21日の参議院内閣委員会でれいわ新選組の伊勢崎賢治議員が海外派遣の自衛官が業務上過失致死事故を起こした場合、国外犯処罰規定がない問題をとりあげた。
【映像】伊勢崎議員「議員立法で作っちゃおうか」(発言の瞬間)
伊勢崎議員は1992年から1993年にかけて、国連PKOでカンボジアに派遣された自衛隊員が、現地で職務中に計3件の交通事故を起こし、3件ともカンボジア人を死亡させていることを指摘し「刑事責任に問われたか?」と質問した。
宮崎政久防衛副大臣は「事故原因にいずれも自衛隊員の過失が認められるので、減給等の懲戒処分を行ったが、刑事処分は行われていない」と答えた。
伊勢崎議員は、国連が現地政府と地位協定を結んでいるため、現地政府の裁判権が放棄されていることを指摘。現地社会の怒りが爆発するリスクがあるため、「1999年に当時の国連事務総長が全世界で展開するPKO部隊に対して、各派遣国が責任を持って国内法廷で裁くよう命令したが、日本だけこの仕組みから外れている」と、日本に過失罪の国外犯処罰規定がないことを問題視した。
さらに「現在も自衛隊が駐留するジブチのように、地位協定の下でそれが起きれば、裁判権を放棄させられている現地政府も裁けず、日本も裁けず、これは国外犯処罰規定不在の問題ですよね、つまり責任の所在が消えてしまう、法の空白が生まれます。被害者の人権はないがしろにされ、任務を遂行した隊員は法的に宙づりの状態に置かれ、そして日本の国際的な信頼は地に落ちます。これこそが、6年前に防衛大臣が検討を表明したにもかかわらず放置され続けている国外犯処罰規定不在の問題です」と訴えた。
その上で「法の空白を埋める法整備が完了するまでの間、少なくとも新たな海外任務の開始は凍結するべきではないでしょうか。現在活動中の任務においてもその在り方を根本的に見直すべきではありませんか」と提言した。
これに対し宮崎防衛副大臣は「自衛隊員は、平素から法令を遵守して厳しい教育訓練を行っており、過失による事故などが発生しないように安全管理をしっかり努めているということは改めて申し上げさせていただきたい。海外派遣部隊の隊員についても、現地との良好な環境を維持する、また事故を防止するということが非常に重要であります」と述べた。
続けて、法の空白に関して「海外での活動が一層多様化、増加しているという状況を踏まえ、隊員の過失行為に係る国外犯処罰規定の必要性やその在り方については、我が国の法律が、日本国民が国外で過失により人を死傷させた場合に国外犯処罰規定が設けられていないということを踏まえて、様々な検討を続けさせていただいているところでございます」と述べた。そして「海外派遣部隊の隊員の服務規律というのは非常に重要であります。そのあり方も含めてしっかり不断に検討してまいりたい」と回答した。
これに伊勢崎議員が「議員立法でもう作っちゃおうかな、提案しようかなと思ってるんですけど協力していただけますか」と述べると、場内からは笑いが起きた。これに対して宮崎防衛副大臣は「政府として、提出いただいた場合にはこれをしっかりまずは確認をさせていただきたいと思っているところでございます」と述べた。
伊勢崎議員は最後に「今の状況では法的な救命胴衣もつけずに隊員を荒波に乗り出させるに等しい行為だと思います。彼らを不測の事態から守り安心して任務に専念できる環境を整える、これが政府の果たすべき最低限の責務だと思います」と述べ質疑を終えた。(ABEMA NEWS)
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