当面“給付に一本化”…与党から疑問の声も “つなぎ”の「消費減税」財源は?

当面“給付に一本化”…与党から疑問の声も “つなぎ”の「消費減税」財源は?
この記事の写真をみる(7枚)

 先週、政府は「給付付き税額控除」について、当面は「給付に一本化」して検討する方向性を示した。一方で反対意見もあり、与党内から「バラマキをするだけ」との声も上がっている。

【画像】消費減税の財源に…為替介入による利益活用の可能性は?

まずは「給付」から始め…

「給付」から始め、制度を徐々に精緻なものに
拡大する

 「給付付き税額控除」を巡り、政府が当面の間「給付に一本化」する方針に転換したことが、与党内にも波紋を広げている。

 制度導入までの“つなぎ”と位置付けられていた食料品の消費税については、「0%」ではなく「1%」案が有力視されている。

 政府は、当面の間「給付のみに一本化」する方針を固めた。

 20日、自民党の小野寺五典税調会長は「給付付き税額控除について、速やかに進めるためには給付に一本化したほうがいいのではないかという有識者の意見が出た」と話し、与野党の実務者が2年後の導入を目指す「給付付き税額控除」について協議し、「給付」に一本化して制度を始める方向でおおむね一致したと明かした。

 自民党幹部は「まずは『給付』から始め、制度を徐々に精緻(せいち)なものにしていく」と話している。

「所得」違っても同じ恩恵

所得が違っても同じ恩恵を受けられる
拡大する

 では、「給付」に一本化すると、どうなるのか?

 「給付付き税額控除」は「所得税の減税」と「現金給付」を組み合わせた仕組みで、減税だけでは十分な恩恵を得られない低中所得者層に支援が届きやすいとされている。

 仮に10万円の「給付付き税額控除」が実施された場合、所得税が10万円の人は10万円が減税される。

 所得税が5万円の人は、その5万円が減税されたうえで現金で5万円が給付される。

 所得税が非課税の人は、10万円がそのまま給付される。

 このように、所得が違っても同じ恩恵を受けられるという制度となっている。

 しかし「給付」に一本化した場合、支援の対象は「低中所得の勤労世代」が想定され、支援の仕組みは非課税の人は定額だが、所得税を納めている人は所得に応じて変動するとしていて、制度の具体的なイメージは今後議論されていくという。

「給付のみ」に疑問の声も

与党から「かなり疑問がある」との声も
拡大する

 「給付一本化」となった背景には、何があったのか。

 実務者協議が公表した資料によると、「税額控除と給付の組み合わせは、制度が複雑になり事務負担が重くなる」という。

 「給付付き税額控除」を「給付」のみで実施する場合、公的機関が申告された情報から支援額を決定し給付するプロセスになる。

 しかし「税額控除」と「給付」を組み合わせた場合は、会社員などは雇用主が保有する情報で支援額を決定、年末調整で控除を適用する。公的機関が、控除しきれない額を給付するという流れになるため、給付のみと比べ雇用主の負担が増え、複雑な手続きが必要になる。

 一方で「給付のみ」に疑問の声も上がっている。

 22日、日本維新の会・斎藤アレックス政調会長は「給付だけということになれば、ただバラマキをする議論に集約してしまう。本当にそれで良いのかとかなり疑問がある」と批判した。

食料品 「消費減税」の今

改めてスピード重視を強調
拡大する

 一方で「給付付き税額控除」を導入するまでの“つなぎ”と位置付けられていた食料品の「消費減税」は、今どうなっているのか。

 2月、高市早苗総理は「(2年間食料品の消費税0%について)できるだけ早く実現できるよう知恵を絞っていく」としたうえで、夏前には中間取りまとめを行いたい意向を示していた。

 また20日の党首討論では、改めてスピード重視を強調し、「スピード感も重要だと思っている。アズ・スーン・アズ・ポッシブルで頑張ってまいります」と話していた。

食料品の消費税「1%」案が…
拡大する

 こうした中、食料品の消費税は0%ではなく、1%案が浮上している。

 先月の国民会議に参加したメーカーからの聞き取りによると、「消費税ゼロ」の課題となっているのがレジシステムだという。消費税ゼロの場合、「消費税なし」という新たなシステム構築が必要で、1年程度時間が必要となる。

 一方、消費税1%の場合は「消費税あり」という既存システムを応用するため、3カ月から半年程度で可能だという。

 ANNの最新の世論調査では、消費税減税について「時間がかかっても0%にする」は26%、「時間を短縮できる1%にする」が40%、「減税の必要はない」が30%という割合になった。

為替介入の利益は財源にできる?

為替介入による利益活用の可能性は?
拡大する

 では「消費減税」を実施した場合、財源はどうなるのか?

 21日、経済同友会の山口明夫代表幹事は「消費税減税にはプラスもマイナスもある。財源が明確にならず2年後のシナリオもないままだと、市場はマイナスに反応する」と指摘している。

 0%の消費減税を行った場合、国と地方の税収は年間約5兆円の税収減。1%の場合は年間約4兆3000億円の税収減となるという。

 18日、木原稔官房長官は消費減税の財源として為替介入による利益(円高の時に買ったアメリカ国債などを円安の局面で売ったために出た利益)を活用する可能性があるかを問われ、「一般論として、為替介入で得た円貨は政府短期証券の償還に充てることが法令上求められており、財源として活用できない」と否定している。

(2026年5月26日放送分より)

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(7枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る