
辺野古沖で小型船2隻が転覆した事故で、文部科学省は高校の研修旅行が教育基本法に違反すると認定しました。遺族は「再発防止に向けて大きな前進となる」と投稿しています。
辺野古転覆「教育基本法違反」
松本洋平文科大臣
「現時点で把握した情報からは、政治的活動を禁じる教育基本法第14条第2項に反するものであったと考えております」
3月16日に高校生を乗せた小型船2隻が転覆してから2カ月あまり。22日、文部科学省は、同志社国際高校の研修旅行の教育内容が教育基本法に違反すると認定。政治的中立性を理由とした違反の認定は初めてです。
死亡した武石知華さんの遺族はnoteにこう投稿しました。
「全容解明や再発防止に向けて大きな前進となるものだと思っています」
なぜ、文科省が初の違法認定に踏み込んだのでしょうか。22日に文科省が公表した学校への調査結果には、研修旅行初日、死亡した金井船長が生徒に語った言葉が記されていました。
金井創牧師
「ここから入るなよっていうエリアがあります。ここから入ったら、法律違反、法令違反、逮捕する、捕まえる、そういう線引きされるんです。あえてそこを越えて入っていって抗議します。だから当然、陸では警察機動隊に拘束される。海では海上保安庁に拘束されます」
高校側は、転覆した小型船が「抗議船」という認識はなく、「政治的中立性」は確保されていたと主張しています。
しかし文科省は、「特定の見方・考え方に偏った取り扱い」だったと指摘。また、教員の相当数が「生徒を乗せる船が抗議船であるという認識を持っていた」として「政治的中立性」を損なっていたと判断しました。
学校への助成金減額を検討
初の違法認定に、野党は判断が分かれました。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長
「武石さんのお父様やご家族が勇気をもって振り絞って発言した。その言動に政府や文科省が動かされた。文科省、担当した官僚の皆さんに深く敬意を表したい」
中道改革連合 小川淳也代表
「現場を萎縮させかねず、価値判断は慎重になったほうがいい」
共産党 山添拓政策委員長
「特定の見方、考え方に偏った、政治的中立を害するという認定をするのは、かなり荒い事実認定であり、乱暴だと。私はこれは教育内容に対する行政による介入だと言わざるを得ないと思います」
報告書には、船員側が海上保安庁の番号にすぐかけられず、生徒が通報したことも書かれていました。事故後、海上保安本部に届いた通報は7件。生徒から3件と、消防や警察から4件のみで、抗議団体や学校側の通報はありませんでした。
違法の認定を受けて、22日、高校がある京都府は、私学助成金の減額を検討する方針を明らかにしました。
京都府 西脇隆俊知事
「二度と悲惨な事態がないよう是正をする必要がある。ここまで明確にさまざまな不適切な対応があったということであれば、(私学助成金を)減額をせざるを得ない」
“無登録”船長を刑事告発
一方、内閣府沖縄総合事務局は、死亡した「不屈」の金井創船長に対して、無登録のまま人を乗せた海上運送法違反の疑いで刑事告発しました。
国土交通省によると、抗議船は2023年以降、合わせて6回にわたり同志社国際高校の生徒らを乗せ、金井船長が学校からの謝礼を受け取ったということです。
金子恭之国交大臣
「平和丸の船長について、刑事事件の取り扱いへの影響が懸念される等の理由によって、聞き取りには一切応じないと意向が示され、大変遺憾ながら今後も事実確認は困難なものと考えております」
刑事告発を受けてヘリ基地反対協議会は、番組の取材に対しこうコメントしました。
「尊い命を失わせる結果を招いた『安全意識の致命的な欠如』について、厳粛に受け止め、峻烈(しゅんれつ)に猛省しております」
(2026年5月23日放送分より)
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