
高市総理は31日、関係閣僚に対し、石油製品の安定確保を指示しましたが、すでに生活の身近なところで在庫不足などの影響が出始めています。
【画像】原油製品の供給に危機感…重要物資確保へ 停戦合意の道筋は“封鎖状態”続く

神戸市の温泉施設では、“燃料不足”のため、4月1日から平日は休業することにしました。

銀河の湯 三品宏喜マネージャー
「やっと、ここ最近ですけど、『4月半ばぐらいには入るよ』って、確約は、いったんはもらったが、その次がわからないと」
業者から「自分たちにもいつ重油が届くかわからない」と言われているそうです。
医療用手袋の確保 現場が奔走
31日に2度目となる中東情勢に関する関係閣僚会議が開かれました。
懸念されているのは、医療現場で使用される石油関連製品の“確保”です。

高市総理
「輸血パックなどの医薬品、透析回路や注射器などの医療機器、医療用手袋やエプロンなどの医療物資の供給にも、万が一にも支障があってはなりません」

横浜市の歯科クリニック。医師や歯科衛生士あわせて50人ほどのスタッフがいます。手袋は、患者ごとに交換する使い捨てのため、1日で500~800枚が必要です。

棚に並ぶのは、さまざまなメーカーの手袋。在庫を見つけ次第、買っています。ストックは、2週間分しかありません。

中川駅前歯科クリニック 二宮威重院長
「一定の割合でラテックス(天然ゴム)アレルギーのスタッフがいる。どうしてもニトリル(石油由来)を使わなきゃいけない」
医療現場では、アレルギーの少ない石油由来の手袋が主流です。

高市総理は、アジア各国との物資の相互支援を検討する考えを示していますが、医療用手袋は、ほぼすべてをアジアでの生産に頼っています。マレーシア、タイ、ベトナムなどは、材料不足の懸念に直面しています。
中川駅前歯科クリニック 二宮威重院長
「新年度が始まると、学校歯科検診は6月までに行うと決められている。大量のグローブ(手袋)が教育機関で消費される。ますますグローブ不足に拍車がかかる」
目に見えてきた生活への影響。

岐阜県関市の歯科医院の棚には、1日分の手袋もありません。

岐阜県保険医協会 遠藤奈穂副会長
「1日分はなくて、午前中分くらい。自転車操業なので」

岐阜県では、保険医協会が23日、流通が滞らないよう適切な措置を行うことなどを国に申し入れました。
31日時点では、まだ改善されていません。大病院の買い占めなどのあおりを実感しています。
岐阜県保険医協会 遠藤奈穂副会長
「新型コロナのころのグローブがない、マスクがない。あのころがよみがえるけど、結局は、末端は末端という感じ」
政府に数値で把握し、対策してほしいと訴えます。

岐阜県保険医協会 遠藤奈穂副会長
「末端の動きを政府がきちんと理解し、把握していただかないと、我々まで回ってこないのは、当たり前に目に見えてわかると思う。集計をきちんと取っていただきたい」
物資確保へ 政府が『対策本部』
政府は31日、医療物資などの確保対策本部を立ち上げました。

重要物資安定確保担当 赤沢亮正経産大臣
「我が国全体で必要な量は、現在、足りている。きめ細かく、供給の偏りや、流通の目詰まりの解消に対応してきており、当面の供給不安を回避できた事例もあります、一方で、事態の長期化を見据えて、状況に応じて機能的に対応していくことが不可欠になる」
「発電所や油井を完全粉砕」
先の見えない事態に、マーケットは高止まりしています。

30日のニューヨーク市場では、原油先物の終値が102ドルを超えました。ウクライナ戦争が始まった2022年以来、3年8カ月ぶりのことです。

トランプ大統領が決めた交渉の期限は、1週間後に迫っています。

アメリカ トランプ大統領(SNS)
「早急に合意に至らず、ホルムズ海峡が直ちに“開放”されなければ、我々は、あえて“手を付けてこなかった”発電所、油井、カーグ島や、おそらく、すべての淡水化施設を跡形もなく、完全に粉砕して、イランでの“すてきな滞在”を締めくくることになる」
警告の意味を込めたこの投稿。その数時間後には、ドバイ沖で、クウェートの石油タンカーが、イランによるものとされる攻撃を受けました。

すると、今度は、トランプ大統領が自身のSNSに、イラン中部のイスファハンとみられる場所での大爆発の動画を投稿しました。
アメリカ軍が、大規模な弾薬庫を約900キロの貫通弾で攻撃したと報じられています。
“開放せずに戦闘終結”米紙報道
ここにきてトランプ政権は、短期決着にこだわる姿勢を鮮明にしています。

ホワイトハウス レビット報道官
「作戦の期間について、最高司令官たる大統領と国防総省は 一貫して4~6週間を見込んでいます」
ルビオ国務長官も、ABCニュースの番組で、こう強調しました。
アメリカ ルビオ国務長官
「作戦の目的は、イラン海軍の壊滅、ミサイル発射能力の大幅削減、国防産業基盤の一掃だ。数カ月ではなく、数週間以内に達成してみせる」

さらに、ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、トランプ大統領は、側近に対して「ホルムズ海峡の開放を待たずに、イランとの戦闘を終結させる用意がある」と伝えたといいます。
中間選挙を秋に控えるなか、事態の長期化だけは避けたい意図が透けて見えます。
対イラン“見えぬ交渉相手”
一方のイラン。

イラン外務省報道官
「我々への“15項目”の要求は、度を越えていて、現実的でも論理的でもない」
革命防衛隊も「かかってこい」とアメリカ軍を挑発し、地上戦すらいとわないよう。アメリカとイランの対面協議が、イスラマバードで近日中に開かれると発表されるなど、交渉は続いているかに見えますが。

CNNホワイトハウス担当 ホームズ上席特派員
「アメリカ当局は、幹部をほとんど失ったイランに、合意をまとめられる人物がいるのか、疑問視しているようです。地域の情報筋の報告が衝撃的で、現時点でイスラマバードに現れる人物に、イラン側の決定権があるのか『誰にもわからない』そうです。トランプ大統領や、きょうのホワイトハウスの報告でも『交渉は順調』としているだけに驚きです」
