【独占密着】井上尚弥、あえて選んだイバラの道 中谷潤人とのボクシング“究極の一戦”に懸ける想い

 5月2日、東京ドームで行われる無敗の日本人同士による運命の一戦。4月30日、井上尚弥選手(33)と中谷潤人選手(28)による試合前会見が開かれました。密着映像をもとにモンスターの本音に迫ります。

世紀の一戦へ舞台裏に密着

先月、井上尚弥選手の長い一日が始まる。東京ドーム決戦へ向けたチーム井上の合宿。

10キロのロングランを終えると、すぐにまだ日が昇ったばかりのゴルフ場でトレーニングを行います。

「疲れましたね」
「(Q.追い込みましたね)練習が5回残っている。普段3日間やっている合宿を今回4日間にする。精神的なもの、強化する部分は」

倒れては立ち上がり、またミット打ち。この日のトレーニングが終わったのは午後6時半でした。

絶対王者にしてここまで自分を追い込むわけは…。

「自分は20歳でチャンピオンになって、そこからずっと一つずつクリアしてきてプライドもある。そんな自分のキャリアをここで傷つけるわけにはいかない。この戦いは負けられない。まだまだ自分がボクシング界を引っ張っていかないといけない」

「スーパーサプライズ」

世界王者となり13年。負けたことのない戦いは、そのまま負けられない戦いの連続でもありました。

一度の敗北の重さを知りながら、日本のボクシングを牽引(けんいん)してきたからこその誇り。そして今、己の牙城に迫ろうとする存在が、中谷潤人選手です。

左の強打を武器に無敗で3階級を制すると、階級の壁を除いた最強の称号、パウンド・フォー・パウンドで日本人では2位の井上選手に次ぐ6位に。最強を決める日本人対決に今、世界が熱い視線を送っています。

きっかけは、去年3月のボクシング年間表彰式で…。

井上選手
「中谷くん、1年後の東京ドームで日本ボクシング界を盛り上げよう」

中谷選手
「ぜひやりましょう」

トレーナー
「びっくりしましたよ」
「スーパーサプライズ」

井上選手
「あそこで発言してしまえば、お互い引けないものもある。実現に向かってすべてが動き出すことを狙って発言しました。日本のファンに限らず、海外のファンからも対戦したらどうなるかという声もあった。同じ階級になろうとしている選手同士がパウンド・フォー・パウンドにランクインしているのは、なかなか訪れない。だったらどっちが強いか決めようと。(今年5月2日の)東京ドームは実際に抑えていました。対戦するまでにこなさないとけない試合は、自分は3試合。中谷は2試合。すごくリスクがある約束」

茨の道も 最強王者の矜持

互いが勝ち続けることを条件に1年後の決戦を誓った2人。それは容易なものではありませんでした。

去年5月、ラスベガスで行われた自身25度目の世界戦。カルデナス選手から左フックを浴び、まさかのダウン。

「あのダウンをネガティブに捉える人もいる。自分の中ではすごく価値ある試合、価値ある経験ができた。無駄にしないように、自分のボクシングに落とし込んでいく」

強豪との戦いは続きます。

去年9月、相手は元統一王者のアフマダリエフ選手。過去最強の挑戦者といわれていた男に対して、フルラウンドでの判定勝利をつかみます。

そのわずか3カ月後にはサウジアラビアへ。世界ランク1位の難敵・ピカソ選手を退けました。

中谷選手との決戦を約束したうえで、あえて選んだ茨の道。そこには…。

「楽な相手では、ベストなパフォーマンスを発揮できない。自分の壁をぶち破るためには、強い相手が必要。自分が危機感を覚える相手、燃える相手、最大限のエネルギーを出せる相手を選んでいきたい」

世界王者として13年。今なお、こだわり続けるのは最強の自分を超えるための戦いでした。

そしてついに、1年の時を経て最強の相手と再会を果たしました。

「お互いに約束を果たすことができた。奇跡に近い運命的なものは感じます。勝ち負けのキャリアがすごく大きく分かれる。それがボクシングの良さでもあって、残酷さでもある。だからこそ、見る人があれだけ熱狂する。自分と中谷が戦えば、どんな試合を見せようじゃなく、絶対楽しい試合になる」

「澄み切った境地で…」

大越健介キャスター
「ヒリヒリするような緊張を2人も持っているでしょうが、格闘技だから恐怖心も絶対無縁ではないと思う。それを超越した、澄み切った境地でリングに立つ2人。こちらも緊張します」

いよいよ5月2日に決戦となります。

(2026年4月30日放送分より)

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