メジャーリーグ、ア・リーグ東地区で戦うレイズ。最も強豪がそろうとも言われているこの地区で現在、2位と好調です。そんなレイズに日本人選手は所属していないのですが、実はチームに欠かせない日本人がいるんです。
日本でおなじみの「鍼」で
レイズのアスレティックトレーナー・福田紳一郎さん(40)です。
「選手のけが予防がメインゴール。プレーオフも入れると、180試合以上になる。けが予防をするために、日々やらせてもらっている」
選手たちの体に日々、向き合っている福田さん。メジャーでは、とても珍しいスキルを持っています。
それは、日本でおなじみの鍼(はり)です。
「筋肉が張っている所に鍼を当てると、筋肉が弾くことがあるんです。この反応が出ると、筋肉がスパンと緩む。その反応を重要視している」
選手に鍼を打つのは主に試合後。興奮状態になっている体をリラックスさせ、体の回復を早める目的があるといいます。
福田さんの鍼の技術に選手たちは絶大な信頼を置いています。
昨季73登板/WBCアメリカ代表
レイズ ジャックス投手(31)
「最高です。体全体をみてくれるので、チームに欠かせない人物です」
昨季開幕投手11勝
レイズ ペピオ投手(28)
「先発する度に最も頼りにしている存在です。登板を終えた後は必ず鍼を打ってもらいます。以前はタオルを顔にかけて鍼を見ないようにしていたけど、今は大丈夫です」
「夢は諦めるな」
そんな福田さんがメジャーのトレーナーを目指し、渡米したのは19年前。しかし、待っていたのは言葉の壁でした。
「復習するにしても、普通の学生が1~2時間かかるところ、3倍4倍の時間はかかって。メジャーリーグでやりたいという目標は一回も絶やさなかった」
猛勉強の末に、アメリカのトレーナー資格を取得。インターンからレイズのマイナーチームの一員に。さらに、メジャーへ昇格するため目を付けたのが、日本で学んできた鍼でした。
「鍼灸がアメリカで全く流行ってないというのはすごく感じて。アメリカの鍼灸師資格を取れれば、他の人が絶対できないことなので、チャンスでしかない。働くにはビザが必要で、雇うのにお金が余分にかかる。『雇いたい』と思われる人材にならないとダメだということも分かっていた」
マイナーでトレーナーをしながら大学院に通い、アメリカの鍼灸師資格を取得。鍼を武器に、メジャーリーグへの道を切り開いたのです。
「夢は諦めるな。『お前には無理や』と言われたことも何回もある。自分の道を貫くことによって、頑張っていると見てくれる人がいる。諦めずにどんどん挑戦してほしい」
3人の日本人トレーナー
実は、レイズには福田さん以外に2人の日本人トレーナーがいます。
まず、渡邊誉さん(50)。野茂英雄さんや前田健太投手、横浜DeNAベイスターズなどを担当してきた大ベテランのトレーナーです。
そして、神谷努さん(32)。現在、マイナーの3Aからメジャー昇格を目指しているということです。
いつかメジャーで3人そろってワールドシリーズ制覇を目指したいという話をしているそうです。
大越健介キャスター
「選手からすれば、大事な体を預ける相手。選手から信頼を集めているようで、どれほど努力をして信頼関係を築いてきたのかが分かります」
改めて日本人トレーナーの技術の高さを感じました。
(2026年4月21日放送分より)
