3日の参議院予算委員会で、日本維新の会の石井めぐみ議員が、東京・池袋のポケモンセンターで起きたストーカー殺人事件に言及し、ストーカー対策の強化について質問した。
石井議員はまず「池袋の商業施設で発生した痛ましい事件により、将来ある尊い命が失われたことに心から哀悼の意を表します」と述べたうえで、「本件では警察において禁止命令の発出など現行制度の下で取りうる措置をすべて講じて被害者の安全確保に尽力されたものと承知しています。にもかかわらず最悪の事態を防ぐことができなかったことは重く受け止めなければなりません」として、質問を始めた。
そして「まず加害者への働きかけです。状況確認にとどめず、ストーカー行為の抑止につながる取組の強化が必要だと思います。被害者の安全確保を最優先に、加害者への(警察の)関与を一歩踏み出すものとすることが必要ではないでしょうか。そこで禁止命令の実効性に対する認識と、今後の加害者に対する対策について赤間国家公安委員長のご所見をお聞かせください」と質問した。
赤間二郎国家公安委員長は「禁止命令では更に反復してつきまとい等をしてはならないことを命ずることができますが、相当程度の抑止効果があるものの、一定数は再び繰り返す者がいることは承知しています。加害者による行為のエスカレートを防止するため、本年3月10日全面施行された改正ストーカー規制法をはじめ、各種法令を適宜適切に適用するほか、加害者を治療・カウンセリング等にしっかりとつなげていくことも重要であると思っています」などと答えた。
石井議員は続いてそのカウンセリングの問題を取り上げた。「加害者への働きかけとして カウンセリングなどが促されておりますが、任意であるため十分に活用されていないとの指摘があります。再発防止の観点からその強化は極めて重要な鍵だと考えます。政府としての現状認識と活用促進及び実効性向上の方策について、お考えは?」と質問した。
赤間国家公安委員長は「警察の働きかけにより実際に治療等につながった件数、残念ながら微増にとどまっているところです。その理由については一概に申し上げることは困難ですが、専門知識を有しない警察官による働きかけのみでは加害者の意識・行動変容には不十分であると考えています」と答えた。そして2025年度補正予算で、精神医学的・心理学的知見を持つ専門家らと調査研究を開始しているとして「ストーカー加害者をカウンセリング治療につなげやすくする取組をしっかりと推進してまいりたい」と述べた。
石井議員は続いて「ストーカー対策では被害者保護の強化と制度の検証が重要だと思います。特に警告や禁止命令については、今回の池袋事案で9回も禁止命令が発出されていましたが結果として事件の防止につながりませんでした」として現行制度の課題を質問。
赤間国家公安委員長は「警察では危険性また切迫性が極めて高いと判断された事案については直ちに即応態勢を確立し、検挙が可能であればこれにより加害行為の阻止を図るとともに、被害者等に対しては安全な場所への速やかな避難であるとか110番緊急通報登録システムへの登録、さらにビデオカメラ等の資機材の活用等を行うことによって被害者保護を図っている」と現状を説明したうえで、課題として「ストーカー行為の背景にある孤独・孤立などの社会課題の解決、予防啓発・教育の充実など社会全体で取り組みがなされることが重要だ」などと答えた。
石井議員はさらにGPSに言及。「今回の池袋事件のように警察対応や禁止命令が講じられたにもかかわらず重大事案に至るケースが後を絶ちません。受診依頼や監護監視など強制力がない現行制度の限界をどのように認識されているのか。併せて加害者への実効的関与の強化や海外の制度も参考にしながら、例えばアメリカ・テネシー州や韓国のようなGPSによる位置把握や接近制限なども参考に、抜本的な制度の見直しについてこれまでの垣根を超えた、議論を深めるべき時が来たのではないでしょうか」と質問した。
これに対し赤間国家公安委員長は「海外におけるさまざまな取り組み、最新の知見等を参考にしつつ、我が国におけるストーカー事案の実情に適切に対応していく必要があると認識しています。被害者の保護対策、また加害者の再犯防止等についてはストーカー総合対策に基づいて関係機関・団体等と連携した取組を推進しているところです」とし、「社会全体で被害者等の安全確保を最優先に、重大事案への発展を未然に防止するための取り組みを更に充実させることは大変な大事な視点だと思っております」などと答え、GPS導入には直接触れなかった。
石井議員は「最後にストーカー犯罪によって失われた尊い命そして心に傷を負った方々の痛みを私たちは決して忘れてはなりません。同じ悲しみが二度と繰り返されることのないよう関係所管には実効性のある対策の徹底を強く求めます」と述べて質問を終了した。(ABEMA NEWS)
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