22日の衆議院内閣委員会で、参政党の川裕一郎議員が、スパイ防止法案の秋の臨時国会への提出を政府が見送る方針、と一部で報じられたことについて質問した。
川議員は「一昨日、『スパイ防止法制の国会提出この秋見送り、来年の通常国会以降で調整』との見出しの記事を確認しました」と切り出した。そしてスパイ防止法案と国家情報会議設置法案は“車の両輪”で、同じ政治日程で一体的に議論するイメージだったと指摘。「なぜ国家情報会議だけ先に審議をし、スパイ防止法制を後ろ倒しにするアンバランスな形になったのか。表現の自由や人権への配慮が理由だったというのであれば、それこそ法案を国会に提出をして条文を磨き、公の場で議論すべき。懸念を理由に法案提出そのものを遅らせるのは、国会での議論と国民の知る権利を避けているのではないかと考えます」と述べた。
そして「インテリジェンス・スパイ防止関連法制の先送り判断について、法理的な問題なのか、与党内の政治判断なのか、あるいは世論への配慮なのか具体的な理由を明確にお聞かせください」と質問した。
これに対し木原稔官房長官は「報道は承知をしているところですが、政府として申し上げるのはこの秋の臨時国会、あるかどうか分からない臨時国会でありまして、そこでインテリジェンス改革の関連法案を提出することを予定したという事実がまずございません」と報道を否定した。
そのうえで「外国による不当な干渉の更なる防止の方策については、他のインテリジェンス機能強化の関連施策とともに関連する論点や課題を整理しているところで、現時点ではその検討状況やスケジュール感についてもお示しできる段階ではありません」などと述べた。
川議員は「このスパイ防止法制が遅れることによってのリスクをお聞きしたい。私たちは今、まさにハイブリッド戦、情報戦の時代に生きています。外国勢力による影響工作や技術流出、人材スカウト、政財官学への浸透はきょうもこの瞬間も進んでいると見なければなりません。スパイ防止法制の整備が1年遅れるということであれば、その1年間は外国情報機関による工作活動や防衛産業、大学、企業からの先端技術の流出、自衛隊や官僚、政治家への不透明な働きかけに対して、日本が現在より強い法的対応をとれない期間がそのまま延びることになる。万が一この空白の1年の間に取り返しのつかない国益の棄損が生じた場合、あのとき法案を出しておけばよかったということでは済まされない」と指摘。
そして「政府はこの1年のリスクをどう評価し、その重みを本当に理解した上で、いつまでに有識者会議の議論を終えて、いつまでに法案要綱をまとめ、どの国会で提出するのか。 具体的な工程表を国民の前に示すつもりはあるのか」と質問した。
木原官房長官は「委員の問題意識は共有するものであります。外国勢力による我が国への意思決定の不当な干渉の更なる防止の方策に関しては、現在各党のご提言等もいただいているところであり、御党も法案を提出されたことですから、様々な考え方に基づき、様々な事項が今示されているところであります。政府としては関連する課題や論点を整理し、現時点でその検討状況などをお示しできる段階ではないということをまず御理解をいただきたい」と述べた。
そのうえで「外国による不当な干渉の更なる防止方策を含むインテリジェンス機能強化の関連施策の中には、国民の権利義務に関わり、その影響をよく考慮した上で制度設計や施策立案を行うべきものも含まれ得るところではありますので、慎重に検討を進めなければならないと考えている」などと答えた。(ABEMA NEWS)
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