【報ステ解説】高市氏 来年春までに『発議にメド』 憲法改正の“現在地”は?

【報ステ解説】高市氏 来年春までに『発議にメド』 憲法改正の“現在地”は?
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自民党が“念願”としてきた憲法改正の実現へ自民党総裁の高市総理が来年春までに「発議にメドをつけたい」と時期を区切ったうえで、意欲を示しました。憲法改正の手順、そして、いまどこまで議論が進んでいるのでしょうか。山本志門政治部長に聞きます。

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憲法改正に向けた法律で定められた国会手続きの仕組みです。大きく3つの段階があります。

憲法改正までの流れ
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最初の段階が“憲法改正原案”の国会への提出です。
憲法の何条のどの条文を変えるのか、加えるのかなどを示した原案を、衆議院100人、または参議院50人以上の賛成者による提出か、憲法審査会による提出、いずれかの方法で国会に提出します。衆院・参院、どちらにも提出が可能です。

次に、提出された原案が、国会で審議されます。
仮に、衆議院に提出されたとすると、憲法審査会での審査が行われ、本会議で採決。総議員の3分の2以上の賛成を得て、可決される必要があります。参議院でも、衆議院でも同様の流れを踏みます。参院が先で、衆院があとの場合もあります。

こうして衆参3分の2以上の賛成が得られると、“憲法改正の発議”が可能になります。

国会として、国民に対し「憲法を変えましょう」と、提案するのが発議です。このあと発議から60日以上、180日以内に国民投票を実施。投票総数の2分の1以上の賛成で、憲法改正が承認されます。

ここまでが、法律で定められた手順です。
ただ、国会に原案を提出するまでに、現在、進められているいくつかのプロセスがあります。

まずは、テーマを定め、条文のイメージ作り。条文の文言を定めていこうという流れです。

(Q.自民党は、かなり慎重に事を進めているように見えますが、どうでしょうか)

山本志門政治部長
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山本志門政治部長
「自民党政権、高市総裁にとって、憲法改正というのは、絶対に失敗できないです。と言うもの、最後には、国民投票が控えているわけです。国民投票で、一度、失敗すれば、二度と憲法改正ができないのではないか。こういった声が、与野党から聞こえてくるほど、ハードルが非常に高いんです。そのために、何を扱うのか、テーマの選定から、より慎重さが求められているんです。もともと、自民党が一番地として掲げているのは『9条に自衛隊を明記』することです。ただ、これは、かなり温度差がありますので、より各党の合意が得られると見込んでいるテーマを優先して進めています。具体的には、衆議院では、大規模災害などが起こった際に、国会議員の任期を延長できる緊急事態条項。参議院では、1票の格差から2つの隣接県を一つの選挙区にする“合区の解消”、このあたりをテーマとして進めていく考えです」

(Q.自民党ですが、『9条に自衛隊を明記』これが本丸であるということに変わりはないのですか。それとも旗を降ろしたのでしょうか)

山本志門政治部長
「まだ完全に旗を降ろしたわけではありません。現在は、テーマを決める段階の議論が始まっていて、9条のカードを切るかどうかを見極めている状況とも言えます。1つ1つステップを踏んでいる状況で、時間と労力がかかっているわけです」

(Q.最終的には、私たちの国民投票で決まりますが、どういう形で問われるのでしょうか)

山本志門政治部長
「憲法改正では、憲法全体を丸ごと投票にかけるというわけではありません。複数の分野があれば、関連する項目ごとに賛否を問うわけです。例えば、環境に関する条文と、自衛隊に関する条文改正を問うことになれば、投票用紙は2枚になるわけです」

投票用紙
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総務省が示している投票用紙。それぞれ項目ごとに、賛成・反対、どちらかに〇をつけます。テーマが2つであれば、投票用紙は2枚となります。

(Q.高市さんが明言した来年春までの『憲法改正の発議にメド』という、このスケジュールは、現実的なのでしょうか)

山本志門政治部長
「自民党幹部さえも『来年春をメドとするのは、スケジュール的にかなり難しいんじゃないか』という声が聞こえてきます。そもそも参議院では、3分の2という発議に必要な数が足りていません。自民党が、衆議院での審議を、仮に強引に進めることになれば、少数与党である参院での合意は遠のくばかりですから、ここは丁寧に進めていくんだろうと思います」

(Q.今後の行方をどう見ますか)

山本志門政治部長
「憲法改正は、高市総理が衆院選のときから強い意欲を示している“国論を2分するテーマ”の最たるものと言えます。ですから、衆議院での大勝を受けて、その本気度は、非常に高まっていると思います。さらに、長期政権であった安倍元総理が成し得なかったという意味でも、自身の“レガシー”を残したいという思惑も透けて見えます。今後は、参議院でも、改憲勢力で3分の2を確保できるかどうかが最大の焦点となります。高市さん側は、これから多数派工作など、いろいろな動きを仕掛けてくると思いますが、再来年の参議院選挙が大きな節目になると思います。『発議にメド』をつけ、改憲のゴールまで駆け抜けるには、3分の2という改憲勢力の確保を目指し、勝負をかける必要がありますので、ここに至るまでの動きを注目していきたいと思います」

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