【報ステ解説】M7.7青森で震度5強 発生メカニズムは…『後発地震』注意情報とは

【報ステ解説】M7.7青森で震度5強 発生メカニズムは…『後発地震』注意情報とは
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20日午後4時52分ごろ、三陸沖を震源とするマグニチュード7.7の地震が発生した。青森県階上町で最大震度5強を観測したほか、沿岸部には一時、津波警報や注意報が発表されました。

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西村卓也教授
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京都大学防災研究所の西村卓也教授に聞きます。

今回の地震
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(Q.今回の地震、どのような特徴があるのでしょうか)

京都大学防災研究所 西村卓也教授
「この地域は、地震が多い地域で、昨年も大きな地震が続発しているような地域です。特に、昨年11月9日に、今回の地震の震源のすぐ南側でもマグニチュード6.9の地震があった地域になります。また、津波に関しては、現在、警報から注意報に切り替わりましたが、最大80センチの津波が観測されています。現状では、注意報ということですので、これを大きく上回ることはないだろうと判断されて、注意報に切り替わったというのもの。このくらいの規模の地震であると、このくらいの津波が起こるという目安になるようなものだったのではないかと思います」

(Q.東京のビルの中でも揺れを感じました。地震の観測点が多かったと思うのですが、どうでしょうか)

京都大学防災研究所 西村卓也教授
「地震の規模がマグニチュード7.7ということで、かなり大きな規模だったということと、東京のように離れたところでは、長周期振動と呼ばれるような、ゆったりとした揺れが遠くまで伝わりますので、かなり広い範囲で大きく揺れたんだと思います」

(Q.日本列島は、4つのプレートに囲まれています。今回の地震はどのようなメカニズムで発生したと考えられますか)

日本周辺のプレート
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海溝型地震
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逆断層
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京都大学防災研究所 西村卓也教授
「日本には4つのプレートがあります。この中でも、海側の太平洋プレートと陸側の北米プレートの境界で起こった地震が、今回の地震です。これは海溝型地震と呼ばれることがあるのですが、この海溝型の地震とは、海側のプレートが陸側のプレートの下に潜り込む、沈むときに、海のプレートに引きずられて、陸側のプレートも引き込まれる。それが、陸側のプレートが耐え切れなくなって、反発して、もとに戻るようなときに、ひずみが解放されて起こるような地震のことになります。海溝型の地震のタイプとしては、また、別の分け方があって、逆断層型の地震。これは、左右に押し合うように力がかかったときに、左に対して右側の岩盤が上に押しあがるようなタイプ。今回の地震も東西で押し合う力によって発生した逆断層タイプの地震で、この地域では、よく起こるタイプの地震になります」

北海道・三陸沖後発地震注意情報とは

北海道・三陸沖後発地震注意情報
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気象庁は、今回の地震を受け、『北海道・三陸沖後発地震注意情報』を発表しました。

『北海道・三陸沖後発地震注意情報』とは、太平洋プレートと北米プレートの境界にあたる『千島海溝』『日本海溝』付近で、マグニチュード7クラスの地震が起きた場合、その後、さらに大きなマグニチュード8クラスの地震が起きる可能性が相対的に高まっているとして、1週間程度は、すぐに避難できる準備をしておくよう、内閣府が注意を呼びかけるものです。

1963年の択捉島南東沖地震では、マグニチュード7.0の地震が起きた18時間後にマグニチュード8.5の地震が発生。そして、2011年の東日本大震災では、3月9日にマグニチュード7.3の地震が発生し、その約2日後の3月11日にマグニチュード9.0の巨大地震、そして、巨大津波が発生しました。

今回の地震も発表する基準に当てはまることになります。

防災対応を取るべき対象エリア
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後発地震情報が発表された場合に、防災対応を取るべき対象エリアとなっているのが、北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の7道県182の市町村となっています。

具体的には、就寝の際は、すぐに避難できる服装で寝ること。子どもや高齢者などとは同じ部屋で就寝すること。家の中でも最も安全で避難しやすい部屋で寝ること。非常時に持ち出す身分証明書や貴重品は常に携帯し、就寝の際には、枕元に置いて、ただちに避難できるよう準備をしてほしいとしています。

この注意情報は、2022年に運用が始まりましたが、初めて出されたのは去年12月8日、青森県東方沖で起きた最大震度6強、マグニチュード7.5の地震でした。このときは、その後、大きな地震は起きませんでした。

(Q.1週間程度ということですが、どのような心構えで、その沿岸の人たちは過ごせばいいのでしょうか)

京都大学防災研究所 西村卓也教授
「こういう情報が出たときに、実際、大きな地震が来る割合としては、100回に1回程度です。ただ、この1回というのは、平常時に比べると、10倍くらい発生の可能性が高まっているということです。必ず来るというわけではないんですが、来たときに被害を最小化するという意味で、避難の準備を進めておく。起こらない可能性もあるわけですから、普段通りの生活を送って、万が一に備えながらという、難しい対応になるんですけれど、そういうことを1週間、続けていただきたいと思います」

(Q.2011年の東日本大震災で、マグニチュード9.0という巨大地震を経験しました。そのとき、ある程度、ひずみというのは解消されているのかと感じるのですが、必ずしもそうではないということなのでしょうか)

京都大学防災研究所 西村卓也教授
「そうですね。特に、この日本海溝、東北地方の中でも宮城県沖と呼ばれる地域では、2011年に解放されたと考えられているのですが、今回の震源の岩手県沖であるとか、青森県沖、さらには、北海道の沖合では、まだこのひずみは解消されていない状況にあると考えられていますので、最悪、マグニチュード9クラス、東日本大震災クラスの地震が、そういうところに起こるという可能性も残っていると考えられています」

後発地震での津波想定

想定される津波
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震源域が『日本海溝』の場合、岩手県沿岸、宮古市で最大約30メートル。震源域が『千島海溝』の場合は、北海道十勝地方沿岸、えりも町で最大約28メートルの津波が発生するおそれがあるとしています。それ以外にも、北海道から千葉県にかけての広い範囲で、3メートルを超える津波が発生する可能性があるとしています。

(Q.今回の震源域は日本海溝側ということですが、千島海溝側で起きる場合と、特徴的な違いはあるのでしょうか)

京都大学防災研究所 西村卓也教授
「想定される揺れとか、津波の高さという意味では、同じようなものになりますけれども、当然、一番、津波が高くなる場所が、日本海溝の場合ですと、青森県とか、そのあたりになりますし、千島海溝の場合だと、北海道の十勝とか、釧路、根室地方の太平洋沿岸というような違いがあります。ただ、どちらにしても、かなり広域に、非常に大きな被害を及ぼす可能性があるということですので、十分、警戒が必要だと思います」

(Q.この注意情報、1週間程度ということですが、それでほぼ安心できるという理解でいいのですか)

京都大学防災研究所 西村卓也教授
「必ずしもそうではありません。地震の発生可能性というのは、地震直後が高くて、徐々に低下していくものですが、1週間で、完全にゼロとなるものではありませんので、1週間が過ぎても、注意、警戒を保つということが必要だと思います」

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