5月2日、ボクシング史上最大のビッグマッチがあります。スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥選手(33)と3階級制覇王者の中谷潤人選手(28)による真の最強を決めるための戦い。その舞台裏に密着しました。
中谷の強さの原点はロサンゼルス
決戦まで397日の去年3月31日。ボクシング年間表彰式の壇上で、井上選手から突如、宣戦布告を受けたのは、この時、井上選手の1つ下の階級で王者だった中谷選手。
井上選手
「中谷くん1年後の東京ドームで、日本ボクシング界を盛り上げよう」
中谷選手
「ぜひやりましょう」
中谷選手は強力な左パンチを武器に、無敗で3階級を制すると、井上選手との最強対決を求める声が高まっていました。
中谷選手
「(Q.井上選手から名指しですよね)ずっと意識していたのでうれしい。勝つために過ごしていきたい」
決戦まで365日。中谷選手の強さの原点は、アメリカ・ロサンゼルスにありました。
中谷選手が単身、ロサンゼルスに渡ったのは15歳の時。決して安全とは言えない下町で、恩師であるルディーさんの家に住み込むと、すべてをボクシングに捧げました。
それは王者になった今も同じ。中谷選手が井上戦を見据えた準備を始めたそのころ、同じ西海岸にあるラスベガスはモンスターの上陸に沸いていました。
ロサンゼルスで試合を見る中谷選手。すると、井上選手が左フックでまさかのダウン。それでも井上選手はピンチから立て直し、8回TKO勝利。
中谷選手
「(Q.井上選手と戦うイメージで見ていた?)より濃くしてます。危機的状況に陥っても冷静に組み立てられる調整力。自分のボクシングを理解されたら次が通じなくなる。(武器が)一つだけじゃだめだなって」
Sバンタム級で感じた新たな課題
決戦まで330日。中谷選手が主戦としてきたバンタム級での戦いは、これが最後だと決めていました。井上選手が待つ1つ上の階級へ。
見事勝利した中谷選手。しかし、決戦まで131日となった、スーパーバンタム級に上げた初戦で1.8キロの壁にぶち当たります。
序盤、多彩なパンチで流れをつくると、これまでKOを積み上げてきた強烈な左。しかしタフな相手を仕留めきれません。終盤、相手のパワーに押し込まれると大きくまぶたを腫らせます。右目の視界をほとんど失った中での判定勝利でした。
中谷選手
「たくさんの人が期待してくれている戦い方ではなかったかなと思いますけど、どんな試合でも成長するためにファイターは戦う」
感じた新たな階級での課題。井上戦へ、時は迫っていました。
スピードとパワーを強化
決戦まで38日。決戦前、最後のアメリカ合宿。重りを付けたベストをまとうと、無呼吸での全力シャドー。さらに極限まで下半身を追い込みます。
求めたのは、スーパーバンタム級でKOを生み出すためのスピードとパワーでした。
決戦まで9日の今月23日、井上陣営が見守る中での公開練習。そこには力強さを増した中谷選手の姿がありました。
中谷選手
「すごく幸せです。プロボクサーとしてこの環境に身を置けるボクサーは多くない。世界中が求めてくれている試合なので存分に発揮したい」
(2026年4月29日放送分より)
