
福島県の磐越自動車道で6日、マイクロバスが道路脇のガードレールなどに衝突し、乗っていた高校生20人のうち1人が死亡しました。バス会社によると、運転していたのは社員ではなかったということです。
事故直後 運転手ぼうぜん
目撃者
「人工呼吸やってるなと見えたのよ。これはただの事故じゃないと思ったのよ」
事故が起きたのは、6日午前7時半ごろ。マイクロバスの中にガードレールが突き刺さっています。
付近には、シューズやバッグが散乱しています。さらに中央分離帯を越えて、反対車線でも現場検証が行われていました。
福島県郡山市の磐越道上り線で、68歳の男性が運転するマイクロバスが走行中に、道路脇にある緩衝ドラムやガードレールに衝突しました。
また、その後ろを走っていた6人乗りのワゴン車も事故に巻き込まれました。
道路上に残されたマイクロバスの後ろの部分を見てみると、激しく壊れているのが分かります。その周りには警察や消防が集まっていて、物々しい雰囲気となっています。
68歳の男性が運転していたマイクロバスには、新潟県の北越高校・男子ソフトテニス部の部員20人が乗っていました。
目撃者
「トラックが止まっていて、その間に1人だけ横たわっている子がいて。人がいるって言ってたから、今度子どもたちが降りてきて。その友達の名前を呼びながら『救急車!救急車!』ってすごい大きな声で…」
この事故で、17歳の稲垣尋斗さんが反対車線まで投げ出され死亡しました。
またマイクロバスに乗っていた高校生と68歳の運転手、ワゴン車に乗っていた6人の合わせて26人がけがをしました。うち高校生5人が重傷です。
事故直後に撮影された写真。撮影した人によると、運転手はぼうぜんとしていた様子だったといいます。
目撃者
「(運転手は)暗い表情で救助されていたので、とても心が痛みました」
事故の発生から6時間半以上が経過し、マイクロバスが現場からレッカー車で運ばれていきました。
引率の詳細は 学校が会見
事故を受けて、北越高校の灰野正宏校長が報道陣の取材に応じました。
「残念ながら、本校の生徒が1名亡くなったということについては、痛恨の極みであります。男子ソフトテニス部の生徒が福島県の富岡町に遠征。練習試合に行くということで、朝5時半ごろ出発しました」
北越高校の男子ソフトテニス部は全国大会の常連で、新潟県内屈指の強豪です。
「引率は1名おりました。部の顧問が荷物を運搬するために前方を走っていて、その後ろにこのバス、借り上げたバスを走らせていたという形です」
6日は、福島県富岡町まで日帰りで練習試合に向かっていました。その途中で事故が起きました。
事故原因は 運転手の経歴
過去に事故現場となった磐越道を走る車から撮影された映像を見ると、トンネルを抜けると「急カーブに注意」の看板が見えます。
見通しは悪くなく、緩やかなカーブが続いていきます。この先で事故が起きました。
目撃者
「事故の音、音がすごかった。ガチャーン」
「ここの高速道路は走りやすくて、いっぱい走っている。だから、なんでこうなったのかな」
警察によると、事故を起こした運転手は68歳の無職の男性でした。男性を知る人に話を聞くことができました。
「こっちに来られたのは、市内の陸上部の顧問、監督をやられているっていうので。私も指導しているのを見たことはあります。その後は退職されて、市内の市役所にお勤めになって、マイクロバスの運転手さんをやってた」
また、別の知人は2年ほど前に男性の運転するバスに乗ったことがあるといいます。
「私が乗った時は、ごく普通で丁寧な。乗車しているお客様に対して丁寧な対応をなさってたっていうのが印象としてあります」
バス会社がレンタカー手配
6日夜、バス会社が会見を開きました。
蒲原鉄道 茂野一弘社長
「今回の事故で亡くなられた生徒さんがいらっしゃるということで、悲しく思うしお悔やみ申し上げます。複数の生徒さんがけがされたということで、早い回復をお祈りしております」
会見で明かされたのは、バス運行の経緯でした。
「今回は貸し切りバスを使わずに、レンタカーを使って送迎したいという話を(高校側から)いただいたので」
蒲原鉄道 金子賢二営業担当
「やっぱり予算組みのところがありますので。『緑ナンバー』を使うと、やっぱり高くつきますので。結果的に安いものを探して、それがレンタカーにたどり着いていくということになろうかと思いますので」
事故を起こしたバスは事業用の「緑ナンバー」ではなく、自家用としての利用に限られる「白ナンバー」でした。
バス会社の説明によると、高校側からレンタカーの手配とともに、もう一つ依頼を受けたことがあったといいます。
茂野社長
「マイクロバスのタイプになりますと、普通の自動車免許では運転できないということで、先生とか父兄の方とか運転される方がいないようだということで、ドライバーの方も紹介してもらえないかということでしたので、営業担当から運転できる人間を紹介して、今回に至った」
今回のようなレンタカーの手配とドライバーの紹介は、通常では行っていないものの、高校側とのこれまでの長い付き合いの中で例外的に行ったことだと話します。
またバス会社側には利益はなく、いわばボランティアの形で協力したと話します。
運転手は「知人の知人」
一方で、今回事故を起こしたドライバーについてはこう話します。
金子営業担当
「(Q.ドライバーはどういう人か把握しているか?)免許証のどれまで乗れるのかというところと、お名前ぐらいしか知りませんでした。二種免許を持っているというところです」
茂野社長
「(Q.持病だとかドライバー歴は?)全くこちらのほうで把握していない」
「(Q.事故歴も?)その辺は聞いておりません」
バスを運転していた男性は、バス会社の営業担当者の「知り合いの知り合い」で面識もなかったといいます。
会見で責任の所在を問われたバス会社の茂野社長はこう話しました。
「どういう状況かというのもありますので、誰にどこにどれだけ責任があるということに関しましては、私の方も分かっていない情報が多すぎますので、その辺はどうだということはお話することはできないです」
(2026年5月7日放送分より)
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