「老化は制御可能」科学的な裏付けのある予防方法とは? 健康寿命を延ばす最新研究

「老化は制御可能」科学的な裏付けのある予防方法とは? 健康寿命を延ばす最新研究
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 これまで、老化は避けられないものと考えられてきました。しかし、最新の研究で老化をコントロールできる可能性が見えてきています。さらに日常生活で老化の進みを遅らせる方法も調査しました。

【画像】老化の12要因とは?

平均寿命はさらに延びる?老化研究の最前線

 日本人の平均寿命は男性が約81歳、女性は約87歳ですが、44年後にはこの寿命はさらに伸びると見込まれているんです。

順天堂大学大学院
南野徹教授

「健康な寿命を伸ばすという意味で老化を制御することは可能だと思います」

角澤照治アナウンサー
「このまま(寿命が)100歳まで行くなんてことはあり得るんですか?」

順天堂大学大学院 南野徹教授
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南野教授
「100歳はあり得ると思います」

 どうしたら私たちは、健康に長生きできるのか。老化を治療する最新の研究を調査しました。

 今回教えてくれるのは、老化について30年以上研究を続ける順天堂大学大学院・南野教授です。

角澤アナ
「私も先日、55歳になりまして。老化って言われると他人事じゃないんですけど、そもそも老化っていうのはどうやって起きるものなのか?」

南野教授
「老化を促進するいろんな因子があるのではという研究が、この30年くらいだいぶ進んできていますね」

老化の12要因とは?
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 これまで老いるのは生理現象と認識されてきましたが、「老化は介入できるもの」という認識も広がってきています。最新の研究によれば、老化には12の要因があるそうです。中でも、近年研究が進んでいるのが「細胞の老化」だといいます。

南野教授
「酸化ストレスとか、色々なストレス毎日あるじゃないですか。どうしても我々の細胞にはどうしても傷が入るんです。それが最終的には老化(細胞)になるんですけど…」

必要のない老化細胞
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 人の細胞は分裂しながら成長し、これ以上分裂できなくなった細胞を老化細胞と呼びます。本来なら、必要のない老化細胞は免疫機能によって取り除かれますが…。

南野教授
「高齢者とかメタボの方だと、老化細胞を除去する力が弱まっていて(老化細胞が)たまっていくと慢性炎症が起きるんです。慢性炎症が血管で起きれば動脈硬化になったり、慢性炎症が心臓で起これば心不全になったり」

 老化細胞がたまってしまうと、いろんな疾患を患い、私たちの体は老いていくのです。

ワクチン「見た目変わる」

 老化のカギを握る「老化細胞」。それを取り除く研究が今、進んでいるそうです。

南野教授
「ワクチンを作ったんですよね。免疫を強くして老化細胞を自分の力で取り除かせるような」

 マウスにワクチンを打つと、こんな結果がありました。

南野教授
「少し高齢のマウスですね。体が弱い、立ち上がったり、速く歩けない。そういう状況ですが、ワクチンを打つとそうなりにくい」

角澤アナ
「マウスの見た目も変わるんですか?」

マウスにワクチンを打つと…
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南野教授
「やっぱり毛並みが良くなるんですよね。だんだん年をとると体重って人も減るじゃないですか。マウスの場合も最後減っていくんですけど、体重も減りにくい」

 さらに、ある病気に使われている薬が、老化細胞を除去してくれる可能性があるというんです。

SGLT2阻害薬
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南野教授
「SGLT2阻害薬。今、糖尿病の患者さんに使う薬なんですけれども、糖が尿に少しずつ漏れるんですね。具体的には300キロカロリーから400キロカロリーくらい外に出ると言われていて、老化細胞に対する除去効果があるのではというのを、一昨年に研究成果を発表したんですけれども」

肥満のマウスに投与すると…
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 この薬を肥満のマウスに投与すると、内臓脂肪にある老化細胞が減り、糖尿病や動脈硬化などの改善が見られたといいます。

角澤アナ
「実用化に向けては?」

南野教授
「主に75歳以上の高齢者の方でそういう病気がある方に、臨床研究を行っております」

 果たして私たちが、こうした老化を予防するための治療を受けられる日は近いのでしょうか。

南野教授
「老化に対する治療は、予防的なものですよね。予防的なものには医療費は投入されないんです。まだ。保険適用にならない。老化に病名をつけてしまうと、ものすごいことになります。例えば日本の場合だと、医療費が」

食事は「夜を減らす」

 なかなか、老化の治療が現実的でない中、重要なのは体に老化細胞をためすぎないようにすることです。

角澤アナ
「老化細胞を蓄積させないようにするためにはどうしたらいいか、伺いたいです」

南野教授
「腹8分目です。カロリーを少し制限する」

カロリー摂取を25%制限する実験で
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 アメリカでは、カロリー摂取を25%制限する実験を行ったところ、老化のスピードが2~3%下がったという研究結果も出ているんです。さらに、カロリー制限に効果的な方法があるようで…。

南野教授
「朝昼晩、少しずつ減らすのではなくて、我々の生活でいうと夜をすごく減らしておけば、夜間若干空腹になりますよね。空腹状態になると、(細胞の)傷の原因となる酸化ストレスも減る。老化細胞の蓄積は抑制されると思います」

角澤アナ
「おなかがすく時間を作らないといけないってことですね」

南野教授
「朝食がおいしく食べられるかどうかが目安になると思います」

空腹になっている時間を長くすると…
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 実際に、一日の食事を早い時間に済ませ、空腹になっている時間を長くすると、老化細胞の原因でもある酸化ストレスが低くなるという研究結果もあります。そのうえ、重要だというのは…。

南野教授
「運動ですよね。運動している方はストレスがやっぱり少ないので。結果的に(染色体に)傷が入りにくい」

 運動習慣がある人ほど、老化細胞が蓄積しにくい。そんな研究結果も出ているようです。おすすめの運動法は何なのでしょうか。

無酸素運動を先に、有酸素運動を後に
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南野教授
「それを研究されている方によると、無酸素運動(筋トレなど)を先にやって、有酸素(ランニングなど)を後にやって自律神経系の緊張をほぐすことが推奨されているようです」

角澤アナ
「一般的に言われていることではありますが、最新の研究でそれが裏付けされたということですね?」

南野教授
「科学的に裏付けされていますね。どういう機序でいいかというのが分かってきているので、非常に重要だと思いますね」

 健康で長く生きるために、資産家たちが、巨額の資金を投資し、ノーベル賞受賞者山中伸弥教授とタッグを組む企業もあるそうです。

(2026年4月13日放送分より)

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