検察の『抗告』是非が焦点に“再審見直し”政府案に異論相次ぐ

検察の『抗告』是非が焦点に“再審見直し”政府案に異論相次ぐ
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冤罪事件など、判決が確定した裁判をやり直す『再審制度』の見直しについて、法務省が考える改正案に、議員からは、異論が相次いでいます。果たして、7日の議論の行方は…。

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検察の『抗告』是非 焦点に

自民党本部会議
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7日午後の自民党本部。6日に引き続き、再審制度をどのように見直していくかを議論するための会議が設けられました。目指しているのは、無実の罪を着せられた人を確実に、そして迅速に救済すること。ところが会議は連日紛糾しています。特に異論が多いのが、弁護士でもある稲田元防衛大臣が指摘したこの点です。

稲田朋美元防衛大臣
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稲田朋美元防衛大臣
「ほとんどの議員が『抗告禁止』と言っているにもかかわらず、それを全く無視をしている。どうしてやってくれないの。本気じゃないんですか。ここで抗告の議論、続けてほしい」

再審制度の仕組み
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抗告とは、裁判所が出した決定に不服を申し立てる手続き。現在の仕組みでは、地裁が再審開始を決定しても、検察が抗告した場合、高裁で改めて審理することになっています。高裁が再審を支持しても、検察は再び抗告することができ、今度は最高裁で手続きが始まります。そして最高裁が再審を支持してようやく、やり直しの裁判が始まります。

袴田事件再審までの経緯
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例えば、1966年の静岡県一家殺害事件で逮捕された袴田巌さんの場合、静岡地裁が再審開始を決定したのが2014年3月。これに検察が即時抗告を申し立て、再審公判が始まったのは2023年10月でした。無罪が確定したのは2024年10月です。

諮問機関の意見
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この抗告を引き続き認めるというのが、今の政府の考え。法務大臣の諮問機関の議論では、必要な理由として「三審制のもとで確定した有罪判決が、下級審の決定で見直されると、法的安定性が著しく害される」といった意見が出されていました。

柴山昌彦元文科大臣
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柴山昌彦元文科大臣
(Q.政府案には反対か)
「政府案には反対というか、今のまま政府案が無傷で与党での審議を終えるということは、私はあり得ない、あってはならないと思っている」
(Q.再審長期化のリスクを懸念)
「いたずらに審理が長引き、そして当事者も証人も記憶も劣化し、場合によっては命がなくなることもある。物的証拠は劣化をすることもある。正義というものが否定されるような状況になる。これが極めて不合理だと、我々はずっと訴えています」

検察の抗告『一定制限』検討も

抗告禁止については、野党を交えた超党派の国会議員連盟で2年以上前から議論されていたこと。会合には、袴田巌さんの姉・ひで子さんも出席し、こう訴えていました。

袴田巌さんの姉 袴田ひで子さん
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袴田巌さんの姉 袴田ひで子さん
「58年戦って、やっと再審開始(無罪)になりました。(再審制度に)不備があったと思います。その不備のないように、ぜひ皆様のお力をお貸しください」

結論は持ち越し
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再び7日の会議。2時間を超えても異論は収まらず、結論は8日以降に持ち越されることになりました。関係者によると、法務省は抗告に一定の制限を設ける検討に入ったということです。

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