“春グマ”居座り緊迫の瞬間 目撃は4倍増 独自検証…市街地クマ、人間の行動把握か

“春グマ”居座り緊迫の瞬間 目撃は4倍増 独自検証…市街地クマ、人間の行動把握か
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 春になって冬眠明けのクマの出没が市街地でも相次いでいます。北海道では300キロを超えるという巨大なクマが捕獲されました。

【画像】車のライトにも動じないクマ 仙台市

「こんなに太っているのは初めて」

 北海道北部の苫前町で、地元猟師が撮影した映像です。

 箱わなにかかった巨大なヒグマ。姿勢を低くして大きなうなり声を上げます。

北海道苫前町
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 次の瞬間、撮影者に飛び掛かるように突進。人の顔ほどもある、大きく分厚い手には鋭い爪が。撮影者がわなの横に回ると、うなり声を上げながら再び突進してきました。

ベテランのハンターも、驚くほどの大きさ
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 捕獲したヒグマの体長は2メートル15センチ。体重は約330キロ。長年、野生のヒグマと対峙(たいじ)してきたベテランのハンターも、驚くほどの大きさだといいます。

 うなり声を上げ、飛び掛かるような仕草を繰り返す巨大ヒグマ。カメラにヒグマが映っていたため、25日に人里に箱わなを設置したところ、深夜、暗闇の中から現れた巨体が吸い込まれるようにわなの中へ。

 捕獲されたヒグマについて、ベテランハンターは「春に見てきたヒグマの中では最大」「こんなに太っているのは初めて見た」といいます。

 苫前町では今、冬眠から明けたクマの目撃が相次いでいます。国道で撮影された映像には…。

女性
「やば…がちクマ」

男性
「本物だ」

 体長約1メートルのクマが、何度も振り返りながらゆっくりと斜面の奥へ。

「逃げる感じではなかった」
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クマを撮影した人
「何かの新芽が出ていたと思うんですけど、最後お座り状態で何か食べていた。逃げる感じではなかった。焦って。人間には慣れているんじゃないかと」

目撃は4倍増

 秋田県でも“春グマ”が出没しました。

 秋田市の高齢者施設に現れたクマ。こちらを振り向くと、草をほおばっています。“居座りクマ”を目の前にした職員は…。

秋田市の高齢者施設
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「(ドアは)閉まっているよね?怖い、怖い」
「やだ、ちょっと」
「見える、見える、上から。鍵かけとく、ちょっと鍵。今あっちにいったから鍵かけとく。でかい。あれはなに、成獣なの?」
「成獣だね」
「成獣?」

 住宅街に設置された防犯カメラにも、姿が映っていました。

去年の同じ時期の4倍
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 今月、秋田県でのクマの目撃情報は約340件。去年の同じ時期の4倍と、異例の事態となっています。

裏路地に隠れて…

 19日、市役所や県庁にも近い仙台市のまさに中心部にあるマンションに、クマが10時間以上居座り、その後捕獲されました。

 なぜ、市街地にクマが現れたのでしょうか。クマの生態に詳しい岩手大学農学部・山内貴義准教授とともに現場を訪れました。

仙台市のマンションに…
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「いろいろ徘徊(はいかい)して、最終的にここに落ち着いた感じ。本当は帰りたいと思ったと思います」
「ビルとか高い建物が多いので、一度裏の路地とかに入っちゃうと隠れる場所はたくさんある」

クマにとっては隠れやすい場所
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 山内教授によれば、市街地はビルや建物が多く、クマにとっては隠れやすい場所。市街地を徘徊したクマが最終的にこの場所にたどり着き、帰れなくなったのではないかといいます。

 19日未明、マンションで撮影されたクマ。その2時間半前、18日午後11時ごろの映像には、画面右奥にヘッドライトに照らされた黒い影。近づいてきたのはクマです。マンションにたどり着く前のクマとみられる映像が、防犯カメラに映っていました。

