
5月5日は「こどもの日」ということで、今、子どもたちに人気の本をご存知だろうか。その名も「それ犯罪かもしれない図鑑」。「いたずらして上履きを隠しちゃった」「公園の石がきれいで持ち帰った」…実はそれ、犯罪かもしれない。
22万部の異例のヒット
去年9月に発売されて以来、22万部を売り上げるほど人気になっている「それ犯罪かもしれない図鑑」。大手書店では、児童書にもかかわらず、トレンドの本が並ぶ入り口近くの一番目立つ場所に置かれている。
三省堂書店 神田神保町本店 杉本佳文店長
「この図鑑を目指して来るお客様もいて、それ以外の商品に興味を持ってもらえる。こういった商品が出ると店としてはとてもありがたいです」
今、子どもたちに超人気の図鑑。一体、どんな内容なのか?
友達の写真を勝手にSNSへ投稿するのは肖像権の侵害…かもしれない。
放置自転車を無断で使うと、遺失物等横領罪…になるかもしれない。
青信号が点滅しているからといって走って渡ると、道路交通法施行令違反…かもしれない。
子どもが、ついついやってしまうようなことが実は“犯罪かもしれない”と教えてくれる図鑑なのだ。
子どもあるあるが犯罪に?
今、人気になっている「それ犯罪かもしれない図鑑」。
ついついやってしまう“子どもあるある”。それがどんな法律に触れる可能性があるか、子どもたちに聞いてみた。
紀真耶アナウンサー
「図書館の本を返し忘れたら犯罪?」
子ども
「ならない」
「(Q.なんでならないと思う?)だって、忘れているだけだから」
「(Q.実は横領罪になる可能性がある)横領罪って?」
母親
「ドロボーさん」
子ども
「えー!」
紀アナ
「川に行ってこの石持って帰ろうは(犯罪になる)?」
子ども
「ダメだっけ」
父親
「ダメなの?」
子ども
「だと思う」
「(Q.なんでだめだと思う?)もしかしたらその川に所有者がいるかもしれないから」
紀アナ
「場所によっては自然公園法違反の場合も」
紀アナ
「絶対に言わないでと言われたことを人にしゃべっちゃうと犯罪?」
姉
「ならないと思う」
弟
「ならないんじゃ…」
紀アナ
「プライバシー権の侵害」
紀アナ
「公園でけんかするぞっていう約束をするのは(犯罪になる)?」
姉
「ならない」
妹
「ならない」
紀アナ
「決闘罪」
姉
「なるんですか!やばいですね!」
なぜこの本を企画?
こちら図鑑を作ったのは、創業106年の金の星社。「ガラスのうさぎ」や「かわいそうなゾウ」などロングセラー作品も手掛ける児童書の老舗だ。
なぜこの本を企画したのか?担当した編集部の野村茂樹さんに話を聞いた。
「(子どもたちが)自分の身を守る力、危険を回避する力を育んでほしいと思ったのがきっかけ」
近年は闇バイトなど、親の目が届かないところで子どもが意図せず加害者になりうる時代。野村さんは何をやったら捕まるのか、ではなく「なぜ、やってはいけないのか」。その理由を明確に説明することを大切に作ったという。
「犯罪だからやってはいけない、犯罪にならないからやってもいい、というふうに考えないでほしい。解説ページでしっかり丁寧に、何が悪いのか、社会的なルールとして良くないこともあることを知ってもらえるような解説を心掛けました」
被害から守るだけではなく、加害者にならないための学びが求められている時代だからこそ、「それ犯罪かもしれない図鑑」が生まれたのだ。
「見えないところで起こる犯罪にどう対処していくのか、保護者も不安。子どももいつ巻き込まれるか分からない不安がある。やってはいけないことがあることを知れるのが大事」
これどんな犯罪かも?
「子どもあるある」をいくつか取り上げたが、他にはどんなことが、犯罪に“なるかもしれない”のか?
「ハイキングで訪れた森林で、おいしそうなキノコが生えていたのでキノコ狩りをして家に持ち帰った」これも「森林窃盗罪」になることがあるそうだ。
山や森林には必ず所有者がいて、そこにある植物や昆虫などの生き物、岩や砂利なども許可なくとることはできない。勝手に持ち帰ると、山や森林の場合は「森林窃盗罪」。公園など公共の場所では「窃盗罪」になる可能性がある。
もう一問。「おつりをもらったら、あれ?100円多い。気づかないふりをして持って帰ったら…」何の罪になるだろうか?
これは、詐欺罪になる。気づかないふりをして受け取ると、積極的にウソをついて相手をだまし、金品を奪う行為とみなされるのだそうだ。
ちなみに気づかないで受け取ってしまった場合は罪にはならないが、もし気づいたら、店の人に伝える義務がある。
なぜ「図鑑」に?
ではどうしてこういったことを図鑑にしたのか、企画した金の星社の野村さんに伺った。
「図鑑形式は事例を多く入れることができ、また、物語のように長い文章が続くものと違い、気になる所や読みたい所だけを気軽に読めるのが良いところ」「ネットやSNS時代、短時間で読めるものが、大人も子どもも読みやすい」と考えたそうだ。
図鑑のヒットについては、「今はちょっとした被害も加害も動画や画像でネットに残る時代だからこそ、当事者になる前に親が子どもに備えさせることの大切さを感じたのでは」と捉えているそうだ。
また、子どもと犯罪に関する書籍としては、「金の星社」では、子どもたちが知らない間に法に触れないように、加害者にならないように、ということで闇バイトに警鐘を鳴らすマンガも出版している。こちらは小学校高学年以上向けということだ。
(2026年5月5日放送分より)
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