
磐越自動車道で、新潟県の北越高校の生徒20人が乗るマイクロバスがガードレールなどに衝突し、1人が死亡した事故。
【画像】【速報】「レンタカー依頼していない」学校とバス事業者 食い違う主張 運転手を逮捕

警察は7日午後8時21分、マイクロバスを運転していた新潟県胎内市の無職・若山哲夫容疑者(68)を、過失運転致死傷の疑いで逮捕しました。若山容疑者は、逮捕前に警察の調べに対し「曲がりきれなかった」と話したということです。
若山容疑者を知る人は、かつて、運動部の顧問をしていたと話します。
若山容疑者を知る人
「陸上部の顧問をやっているということで、指導をしているのを見たことがある」
若山容疑者を知る人
「いまの家に引っ越してくるときも、陸上部の学生だと思うが、たくさん来て、荷物を運び入れたり、手伝いをしていた」
その後、市によりますと、若山容疑者は、2022年から3年間は、臨時職員として、市の行事などでマイクロバスの運転をしていたということです。月4、5回の仕事で、長距離はなかったといいます。

若山容疑者を知る人
「2度くらい彼が運転するマイクロバスにも乗ったことがある。非常に乗客に心遣いがあるし、ユーモアもあった。特にそんな荒い運転をするわけでもないし」

捜査関係者によりますと、事故現場には、目立ったブレーキ痕やスリップ痕もなかったということです。バスは、スピード落とさずに、ぶつかったとみられています。いまのところ、事故前の故障も確認されていません。警察は、若山容疑者が、ハンドル操作を誤った可能性もあるとみて調べています。
バスはガードレールに突っ込み、はずみで、乗っていた稲垣尋斗さん(17)が反対車線に投げ出され、亡くなりました。死因は失血死でした。

稲垣さんは、バスの一番後ろに座っていて、事故の強い衝撃で、後方から飛び出したとみられています。
亡くなった稲垣さんの家族がコメントを出しました。
稲垣さんの遺族
「大切な存在である息子を、今回の思いがけない出来事で失い、深い悲しみの中におります」
稲垣さんと一緒に部活動をしていたという先輩は、一生懸命で真面目だったと話します。

ソフトテニス部の先輩
「友だちも多く、周りのみんなから愛されていました。一緒にテニスをしているときは、どうやったらできるようになるのか、誰よりもよく質問しにきてくれていました」
稲垣さんを知る人
「とにかくいい子 。ニコニコしている。礼儀も正しいし、会釈もするし。ショックしかない」
事故は、なぜ起きたのでしょうか。
6日、学校側は、このマイクロバスについて、バス事業者から運転手付きで借り上げたものという説明をしていました。
以前から、この会社を利用していたということです。
一方、貸した側のバス事業者は、あくまでボランティアで、レンタカー会社から借りたバスを手配し、運転手の紹介についても、業務ではなかったと主張しています。

7日朝、国土交通省の北陸信越運輸局が、バス会社やレンタカー会社に立ち入り調査に入りました。
北越高校は午後7時から、保護者会を開きました。保護者会は1時間で終了しました。
保護者
「できるだけ安くとか、レンタカー、運転手手配してくれとか、学校側が言ったような印象があったが、それはあくまでも全否定。どちらが本当のことを言っているのか。「(Q.保護者から厳しい追及があったところは)例えば、顧問の先生の方が、何で一緒に乗っていないのだとか。(Q。それに対して学校側は)今後、こういう指摘があったので、そういうふうに対応していきますと」
保護者への説明会を終えた学校が、会見を開きました。冒頭の経緯説明で校長は、バス事業者の主張を否定しました。
北越高校 灰野正宏校長
「きのう業者側の会見で、北越高校はレンタカーの手配を依頼したとか、北越高校で運転できる者がいないので、運転手の依頼もあったとの発言がされているが、ソフトテニス部の顧問によれば、全体の工程や人数を伝える形で、バスの手配を以前からお願いしていて、こうした発言をしていないことを確認している」
顧問への聞き取りのうえで、今回の遠征は、業務として依頼したという認識を示しました。

