「安全保障のデータが海外のサーバーを経由し、海外企業の技術に依存していいのか」参政議員が問題提起 小泉防衛大臣の答えは

速報,会見
参政党・川裕一郎議員
【映像】小泉大臣「思いは同じ」 “情報主権”めぐり議論
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 22日の衆議院の連合審査会で、参政党の川裕一郎議員が、自衛隊など安全保障の情報システムが海外企業に依存している問題を取り上げた。

【映像】小泉大臣「思いは同じ」 “情報主権”めぐり議論

 川議員は「今や通信インフラ、クラウド、OS、半導体、暗号技術に至るまで、私たちの社会の基盤は海外企業とりわけ同盟国企業に大きく依存をしています。その上に成り立っている自衛隊の指揮通信情報システムも少なからず海外製品や海外のクラウドに依存をしています。この状況で本当に日本として情報主権は確立をされているのか。まず大臣の率直な認識を伺いたい」と切り出した。

 そして「今回の国家情報会議設置法案は各省庁に分散している情報を集約し、分析・評価を行い、政府全体として的確な意思決定を行うための仕組みだと説明をされています。しかしその前提となる元データ、基盤技術、クラウド環境自体が海外のプラットフォームに大きく依存している限り、最終的な判断も相手の都合に左右されかねません。そこでお聞きします。防衛省として情報主権とは何か。どの状態をもって自立した情報主権が確立されたと言えるのか。加えて現状の対外依存の程度を踏まえた上で、日本の情報主権は現在どの段階にあると認識をしているのか」と質問した。

 小泉進次郎防衛大臣は「防衛省としては各種手段により入手した情報の分析結果に基づき、適切かつ迅速に政策決定や自衛隊の部隊運用を行うこととしているところ、何より重要なことは、このような意思決定を支える情報の質を向上させることであると考えています」としたうえで、「アメリカ等の諸外国との協力は情報分析の質を向上させるためには重要でありますが、防衛省としては我が国としての情報能力を向上させることも非常に重要であると考えている。例えばスタンドオフ防衛能力の運用に必要となる目標情報等を収集するために、国産衛星で構成される衛星コンステレーションを活用した画像情報等の取得を行うなどの取り組みを行っています」と答えた。

 川議員は「(日本の情報主権が)どの段階にあるかというのは具体的にはまだわからない状況であった」とこの部分の答弁が無かったことを指摘。

 そして「いくら立派な国家情報会議を作っても、その土台となる通信インフラ、クラウド、半導体、AIの基盤などコアの技術が海外依存のままであれば、日本の情報主権は根本から脆弱なままだと考えます。とりわけ安全保障や機微情報を扱うシステムについては、日本の法律が及び、日本の責任で守りきれる国内のインフラを整備することが不可欠だと考えています。データは第二の資源とも言われますが、その資源が常に海外のサーバーを経由し、海外企業の技術に依存しているようでは、本当の意味での主権国家とは言えません。また生成AIや大規模言語モデル、衛星コンステレーションなど新しい技術基盤も急速に立ち上がりつつあります。これらが全て海外プラットフォームに握られてしまえば、日本の安全保障判断そのものが将来的にアルゴリズムとプラットフォームを握る他国に左右されるリスクがあります」と懸念を示した。

 そのうえで「防衛省としても単に利用者として海外サービスを使うだけではなく、プレーヤーとして日本の基盤技術を育てる側に回らなければならないのではないでしょうか。さらに申し上げれば、情報インフラの国産化、国内完結は安全保障の課題であると同時に日本の産業と地方経済を再生させる絶好のチャンスでもあります。国内クラウドセンター、半導体工場、量子AI研究拠点、光ファイバー、海底ケーブル網などへの投資は、地域に雇用と技術コミュニティを生み、地方から日本の安全保障を支える産業基盤にもなり得ます。私はこうした長期ビジョンを持ってこそ情報主権の確立と国づくりが一体となると考えます」との見解を述べた。

 そして「防衛省として安全保障上重要なデータやシステムについて、将来的にどの程度まで国内クラウド、国内半導体、国産AI基盤への移行を目指すのか。国家情報会議の設置と併せてこうした情報インフラの国産化、国内完結に向けた中長期の投資育成戦略を、防衛省として政府全体に積極的に提起し、指導していくお考えがあるのかお聞きをします」と質問した。

 小泉大臣は「先生と思いは全く同じです」と同調したうえで、「いかに国産のものを高めていけるか、その思いと方針でやっていきたいと思いますし、今、私の下で防衛省はAIチームがありまして、AIチーム長を筆頭に今後の防衛省の中での活用、そしてまた今、様々な軍事的な状況、世界で見ていましても、統合運用というものがいかにAIが活用されて、迅速な意思決定につながっているか、これ抜きには今後の安全保障の確立というものは考えられない時代に入っていると思っています」と述べた。

 続けて「データとAIを駆使した戦い方に対応していくためには、抗堪性の高い通信ネットワークや大量の情報を蓄積処理可能なデータ基盤が不可欠だと考えています。そしてここで取り扱う我が国の機微なデータの取り扱いについては、セキュリティ安全性のみならず、我が国のコントロールの下で運用管理するという主権性をいかに確保していくことができるかというのが不可欠であります。こうした考え方を前提に高市政権で進めている日本成長戦略の検討の一環として、我が国の機微なデータのクラウドにおける取り扱いについて、内閣官房を中心に政府として検討を進めています」と答えた。

 続けて「また戦略17分野の1つであるAI半導体分野においては、防衛は官需主導での開発・活用を積極的に進めるべき分野の1つとして検討が行われているところです。防衛省としても防衛力の強化に取り組みつつ防衛と経済の好循環を実現するため、引き続き政府全体の議論に積極的に貢献してまいりますし、AI関連のスタートアップや国内の企業に対しても我々の明確な意思・コミットメントがしっかり伝わるような機会をこれからも創出したいと思っています」などと述べた。

 川議員は「検討という話がありましたけれども、ぜひとも形になるようにご尽力いただきたい」と述べて次の質問に移った。(ABEMA NEWS)

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