米宇宙船「オリオン」月の裏側を通過 56年ぶりに人類が地球から最も遠い場所に到達

米宇宙船「オリオン」月の裏側を通過 56年ぶりに人類が地球から最も遠い場所に到達
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 アメリカの有人宇宙船「オリオン」が日本時間の7日未明、ミッションの山場となる月の裏側の飛行に成功した。これで人類が地球から最も離れた距離を56年ぶりに更新した。

【画像】前人未踏「月の裏側」の様子

人類初 月の裏側を目視

 国際有人月面探査プロジェクト、アルテミス計画の宇宙船「オリオン」が撮影した、月の裏側の映像だ。

宇宙船「オリオン」が撮影した月の裏側
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 アポロ計画以来、およそ半世紀ぶりとなる有人での月周回飛行を目指して、オリオンが打ち上げられてから6日目。人類は、初めて月の裏側を目にすることになった。

 偉業達成前の記者会見で、ミッション管理チームのハニカット議長はこのように話していた。

「左端には人間の目で見たことのない月の特徴」
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「月面フライバイは6日目に迎えます。とても楽しみにしています」
「左端には人間の目で見たことのない月の特徴が見えます。この月の領域を観測したのは、きのうまではロボットだけでした」

 今回のプロジェクトは4人の宇宙飛行士がおよそ10日間かけて月を周回し、再び地球に戻るというもの。

 6日目となる7日、月の裏側に回り、地球からおよそ40万キロメートルの地点を飛行。人類は史上最も地球から遠い場所に到達したのだ。

史上最も地球から遠い場所に到達
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 そして今回、月の裏側の巨大な円形の地形「東の海」の観測に挑戦した。

 観測は、宇宙船と太陽、月の位置がそろう、まさに月の裏側が照らされる限られたタイミングに合わせているという。果たして「東の海」の観測は成功したのだろうか?

地球から最も遠い場所に

 アポロ計画以来、およそ半世紀ぶりとなるアルテミス計画による有人での月周回飛行。

 今回のプロジェクトでは宇宙船「オリオン」でおよそ10日間かけて月を周回し、再び地球に戻る。

約10日間かけて月を周回し再び地球に戻る
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アルテミス科学飛行運用責任者 ヤング博士
「月曜日のフライバイには非常に興味深い機会があります。およそ53分間のそこからだけの特別な視点で見える日食が起こります」
「太陽が月の背後を通り過ぎ、その後、月の後ろ側から日の出を見ることができるのです」

 日本時間の午前2時56分ごろ、地球からおよそ40万キロメートル。人類史上最も遠くまで到達した記録を更新した。そして…。

NASAコミュニケーションズ ムスタチオ氏
「宇宙船との通信は40分ほどで再開される見込みです。これは月の裏側に入っているためです」

 「オリオン」は前人未踏となる月の裏側へ…。

月の裏側から見る日食
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ムスタチオ氏
「これは非常に感慨深い瞬間です」

 NASAは肉眼での月の裏側の観察には、大きな価値があると強調している。

 実際、1972年のアポロ17号では肉眼で月面の「オレンジ色の土」を見つけ、それが月の火山活動史の理解につながった。

1972年のアポロ17号
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 今回の飛行は、将来の有人月探査に向けた観察や撮影の訓練とも位置付けられ、将来、人が月の近くで安全に行動するうえでも役立つことが期待されている。

 アルテミス計画では来年、月面着陸船の試験を行い、半世紀ぶりとなる月面着陸は2028年に予定されている。

米中競争激化の背景に水資源

 月面探査を巡ってはアメリカと中国との間で競争が激化しているというが、その背景に何があるのか。

アメリカの月面探査の目的
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 それが月の水資源を巡る争奪戦だという。NASA(アメリカ航空宇宙局)は2030年代までに、火星への有人飛行の実現を目指していて、中継地点として月面基地を建設する計画だという。

 朝日新聞はそのために「水などの貴重な資源の確保」が必要だと報じている。

月での水の活用方法
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 月での水の用途は多岐に及ぶという。飲み水として利用するだけでなく、電気分解することで、呼吸のための酸素やロケット燃料となる水素を発生させることができる。さらに、将来的には農業や金属の製造など産業の土台としての利用も想定されているという。

「水」で先んじる中国
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 非常に重要な月での水の確保だが、先行しているのが中国だ。2019年に打ち上げられた中国の無人探査機「嫦娥4号」は、世界で初めて月の裏側に着陸し、無人探査機による月面の調査を行った。

 そして、2024年には「嫦娥6号」が、月の裏側の南極近くに着陸し、世界で初めて月の裏側でのサンプルの採取に成功した。サンプルの分析の結果、水の成分が検出されたということだ。

水の確保は困難?

 月での拠点開発でカギとなる水の確保だが、すべてのエリアで均等に確保できるわけではないという。

月に大量の水が存在?
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 朝日新聞によると、月の北極や南極にそれぞれ、太陽光がほとんど当たらない非常に気温が低い、くぼみがあるという。南北の2つのくぼみに氷がおよそ60億トン、琵琶湖の水量のおよそ5分の1が存在する可能性があるそうだ。

水の確保を“早い者勝ち”?
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 国連総会で、月の資源を国家や団体・個人が占有することを禁じる「月協定」が1984年に発効した。しかし、アメリカと中国は批准していない。

 そのため、水資源の確保において米中は“早い者勝ち”の状態となっている。

(2026年4月7日放送分より)

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