
一度は廃業した銭湯が、新たな後継者を得て復活。しかし、イラン情勢による原油高の影響で経営危機に追いこまれてしまった。
【画像】原油高に負けない工夫は…サービスの充実!オリジナルグッズも販売
老舗銭湯が廃業…復活!
東京・調布市にある「鶴の湯」。創業74年の歴史を誇る銭湯だ。地域の人たちの生活に欠かせない場所が今、厳しい現実にさらされている。
「鶴の湯」店主 相良政之さん(27)
「(Q.イラン情勢を巡る原油価格高騰の影響は)銭湯って水道光熱費の比率がすごく固定費の中で大きいんですね。特に燃料費が一番大きい。そこが1.2倍、1.3倍になると、だいぶダメージとして大きくて…」
イラン情勢を巡る原油価格の高騰に頭を悩ませているのが、「鶴の湯」を経営する相良政之さん。
実はこの「鶴の湯」、去年7月末に一度、廃業した銭湯だ。
「(鶴の湯に)自分が客として通っていた場所だったんですけど、去年の7月末に廃業したという話を聞いて、僕も将来銭湯をやりたい、会社を独立して自分でやろうと決めました」
設備の老朽化で廃業した「鶴の湯」を復活させることを決断した相良さんだったが…。
「覚悟はしていた部分はあるんですけど、ふたを開けてみたら想像以上に老朽化が進んでいて。お湯を張ったら玄関まで全部水浸しになるような状態で、調べてみたら配管が手で折れるくらいの傷み具合で…ボロボロになって…」
当初、500万円を想定していた改修費用は1800万円に膨れ上がり、相良さんは1500万円を借り入れしたという。
そして、今月4日。新たに生まれ変わった「鶴の湯」がオープンした。
原油高も 価格転嫁できず
初日には、楽しみにしていたおよそ700人が訪れ、大盛況となった。そんな「鶴の湯」に暗い影を落としたのが、イラン情勢だった。
「銭湯の心臓部でお湯を沸かすガスバーナー、ガスボイラーになります」
銭湯を運営する経費のなかで最も高いのが燃料費だ。
「経営的にはすごく打撃ですね。1.2倍、1.3倍となってくると、100万円超えてくるので…毎月100万円ですからね。とても重たいですね」
燃料が高くなった分、入浴料に転嫁できればいいのだが、料金は法令によって都道府県ごとに定めることが決められている。東京都の大人の料金は、上限550円となっている。
各自治体では、銭湯の経営維持のためにさまざまな補助金制度が整備されているというが、それでも経営が厳しいという。
「組合で価格は上げてくれるんです。ただそこの意思決定とタイムラグがどうしても起きてしまっていて、都内の銭湯は一気に廃業が進むと思うんですけど、こういうこともあるだろうなと思っていたのは正直あって、災害時でも経営が揺らがないように入浴売り上げ以外の、例えばサウナを別料金取っている。なんとかやりくりできているなという感じではあります」
サウナ以外にも、風呂上がりに合うさまざまな飲み物を提供するなど、サービスを充実させている相良さん。入浴客は?
「雰囲気めっちゃいいですね。昔ながらの感じもありつつ、サウナとかもあって通いたいな」
常連客
「大変だな、銭湯は。今は原油が高いからね」
鶴の湯歴30年
「復活した途端に色々石油問題などがあったから、大丈夫かなと思っている」
苦境に立たされながらも相良さんは…。
「最初半年は赤字だろうなと思ってやってはいましたけど、思ったよりお客さんに来ていただいて、僕たちも対策をするので、そこまで悲観的にはなっていない。徒歩10分、15分のおじいちゃん、おばあちゃんがたくさん来てくれていて、こういう人たちに変わらずにずっと銭湯を提供し続けたい。3世代で安心して来れるような銭湯を作りたい」
原油高 乗り切る秘策
原油高の影響を大きく受けながらも、「鶴の湯」の火を絶やさないために、相良さんはさまざまな努力をしているが、原油高に負けないこんな工夫もある。
さまざまなオリジナルグッズを販売して運営費の足しにしている。「手ぬぐい」や「Tシャツ」ほかに「ステッカー」。さらに風呂上りと言えばということで「ビールグラス」も販売している。
手ぬぐいは「鶴の湯」と書かれているが…湯気の揺らぎを感じさせる漢字の中にひらがなでも“つるのゆ”と書かれたデザインになっている。
(2026年4月29日放送分より)
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