
ハンタウイルスに感染した乗客の死亡を伝える船長の映像です。しかし、船内ではその後も隔離措置がとられることはありませんでした。撮影した乗客に独自に話を聞くことができました。
「ハンタウイルス」乗客語る
船長
「皆さん、おはようございます。大変残念なお知らせですが、昨夜乗客の一人が突然亡くなりました。悲劇的なことですが、自然死だと考えています」
死因は「伝染性のものではない」とした船長。これは先月12日、船長が乗客の前で、最初の死者が出たことを説明する映像です。
「彼の病状がどのようなものであれ、医師からは感染性はないと言われた。その点では船は安全です」
撮影したのは、トルコ人乗客のルヒさんです。
乗船していた ルヒ・シネットさん
「船長は乗客が亡くなったことを説明しただけです。彼は感染症については知らなかった。だからその後も予防措置をとることはなかった」
実際、ルヒさんが撮影した映像には、その後もビュッフェ台に乗客らが集まる様子が映っていました。
「皆、一緒にダイニングルームで夕食、朝食、昼食を食べていた。隔離もしなかったし、客室で個々に食事をとることもなかった。私はそうしなかったが、他の人々は交流していた」
しかし…。
「船を降りた後、船会社から、『2人目の乗客はハンタウイルスが原因で亡くなった』と伝えられた」
オランダ人男性が亡くなったのは先月11日。ルヒさんは何も知らぬまま、24日まで船旅を続けていました。
死亡した後も感染発覚まで乗客同士の交流が活発だったという船内。その様子が映像に残されていました。
「アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、オランダ、トルコなど他にも多くの国の人が来ていました」
感染を知らずに過ごした船旅。乗客のオランダ人男性が亡くなった後も、感染対策はなく、乗客同士が1カ所に集まる様子が映っています。
「ランチエリアではミーティングもありました。グループ活動もあり、一緒に運動をしたり、自分の体験談を語り合う時間がありました。これは船でのウイルス感染を防ぐという観点からは良くなかった」
「何日も海の上にいて、何もすることがない状況を考えてみてください。他の乗船客と交流するくらいしかやることがない」
そして先月24日、ルヒさんはオランダ人男性の妻らとセントヘレナ島で下船します。しかしトルコに戻る途中、オランダ人女性が亡くなったこと、船内で7人がハンタウイルスに感染していたことなどを知ります。
「船を下りてからずっと私は自分の健康状態に気を付けています。血液検査をし自主隔離しています」
新たに1人の感染が確認
そして、恐れていたことが…。
キャスター エリン・バーネット氏
「ハンタウイルスの感染で死者も出ている船に関連して、新たに1人の感染が確認されました。船の中ではなく、スイスで確認されました」
ルヒさんらと一緒に下船したスイス人男性が、帰国した後に感染していたことが発覚しました。ハンタウイルスの中でも、ヒトからヒトへの感染も報告されている「アンデスウイルス」だということです。
ルヒさん
「最初の死者が出た後の乗組員や会社の対応にも不満がある。彼らはこの潜在的な問題をもっと真剣に受け止めるべきだった。少なくとも感染症の可能性もあると伝えるべきだったと思う」
一方、運航会社は「その時点では死因は不明で、船内には他に症状のある乗客はいなかった」としています。
6日、ドローンで捉えられたクルーズ船。残る乗客、日本人1人を含むおよそ150人は、3日以内にカナリア諸島に入港する見込みだということです。
医療スタッフが防護服姿で患者を搬送していきます。船内に残されていた患者3人のうち2人は「重篤な状態」で、オランダに到着後、救急車で病院に搬送されました。
(2026年5月7日放送分より)
この記事の画像一覧