北越高校 灰野正宏校長
「パッケージとして人数と場所と行き先を、このぐらいでバスの運行をお願いしたいと依頼をしている。具体的にレンタカーを手配してもらいたいとか、きのう発言があったと承知しているが、学校から運転手を紹介して、出してもらいたいといは伝えていない。そういった事実はないことも確認している。見積書はとっていないが、顧問に、その状況は確認している」
なぜ、見積もり書を取らなかったのでしょうか。
北越高校 灰野正宏校長
「今回に限らず、遠征、練習試合等でバスを利用する場合には、こういう形で依頼をすることで、書面を取り交わしていない。近い場所に行くと、いくらぐらいということが、過去、その業者との間であったので、今回もこれぐらいだろうと踏んで、特にお金の部分で細かい詰めはせずに、いま申し上げた形で。なかなか一般の商慣習では、ありえないと言っていいような状況。(Q.会社側の説明によると、学校側から『より安い経済的な形で』と依頼があったという話だが、事実関係は)事実ではございません。部活の顧問に確認している」
6日、バス事業者の会見では、こう述べていました。

蒲原鉄道 金子賢二営業担当
「営業用の緑ナンバーを販売するのが第一。それに対して、ちょっと高いよ。じゃあ、どうしようかという話になる」
主張が対立しています。
今後については、こう述べました。

北越高校 灰野正宏校長
「業者の選定、安全管理上はご指摘いただいたところですけど、引率の形態でありますとか、そうした部分の見直しが必要になる」
◆バス事業者と学校側、双方の説明が全く食い違う事態となっています。
まず、6日のバス会社の説明です。

バス会社は「『レンタカーを使って送迎したい』という話を頂いたうえで、学校の保護者や先生との話し合いで、緑ナンバーの貸切バスを使うと高くつくので、安いものをと言われ、レンタカーになった。レンタカーの借り受けは、バス会社の営業担当者が、自分の免許を提示して、部活動の名前で契約した。こうした対応について、営業担当者の個人的な対応。その理由について、収益がなくても、次にバスを使ってもらう状況になればいいと考えた」としています。さらに、事故を起こした運転手については、「学校側から運転手の紹介も依頼された。会社の人間ではなく、営業担当の知人の知人。病歴や運転歴のチェックはしていない。事前に、運転手には、金銭の提示はしていない」といいます。
一方の学校側の説明は、真っ向から食い違っています。

学校側は「ソフトテニス部の顧問は、行程や人数を伝える形で、バスの手配をバス会社に依頼した。レンタカーの手配や運転手の依頼といった発言はしていない。遠征が終わったらいつも通り代金を支払うこととしていたが、書面を取り交わすことはしていない」と、バス会社の説明を否定しました。
◆法律的な問題について、交通事故や道路運送法に詳しい大嶋拓実弁護士に聞きました。
「まず運転手が、過失運転致死傷罪の疑いで逮捕されたが、そのうえで、バス会社、学校、それぞれも法的な責任が問われる可能性がある」と指摘します。

大嶋弁護士は「運転手が、有償での運転を約束していた場合、自家用の白ナンバーの車でお金をとって人を運ぶ“白バス行為”として、道路運送法違反に問われる恐れがあり、バス会社が、有償で運転することを把握していた場合も同様。生徒を預かる立場の学校側が、適切な業者を選び、安全性を確認する義務を果たしたのか。運転手と別人の免許を提示しているので、レンタカー会社への違法行為も罪に問われる可能性がある」といいます。
さらに、「レンタカーを借りた人と別の人が運転していることで、被害者に保険金が下りず、賠償が行われない可能性もある」などと指摘します。

大嶋弁護士は、今後について「主張が対立しているので、まずは事実の確認が必要。契約書がないことは直ちに法律的な問題にならないが、安全の管理という意味で、問題視される可能性もある」と話します。
