けるだろう。日本を含む各国は、アメリカとの関係がどうであれ、道徳的な価値観に基づく行動を放棄してはならない。日本を含む世界のすべての国々に安定がもたらされるからだ。(Q.日本は次の標的になるか)イランへの侵略に積極的に関与していないので、アメリカの利益に直結しない限り、標的になることはない」

バブエルマンデブ海峡への海路は、いまは、まだ穏やかなままです。ただ、周辺地域は、激しく揺れています。

バブエルマンデブ海峡を臨むアフリカ大陸北東部・ジブチ。

港で働く人
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ジブチの港で働く人
「封鎖されれば、港の仕事がなくなる。東アフリカの“心臓”みたいなものなのに」
トラック運転手
「歩み寄って、仲直りしてほしい。イランは、人々の暮らしに目を向け、愚か者のアメリカなど無視すればいい」

フーシ派幹部 モハメド・アルブハイティ氏
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フーシ派幹部 モハメド・アルブハイティ氏
「バブエルマンデブ海峡の封鎖というカードも含め、対抗措置の程度は、アメリカとイスラエルの行動次第だ。周辺国のイラン攻撃への加担の度合いにもよる。攻撃がいつまで続くかにも関連する。報復の詳細は、いまは明かせない」

トランプ氏 地上作戦の“本気度”

トランプ大統領の最優先事項は、原油市場の安定のはずですが、地上作戦を行えば、新たな海峡封鎖につながり、世界経済がさらに混乱する可能性がありますが、 それでも地上作戦を実行するのでしょうか。アメリカの安全保障に詳しい明海大学・小谷哲男教授に聞きました。

小谷哲男教授
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小谷教授は「地上作戦の実行を決めたわけではない。 トランプ氏の前提は、あくまでイランと協議を行うために、軍事的圧力をかけているので、今回もその一環」とみています。

小谷哲男教授
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今回、フーシ派が参戦し、バブエルマンデブ海峡封鎖を示唆したことについては「原油価格を安定させたいトランプ氏にとっては、ホルムズ海峡に加えて、もう一つ、頭痛の種を抱えることになる。ただ、これで軍事的圧力を弱めることはない。いまは協議でイランよりも強い立場になるために、駆け引きをしている段階なので、下手に出る対応はしない」と話します。

協議が実現しなかったらどうなる

小谷哲男教授
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小谷教授は「協議そのものがなくなると、地上部隊の投入はありうる。いま中東に集結する戦力をみると、 カーグ島の制圧はできても、維持は難しい。そのため、地上作戦では、核施設を狙うのでは。核施設にある濃縮ウランを確保して、『この戦争は核開発をやめるためだった』と一方的に勝利宣言して、手を引くシナリオの可能性がある」といいます。

小谷哲男教授
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小谷教授がホワイトハウス関係者から得た情報によりますと、「トランプ氏は、何をやってもうまくいかないので、イラン問題から関心を失いつつある」といいます。そのなかで、トランプ氏が「交渉に関与している」と明言しているのが、バンス副大統領ですが、小谷教授は「バンス副大統領は元々、軍事作戦に否定的で、イラン側が向き合いやすいため、トランプ氏が交渉を任せようとしている」といいます。

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