
部活動の遠征中だった高校生ら21人が死傷した事故について、運転手の男が、事故を起こす前にも、トンネル内で車体をこするなど、危険な運転をしていたことが新たにわかりました。
【画像】顧問「レンタカー依頼してない」双方食い違う主張 運転手は事故前にも“複数回事故”
防カメに“事故前の姿”
あの日、何が起きたのか。その一端が見えてきました。

5月6日午前4時42分。
新潟市内に設置された防犯カメラに映っていた1台のマイクロバス。スピードを落とし、交差点に停車している車との距離を取りながらも、近づく様子がわかります。その7分後、別のカメラでは、マイクロバスはゆっくりと交差点を左折。その先にある北越高校の方へと向かっていきます。
マイクロバスは、若山哲夫容疑者がハンドルを握っていたとみられます。

約45分後、マイクロバスは、再び、防犯カメラの前を通過します。このときには、北越高校男子ソフトテニス部の生徒20人が乗っていました。そして、この2時間後、事故が起きます。
事故の前、生徒たちは、すでに異変を感じていたといいます。

バスに乗っていた生徒
「事故を起こす前も、トンネルで、ちょっとぶつかって、こすっていた」
顧問「レンタカー依頼してない」
マイクロバスは、どのように手配されたのでしょうか。

バス会社の蒲原鉄道は「貸し切りバスでは高くなるので、レンタカーで」とお願いされたといいます。

一方、北越高校は「貸し切りバスの手配をお願いしたのであって、レンタカーを依頼した事実はない」と説明しています。
10日、バス会社とやりとりをしていた男子ソフトテニス部の顧問が会見に出席。改めて、バス会社の主張を否定しました。

北越高校男子ソフトテニス部 寺尾宏治顧問
「(バス会社の)金子氏に『費用を安くおさえたいから、レンタカーを手配してほしい』と依頼したことはありません。運転手の紹介を依頼したこともありません。私としては、蒲原鉄道に、バスの運行を依頼した認識であり、蒲原鉄道のバス、蒲原鉄道の運転手である認識」
過去には“レンタカー手配”の実績も
一方で、これまでの遠征でも、レンタカーが使われていた事実はあったといいます。

昨年度、蒲原鉄道にバスの手配を8回、依頼したそうです。
北越高校男子ソフトテニス部 寺尾宏治顧問
「今回の事故後、改めて、過去の蒲原鉄道の請求書を確認したところ、2パターンの請求書がありました。1つは、項目に『貸し切りバス』と書かれた請求書であり、もう1つは、項目に『レンタカー代・人件費』と書かれた請求書。3回がマイクロバスのレンタカーでした」

ただ、顧問はレンタカーが使われていた事実を知らなかったと話します。緑か白か、ナンバーの色を自ら確認することも、請求書で総額以外の欄を見ることもなかったといいます。
北越高校男子ソフトテニス部 寺尾宏治顧問
「当時は、(バス会社の)金子氏を信頼しており、確認することに思いが至らなかったのが正直なところ」
顧問は、事前に行き先と人数を伝える以外、契約書を取り交わすことも、見積もりを取ることもしていなかったと説明しました。
会見では、ほかにも反論が行われました。
蒲原鉄道が、運転手の手当は、学校側が払うとしていた点についてです。

北越高校 灰野正宏校長
「事故現場に散乱した部員の持ち物を回収して、学校に戻った際、あるかばんの中に、蒲原鉄道の担当者から運転手に渡されたと思われる手当の封筒などで、入っていたのは、33000円。メモは表書きで『手当・高速・ガソリン』、『高速はカードにて』と書いてあった」
封筒は警察に提出したとしています。
バス会社「メリットない」

蒲原鉄道は、北越高校の会見を受けて、これまでに説明や反論などは行っていません。ただ、会社の関係者は、北越高校の主張では説明がつかないことがあると指摘します。

蒲原鉄道の関係者
「レンタカーとよその運転手を探すことに、会社としてのメリットがない。勝手にこっち側がレンタカーにするなんてこと、普通に考えたらありえないでしょ?その部分が、やっぱり説明がつかないと思っている」
事故繰り返し“免許返納”検討か
そして、取材で新たに明らかになったこともあります。

「体調と運転に不安はなかった」と話しているという若山容疑者。しかし、事故前の2週間で、事故を3回起こしていたことがわかりました。

先月24日には、自分の車で事故を起こし、修理が必要な状態になります。その4日後の28日には、借り受けた代車で、トラックと衝突。さらに、今月1日、今度は高速道路で事故を起したといいます。
若山容疑者に車を貸した修理会社の関係者は、こう話します。

自動車修理会社の関係者
「1日の夕方だと思います。免許証を返納するということで、若山容疑者から連絡があった。それは、良かったなと思っていたが。もし、6日に高校生を乗せて、遠いところに行くことがわかったら、もう命がけで『乗るな』と、警察にも行って止めてもらうぐらいの気持ちはあった」

警察によりますと、若山容疑者は「大事な生徒さんを亡くならせてしまったり、けがをさせてしまう、大変な交通事故を起こしてしまったことを深く後悔している」と話しているといいます。
