「軍拡といった言葉で不安を煽るのは適切でない」「私の質問を歪めるのはやめて」宇宙防衛めぐり小泉大臣と共産・田村氏がバトル 質問中のヤジを注意する場面も

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共産・田村委員長
【映像】質問中のヤジを注意した瞬間(実際の様子)
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 24日の衆議院安全保障委員会で、共産党の田村智子委員長が「宇宙の軍事利用」を批判した。

【映像】質問中のヤジを注意した瞬間(実際の様子)

 田村議員はまず「防衛省が昨年7月に公表した宇宙領域防衛指針では『相手の指揮統制・情報通信を妨げる能力の本格的な運用』ということまで掲げています。通信や偵察にとどまらず、宇宙を主要な戦闘領域とみなして本格的に軍事作戦に利用していくということですね」と切り出した。

 そして、2020年に日本などが共同提案、採択された国連の“宇宙空間における責任ある行動に関する決議”は「全ての加盟国に対し、軍拡競争や紛争のない平和的な宇宙空間を維持するための行動や意思疎通の枠組みを構築することを求める」決議だとしたうえで、「日本政府自身が提案した決議に反することになっていくんじゃないでしょうか。宇宙にまで軍事利用ということを広げていくことは」と問いただした。

 これに対し小泉進次郎防衛大臣はまず、「そもそも厳しい安全保障の現実を無視して、必要な防衛力強化の取組について、ことさら軍拡といった言葉で不安を煽るような議論は適切ではないと考えています。まるで他国は防衛力強化をしていないのに日本だけがしているかのような前提でお話をされることは全く事実と違います」と述べた。

 そして「この宇宙領域については、我々以上に、海外ではすでに宇宙領域のことを新たな戦場とすら表現をするような国も出てきていることも現実であります。その中で今回、我々は航空自衛隊を航空宇宙自衛隊という形で改編をし、令和8年度にはSDA(宇宙領域把握)衛星の打ち上げ等により自衛隊の宇宙領域把握能力が一層強化され、相手方の指揮統制・情報通信等を妨げる能力の本格的な運用が可能となる。こういった能力強化をすることは国民生活や平和な暮らしを守り抜くために必要な施策である」とし、「ご指摘のような宇宙の軍拡競争を加速させるものではないと考えている」と答えた。

 これに田村議員は「私の質問を歪めて言うのはやめていただきたいんですね」と返すと、議場はざわつき、ヤジも飛んだ。田村議員は続けて「世界が軍拡をしていないなどということは一言も言っていません。そういう軍拡の競争をやめていくほうに日本は働きかけるべきではないんですかという立場で質問をしている。そして今、直視すべき現実は、この国際社会に最も安全保障の環境を崩しているのは、『国際法は私には関係がない』と言っているトランプ政権ではないのか。無法な戦争、無法な武力攻撃を繰り返しているわけです。そして宇宙を戦場だという国まで出てきたときに、そこに追随していいのかが問われているんです」と述べたところで、ヤジがおさまらないため、「静かにしていただけませんか、大事な問題ですから」と注意した。

 さらに「宇宙を戦場にまでしていいのか。そこに追随するのか、そこに歯止めをかけるのかが求められているんですよ。トランプ政権は今、ゴールデンドーム構想だと言って発射直後のブースト段階のミサイルを、宇宙空間から攻撃・迎撃する、宇宙から攻撃する、まさにこの軍事利用のための能力開発にまで踏み出している。一体いくらかかるかもわからない。そこに日本が加わっていくのか、資金提供するのか、そんな軍拡にまさに乗り出していけば暮らしのための予算はどうなるのか。こういうことが問われていくわけです。宇宙での喫緊の課題は宇宙デブリの除去を国際連帯で進めるなど、平和的で安定的な宇宙空間の維持であって際限のない軍拡競争に追随加担するのではなく、宇宙の平和利用決議に立ち戻り、宇宙の軍事利用を制限縮小するための外交に努力するよう強く求めるものです」と述べて質疑を終えた。

 「航空自衛隊」を「航空宇宙自衛隊」に改編する防衛省設置法などの改正案は、このあと委員会で可決された。(ABEMA NEWS)

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