錦織圭が引退発表 「第二の青春をくれた人」師・松岡修造が振り返るテニス界を塗り替えた18年 攻め抜く“前へ”の真髄

 日本が世界に誇るテニスプレーヤー・錦織圭選手(36)が自身のSNSで今シーズン限りでの引退を発表しました。

大越健介キャスター
「かなり、松岡さんにとっても心に響くニュースだったんじゃないですか」

松岡修造さん
「決断したんだなって。でも、僕が言いたいのは、錦織圭選手のテニスは世界を変えたということです」

引退発表「やり切った」

 錦織選手が1日、自身のSNSで今シーズン限りでの引退を表明しました。

「今日は皆さまにご報告があります。このたび、今シーズンをもって現役を引退する決断をいたしました。これまでのすべてを振り返ったとき、『やり切った』と胸を張って言える自分がいます」

 この発表に錦織選手の地元・島根県松江では…。

「まあ頑張った。錦織圭という名前を世界中に広めたから」
「松江の誇りでいい選手が出てくれたと思ってましたけど、本当に惜しいなと」

 共に日本のテニスを引っ張ってきた大坂なおみ選手(28)は、SNSに次のように投稿しました。

「圭がどれだけ私に影響を与えたか、彼は知らないでしょう。幼いころはいつも彼の試合を見て、同じようにプレーしたいと思っていました」
「またダブルスを組めたらいいですね!」

 男子プロテニス協会、ATPは公式SNSで「THANK YOU,KEI」と錦織選手の功績を称えました。

テニス人生の軌跡

 5歳でテニスを始めた錦織選手。11歳の時に松岡さんが主宰する、有望なジュニア選手の強化合宿「修造チャレンジ」に参加します。

 さらに13歳で、拠点をテニスの本場・アメリカへ。世界のエリートが集うアカデミーで成長していきました。

 すると2008年、18歳でATPツアー初優勝。その後も、代名詞「エア・ケイ」を武器に、2012年には4大大会で初めてベスト8に進出します。

錦織選手
「自分のテニスが180度までとは言わないですけど、すごく変わっているのは感じていて。技術というよりかは戦い方が」

松岡さん
「戦い方?」

錦織さん
「これまでは攻めて攻めて、勝つか負けるかはその日の調子というのがずっとだったんですけど。今は相手にリスクを負わせる。できるだけ安定して後ろで様子を見て、チャンスがあれば自分から攻めて。相手の隙を見て狙っていく。勝ち方が分かってきたのかなというのは感じますね」

 そして2014年。4大大会の一つ、全米オープンで準優勝の快挙を成し遂げると、アジア勢最高となる世界ランキング4位まで上り詰めます。

松岡修造が語る錦織圭のすごさ

 そのすごさを見ることができたのが、リオオリンピック。ナダル選手(当時30)との3位決定戦だった。

松岡さん
「錦織選手はコートの内側に入ってどんどん速いペースで攻めていく。このような選手は今まで僕が見ていていなかったんです。ある意味、世界のテニスを変えていくきっかけになったわけですね。この速いテンポ、しかも多彩なプレー。ナダルとかジョコビッチとかみんなが彼のテニスをある意味まねているんです。本来、もっとコートの後ろでプレーしていたのが変わっていく。世界を変えちゃったというのがすごかったですね」

大越キャスター
「プレースタイルが実は世界のトッププレーヤーたちが学ぶ姿だったと」

松岡さん
「こういう試合を見ていると、日本の方がナダルやフェデラーなどみんな知ってる選手に、世界のテニスを錦織選手が広めてくれたという感じがありますね」

徳永有美キャスター
「でも、前に出るって簡単なことじゃないですよね」

松岡さん
「それはできないとみんな思っていたんです。それを彼が成し遂げたから、みんながそのテニスをまねていった。そして、この試合も勝ったんです」

【2016年リオ五輪 3位決定戦後の取材】
松岡さん
「(五輪)3回目でしたけど、圭にとってどんなものでした?」
錦織選手(当時26)
「以前とは全く違いましたね。自分自身のレベルが上がって経験を積んでメンタル的にも強くなっているし、テニスもずごく充実して今回は来てたので、何もかもレベルアップして迎えれたリオオリンピックでした」

日本テニス界の歴史を大きく塗り替えた

 錦織選手は、多くのけがに苦しみながらそのたびに復活を果たし、積み重ねたツアー優勝は12回。

 4大大会ではアジア男子史上初の決勝進出、ベスト8以上は12回、日本テニス界の歴史を大きく塗り替えました。

錦織選手のSNSから
「小さい頃からテニスに夢中になり、『世界で戦いたい』という思いだけを胸に走り続けてきました。その中でトップの舞台に立ち、トップ10という場所までたどり着けたことは、自分にとって大きな誇りです」
「度重なるけがとの戦いの中で、思うようにプレーできないもどかしさや、不安に押しつぶされそうになったこともありました。それでも『テニスが好きだ』『もっと強くなれる』という思いが、何度でも自分をコートに戻してくれました」
「正直に言えば、今でもコートに立ち続けたい気持ちはあります。残りの試合も、一瞬一瞬を大切に、最後まで戦い抜きます」

松岡修造「第二の青春をくれた人」

徳永キャスター
「ずっと見守ってきた修造さんは、この引退をどんなふうに受け止めますか?」

松岡さん
「正直に言いますね。この決断は相当、彼にとって葛藤があったはずです。理由は一つです。錦織圭は今でも世界のトップレベルで戦えるテニスを持っています。しかも、最近のテニスを見ていて伸びしろっていうんですか、今まではしなかったサーブ&ボレーとか、もともと持ってたテニスを楽しむというモチベーションが全くなくなってないんですよ。ですが、体がいうことをきかなかった。いい状況になるとけがで離脱していく、その繰り返し。体に聞いた時に一線を引かざるを得ないという決断だったのかなと思います」

大越キャスター
「『やり切ったという思いはあります』というコメントでしたけど、まだやりたいという気持ちも伝わってきますよね」

松岡さん
「そうですよ…。でも、今の映像を見ていて思ったのは、やっぱり錦織圭選手は僕に第二の青春をくれた人です。一つのセカンドドリームを彼が駆け上がっていく。僕も追いかけていくという。今まで見られなかったテニスを世界っていうものに連れて行ってくれたんですよ。僕はある意味、感謝しかないですね」

大越キャスター
「映像を見ていて思ったんですけども、少年時代の錦織選手とリオデジャネイロオリンピックで銅メダルをとった時の錦織選手、生意気なことを言うようですけどラケットを振り切る力も渾身の力で振り切る力、その姿は小さい時とプロになってからの姿と同じだなと思って見ていたんですよね」

松岡さん
「大越さん、素晴らしいです。変わらないから。何が変わらないかってテニスを楽しむゲームのようにプレーができるってこんな人いなかったんですよ。だから、ちょっと失礼だけど彼が現役を本当に退いた時に彼のすごさが本当に分かるという気がするんですね」

大越キャスター
「2019年の全豪オープンを僕、実は見ていたんです。ジョコビッチ選手に準々決勝で負けたんですけど、それまでの試合、全部大接戦で。ものすごい長い時間を渾身の力で戦い抜いて観客が錦織選手の味方になってくるんですよね。そういう力を自然と発するような引き付けられるようなそんな選手だったなと思いました」

松岡さん
「その通りです。ただ言いたいのは、このままじゃ彼は終わらないですよ。今、充電してるんですよ。何かみんながビックリするような結果も含めて、テニスも含めて必ず錦織圭は披露してくれますね」

(2026年5月1日放送分より)

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