自民党は31日、日本国旗を損壊した場合に処罰する「国旗損壊罪」の創設に向けてプロジェクトチームの初会合を開き、議論をスタートした。4月中に与党としての案を取りまとめる考え。今の刑法では、外国の国旗を侮辱する目的で損壊した場合に2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すとしているが、日本国旗を損壊した場合の規定はない。
【映像】岩屋氏「外国国章と同列に扱うのはおかしい」(実際の発言)
自民党内でも温度差があり、慎重派の岩屋毅・前外務大臣は会合終了後、記者団に「国旗を尊重すべきことは当然だとしても、こういう法律を作ることには消極的です。今日もそういう意見を申し上げました。よく外国国章損壊罪と比べられるんだけれども、外国国章損壊罪の守るべき法益は外国との外交関係ですから、それと同列に扱うのはおかしいと思います。そして、今我々の周りに国旗が燃やされたり破られたりっていう事実がたくさんあるわけではないという中で、こういう法律を作るっていうことは慎重であるべきだと。しかも、仮に立法を考えるとしても、憲法の保障する内心の自由、それから表現の自由を侵すようなものであってはならないと。従って慎重な議論が必要だということを申し上げました」と述べた。
記者が「党内では罰則なしっていう案も浮上しているようですけど」と質問すると、岩屋氏は「そんな具体的な議論には今日は至っておりません。これまでの経緯とか諸外国の状況とか、そういうことの説明があって、みんなの意見を求められたということだったので、何か中身にまで踏み込んだような議論があったわけではありません」と述べた。
続けて「仮に罰則がなかったとしても慎重?」と問われると、「その(立法の)必要性はないと私は思っております。国旗国歌法制定以降ですね、国民の皆さんの間に、国旗を尊重するっていう意識は幅広く共有されていると、私は受け止めています」と答えた。
さらに「どうして今、この議論が起きている?」と問われると、「もちろん連立の合意の中にあったとか、選挙の公約の中にあったということも、もちろんこれはこれで考えなければいけないことだとは思うけれども、果たしてそれが本当に適切な立法になるのかっていうことについては、政権与党である自民党の中でしっかりと議論をして、やっぱり良識を示していかなきゃいけないんではないかと思います」と答えた。
また、「今日法務省とかから、外国国旗についてこれまでの適用件数などは示されたか?」と問われると、「示されましたけども、過去110年ちょっとで数件だったと思います。直近の事例も数十年前ということだったと思いますし、国旗についての事例の紹介はなかった」と答えた。
「外国国旗の刑法に関しては親告罪、外国政府からの申し出があってということだが、日本国旗をどうするかということは示されましたか?」という問いには、「そういう中身について執行部側に案があったとかいうんではなくて、これまでの経緯などを今日は説明して、皆さんの自由意見を求めたっていう会だったので、中身に踏み込んだような議論は一切ありません。外国国章損壊罪が親告罪だっていうのは要するに、処罰するかしないかは外国の判断に委ねているってことですよね。その間に外交交渉をやって、できるだけ大きな事案に発展しないようにするという、一拍置ける形にしているというのが今の外国国章損壊罪だと思います」と答えた。
自民と日本維新の会の連立政権合意書は「令和8年通常国会において日本国国章損壊罪を制定し、外国国章損壊罪のみ存在する矛盾を是正する」としている。(ABEMA NEWS)
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