 クマが映っていた場所は、捕獲されたマンションから徒歩10分ほど。

捕獲されたクマ
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 仙台市によると、捕獲されたクマの体長は約150センチ、体重は125キロだといいます。

 防犯カメラに映ったクマを見た山内准教授は、このように話します。

「完全な大人の体格です。冬眠明けで、この体重は考えられない」
「結構、頻繁に森から出たり入ったりを繰り返して、徐々に街の中のほうに慣れていった可能性はある」

「市街地慣れしたクマ」か
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 防犯カメラの映像から、このクマは「市街地慣れしたクマ」である可能性を指摘。

 街に慣れたクマとは一体?

人間の行動把握か

車のライトにも動じないクマ 仙台市
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 こちらは去年11月、青森の役場に迷い込んだクマの映像。このように人間の生活エリアに迷い込んだクマは、パニック状態になることが多い中、今回のクマはセンサーライトにも反応せず、車のライトにも動じない様子が映しだされていて、市街地の明かりなどに慣れているようにも見えます。

 さらに、さかのぼってクマの足取りを追います。18日午前5時半ごろ、近くの神社で目撃情報があったといいます。神社へ向かってみると…。

クマの足取りを追うと…
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「ここで多分、しばらくはいたのかなと思いますね。草とかを食べて」
「こういった街中、公園とか神社とか緑が多いので、そういったところを転々としながら徐々に街中深くに入っていく」

 今回のクマは、街中にある神社や公園などを休憩場所としながら市街地へ移動してきたと分析。

夜間に行動するクマ
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「街中に頻繁に出てくるクマは、人間活動の時間帯をちゃんと把握しているので、そういった(日中の)時間帯を避けて行動する」

 「人間の行動時間を把握し、夜間に行動するクマ」は、一体どこから現れたのか。青葉区の市街地と隣接する青葉山の近くを訪ねてみました。

「(青葉山がある)川の向こう側がクマの生息地にはなっています。あっちのほうでは結構、頻繁にクマは目撃されているので、川を伝ってきたか、もしくは森林から渡ってきたのかなって」

 近年、仙台市青葉区周辺ではクマの目撃情報が頻発。

青葉山から…
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 去年11月には広瀬川沿いの住宅敷地内に2頭のクマが出没。2020年にも、青葉山にある東北大学付近で目撃されていました。今回、市街地に出没したクマも青葉山から出てきたのでしょうか。

「(青葉山で)ほぼ間違いないと思います。山もつながっているし、川もあるしってことなので」

 今回のクマの生息地は、市街地のすぐ近くにある青葉山の森林だと分析します。

対策グッズ持参 AI導入も

 では、なぜ春に市街地に現れたのでしょうか。

「やはり餌(えさ)が去年秋に少なくて、餌を探して行動範囲を広げざるを得ない状況になってしまった。ここ数年間じわじわこういったことが進行していたのかなと」

近隣住民
「街中に結構近い所なので、まさかこんな所に出るとはという驚きはありましたね。完全に他人事だと思っていました」

 近隣住民から驚きの声が上がる中、観光地では大型連休に向けたクマ対策が取られています。

大型連休に向けたクマ対策
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天守閣自然公園 早坂智博代表
「害獣が入ってこられないように敷地全体にこの柵を巡らせて、山の斜面を定期的に刈り払いして、獣たちの隠れ場を極力ないように山全体を保全する」

 公園に併設されたキャンプ場を訪れた人の中には、自主的にクマ対策グッズを持参する人の姿もありました。

「クマの出没ニュースが去年から多いし、春先で冬眠から目覚めたクマも出てきているんじゃないかと」

 市街地にも出没し始めたクマ。

人工知能でクマを自動判別
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 仙台市は、北陸地方などで導入が進む人工知能でクマを自動判別する「AIカメラ」を導入すると発表しました。

仙台市 郡和子市長
「しっかりと緊張感を持って、市民の皆さまの安全安心を確保できるようにしていかないと」

(2026年4月29日放送分より)

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