中国ヒト型ロボット「商用化元年」 飛躍的に能力向上 急成長の背景 EVにも熱視線

中国ヒト型ロボット「商用化元年」 飛躍的に能力向上 急成長の背景 EVにも熱視線
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 中国・習近平政権が「量産化」の大号令をかけたことで、中国のヒト型ロボット産業が急成長している。すでに様々な現場でヒト型ロボットの実用化が進んでいる。

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開発責任者 年収最大29億円も

 まず、ヒト型ロボット産業についてみていく。その産業の急成長の背景には何があるのか。

高待遇の求人
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 ジェトロ(日本貿易振興機構)によると、中国政府は今、中国の未来を担う産業として重点的に育成させる対象に「ヒト型ロボット産業」を位置付けている。メーカーは去年を“量産元年”と位置付け、開発を加速させてきたという。

 北京青年報によると、去年の時点で中国のヒト型ロボットメーカーの数は140社を超え、出荷台数は1万4400台。世界シェアの84.7%を占めているという。

 中国メディアの第一財経によると、中国の人材会社の調査では、去年1月から5月までのヒト型ロボット分野の求人件数は、前年と比べて409%増加。その6割以上が技術職だという。

 また、求人での給与面で最も高額なのは、ロボットに動作などを指示するソフトウェア開発者で、平均月給は約58万円。さらに5年以上の経験がある人の平均月給は約77万円だという。これがどれ位かというと、中国国家統計局による、中国の都市部の公務員の平均給与は2024年時点で約23万8000円であることから、高待遇だといえる。

 さらにブルームバーグによると、中国のヒト型ロボットメーカー「UBテックロボティクス」は開発責任者を募集していて、提示している年収は最大で約29億円にも上るという。

 中国メディアによると、ロボットメーカーに入社する人は、習主席の母校でもある清華大学など名門大学の卒業生が多く、優秀な学生に人気の就職先になっている。

今年は新規株式公開も
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 業界トップ企業では、月給700万円を稼ぐ社員もいるという。それがヒト型ロボットメーカー「ユニツリーロボティクス」だ。ジェトロによると、この企業の年間出荷台数は5500台を超え、シェアは32.4%で世界一だという。

 ユニツリーは2016年に中国・浙江省で設立。去年9月時点で社員数は480人。中国のロボット事情に詳しい長崎県立大学・華金玲教授によると、この会社の技術開発者の中には月給約700万円の人もいるという。

 このメーカーは、人に代わって様々な仕事を担うヒト型エージェント「ユニツリーG1」を、約212万円から販売している。

 広州日報によると、去年の売上高は約393億円で、前年に比べて4.35倍に増加。さらに今年は新規株式公開も行うため、新たに約966億円を調達するという。

リハビリにも活用

 中国は今年をヒト型ロボットの「商用化元年」に位置付けている。

24時間の安定稼働も実現
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 江西省のタブレット端末工場では、ヒト型ロボットメーカー「AGIBOT」が開発したAI搭載のヒト型ロボットが稼働している。生産ラインに導入されるのは世界で初めての事例だという。作業内容は、ベルトコンベアへの部品の積み下ろしだ。

 また「ロボテラ」はヒト型ロボットメーカーの物流業界への導入を加速させている。国営「中国郵政」や中国最大級の物流会社「SFホールディングス」などと連携し、中国全土で10カ所以上の物流センターにヒト型ロボットを導入。24時間の安定稼働も実現しているという。

 近年では高齢者施設でも、生活のサポートやリハビリなどでヒト型ロボットが活用されるなど、実用化が進んでいる。

中国EV 再び注目

 中東情勢の悪化を受けて今、世界が中国のEVに注目をしているという。

生産が追い付かない状況も
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 ロイター通信によると、中国のEV輸出額は、去年1月~3月が約2兆円だったのに対し、今年の同じ時期は約3兆円と1.5倍に上昇。過去最高額を更新したという。

 そんな中国で特に人気のEVが、「シャオミ」が先月発表した「SU7」という車種の新型モデル。価格は約500万円~700万円だという。

 中国メディアによると、航続距離(燃料や電力が満タンの状態で走れる距離)を比較した場合、一般的なガソリン普通車が500キロ以上なのに対し、「SU7」は1回の充電で最大900キロほど走れるという。ウォールストリート・ジャーナルによると、アメリカのEVメーカーと比べても航続距離が長いという。

 シャオミのCEOによると、新型「SU7」は6日時点で受注台数が8万台を超え、一部では生産が追い付かない状況との指摘もある。

米中首脳会談 新たな動き

 来週には米中首脳会談が控えている。最大の議題は何か。

イランの新たな動きも
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 今月14日~15日にかけてトランプ大統領が北京を訪問する。議題としては、関税やレアアースなどの貿易問題、アメリカによる台湾への武器売却などの台湾問題などが協議されるとみられている。

 また、アメリカのベッセント財務長官はFOXニュースのインタビューで、ホルムズ海峡を開放するための取り組みに中国も加わるよう呼びかけ、米中首脳会談でもこの話題について直接意見を交わす見通しだと明らかにした。

 その米中首脳会談を前に、新たな動きもあった。

 イランのアラグチ外相は自身のSNSに「5日北京を訪問し、中国の王毅外相と二国間関係や地域・国際情勢について意見交換をする」と投稿した。トランプ大統領の中国訪問に先立ち、イランの立場を伝える狙いがあるとみられている。

(2026年5月6日放送分より)

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