松岡修造さんがプロ野球の気になる話題を取材してきました。セ・リーグの順位表を見て気になるのはヤクルトです。5日時点で2位。開幕前、評論家のほとんどが最下位予想だった中、何があったのか。選手たちに聞きました。やはり、監督1年目の池山隆寛監督(60)の影響力が大きい。チーム全員が「ブンブン丸」です。
明るさ 池山野球の集大成
今シーズン、逆転勝利数がリーグトップのヤクルト。そんなチームを率いているのが、池山隆寛新監督です。選手たちに池山監督について聞いてみました。
先月サヨナラタイムリー
長岡秀樹選手(24)
「チームを明るくする気持ちが伝わってくる。エネルギッシュな監督」
高卒2年目18試合出場
田中陽翔選手(19)
「池山監督の明るさがこの連勝につながっている」
先週サイクル安打達成
丸山和郁選手(26)
「令和だからこそできるコミュニケーションの取り方。特に変な壁なく、下からも上からも言い合えて、風通しが良い」
リーグトップタイ10セーブ
キハダ投手(30)
「監督がはしゃげばチームも盛り上がる。僕は新入りだけど、監督のエネルギーが好きだ!」
なんと全員が口をそろえたのが、池山監督の明るさ。雰囲気作りを重視しているのには、こんな理由がありました。
池山監督
「野球は失敗の多いスポーツ。打って3割が大成功、7割失敗のスポーツ。きょう1日うまくいくように毎日練習して試合に臨むわけで。でも、うまくかなかった時こそ前向きにいかないといけない。失敗を恐れず『毎日元気で』というスタイルで良い。その野球が僕の集大成」
池山野球の集大成。その初めの一歩は笑いから始まりました。独特の緊張感がある開幕戦のスタメン発表で…。
「緊張をほぐしたいと思います。新しい朝が来た~き~ぼ~うのあ~さ~だ!ヤクルトです!」
この明るさの背景には、華やかさと苦労が入り混じった長い野球人生がありました。
引退から23年 59歳で監督
現役時代、豪快なスイングで「ブンブン丸」と呼ばれ、ショートとして史上初の打率3割30本塁打を達成。当時、野村克也監督のもとでID野球を学びながら、チームを代表するスター選手として活躍しました。
2002年に現役を引退。引退セレモニーでは…。
「これから第2の人生の打席に入りますが、必ず皆様の前に戻ってきます」
2006年から指導者の道へ進み、コーチを11年、2軍監督を7年務めます。長い下積みを経て引退から23年、59歳でようやく監督に。史上2番目に遅い就任でした。
「引退してから監督という景色はずっと思い描いてましたけど、それが集大成だと思っていて。なんかジーンときたな」
「(Q.それだけやりがいがあるものですか?)うん、そうですね。はい、すみません」
「(Q.僕(松岡さん)が池山さんなら『俺を監督にさせろ』と)そう思っていても、なれないポジションなので。泣くとこちゃうのにな。辛抱の時間は長かったんですけど、だからこそ今があると思いますし、これからどういう景色やどんなことが待っているのか分からないのが僕は楽しみ」
快進撃を牽引する投手が
そんな池山監督のもとで大きく飛躍した選手がいます。
大卒6年目のピッチャー、山野太一投手(27)。ドラフト2位で入団するも成績不振にけがが重なり、3年目から育成契約に。再び支配下契約を勝ち取りますが、ここ2年は思うような結果を出すことができませんでした。
しかし、今シーズンすでに5戦4勝。チームの快進撃を牽引(けんいん)しています。
池山監督
「山野はですね、ずいぶん成長しました。もうすごいことです。すごい成長です」
山野投手
「監督からは『どんどんストライクゾーンで勝負しろ』と。要するに逃げるな」
「(Q.逃げがちですか?)逃げがちですね。自分に自信がないので。打たれてもいいから勝負しろと。池山監督の現役の時に、どんどんバットを振っていたように、僕も投手なんですけど、どんどん腕を振って」
「(Q.池山監督は今シーズン何をくれていますか?)笑顔(笑)」
「(Q.なんで恥ずかしがる?)暑いっすね(笑)」
技術を細かく矯正するよりも選手の持ち味を最大限に引き出す指導。さらに、密なコミュニケーションで選手のやる気を促しています。
池山監督
「(Q.今シーズンは、どういう感覚でこれから進んでいきますか?)評論家の予想は最下位ですので(笑)」
「大事な時に見極める力」
池山監督の明るさの成分は愛情と情熱、それらが今のヤクルトの勢いにつながっているのかなと感じました。
松岡さん
「選手に伝わっているプラス長い野球人生の経験で、大事な時に見極める力を池山監督は持っているなと話を聞いて思いました。なぜならバントです。今シーズンは、ほとんどしていない。大事な場面、ピッチャーにさえバントをさせない。なぜかと聞いたら、それは自分自身で失敗してきたから。難しいんだと。日本シリーズで私も失敗してしまった。そういうプレッシャーを与えたくない。迷わず選手はやっているんだなと思いました」
大越健介キャスター
「今のバントの話は象徴的ですよね。硬くなる、決めなきゃいけないというプレーも確かに存在しますが、むしろ委縮させるより解き放ったほうが選手は力が出るんだという考え方を実践されているのかなと思いました」
松岡さん
「『ブンブン』というのは、選手が自分らしくできることだと感じました」
(2026年5月5日放送分より)
