
中国・北京で、日本の人気ラーメンチェーン「一蘭」の偽物とみられる店舗が確認され、波紋が広がっている。テレビ朝日が取材したところ、すでに店は“もぬけの殻”となっていた。
本土には出店しておらず
中国のフードデリバリーサイトでは、おなじみの「一蘭」のロゴが描かれているが、本物と見比べてみると、ほとんど見分けがつかない。
ロゴマークを見比べてみると、ローマ字2つ目の「I」が抜けている。さらに、「昭和35年創業」と書かれている部分には「建國65年創業」という意味不明な言葉が…。
日本の人気ラーメンチェーン「一蘭」は味もさることながら、周りを気にせず食べられる「味集中カウンター」でも有名だ。
中国のSNSでも…。
「日本で一度しかラーメンを食べられないなら『一蘭』に行け!」
「私は特に『一蘭』が好き。ときどき、無性にとんこつスープが飲みたくなります」
中国の人たちにも人気の「一蘭」。現在、海外に8店舗を展開しているが、中国本土には出店していない。
デリバリーで1000円のこのラーメン。日本の「一蘭」の画像と比べると、チャーシューや真ん中のタレの位置が全く同じ。画像を加工し、メンマやナルトなどを足したようにみえる。
食べた人は…。
「なんなのこれ、マズすぎて一口でやめた。肉は酸っぱいにおいがするし、スープは薄くて味がまったくしない」
「麺もおいしくないし、スープも薄くてイマイチ。価格に見合っていない」
店舗に「本日一蘭拉面」
ニセ疑惑の一蘭を取材しようと、店舗を訪ねると、「本日一蘭拉面」と書かれている。ただ、中は無人になっていた。
平日の正午すぎにもかかわらず、店員などの姿はなく、営業していなかった。
近くの別の店の店員に話を聞いた。
「きょうは来ていない。きのうはいたんだけどね」
「(Q.この店はどれくらい前から?)もう、ずいぶん長いよ」
改めて、デリバリーサービスのアプリで検索すると、表示がされなくなっていた。店がなくなってしまっているようだ。
偽物とみられるラーメンについて地元の人は…。
「(本物は)日本と香港で食べました。(偽物は)味がどうなのか、試してみたいと思うかもしれない」
「(Q.もし味が良かったら?)味が良ければ、もちろん行きます」
「(Q.偽物とみられるラーメンについて)良くない影響はあると思います。相手は有名ブランドなので、同じ名前を使えば、人に誤解を招いてしまうと思います」
偽物 法的対処は?
中国にある「一蘭」の偽物とみられる店だが、法的な問題はどうなっているのか。
本家の「一蘭」は現在、国内84店舗、アメリカ、香港など海外に8店舗世界展開しているが、中国本土には店舗を置いていない。
法的な対応となった場合、重要となるのは“中国国内”での認知度だという。
「知的財産権」などに詳しい知財コンサルタントの栗原潔弁理士に話を聞いた。
中国にも不正競争防止法があり、商品名やパッケージの模倣や商品名や地域名など名称の無断使用や、関連があるかのような紛らわしい行為を行うことは禁じられている。
栗原さんは「一蘭は中国本土に進出をしていないので、認知度が高くなく、商標に一定の影響力が認められなければ、不正競争防止法での権利行使はハードルが高い」と分析している。
しかし、今回の「一蘭」そっくりのロゴなどは、商標権の侵害にあたる可能性があるようだ。
栗原さんの調べによると、「一蘭」側はアメリカやイギリス、UAE、そして今回の中国など16カ国ですでに商標出願が済んでいるという。
栗原さんは「今回は看板などのデザインがほぼ一致していて、商標権を行使できる可能性は高い」とみているそうだ。
日本ブランド守るには?
海外で日本のブランドを守るためにはどうすればいいのか。
栗原さんは「多くの国では先に出願した人間が権利を得る『先願主義』が採用されているため、すでに一蘭が16カ国に出願しているように、少しでも事業進出の可能性がある国や地域では、最低限、事前に商標出願するのが鉄則」だという。
「万が一、トラブルになった際に法的権利が主張できるように準備しておくことが大切だ」としている。
そして、本家の「一蘭」は公式サイトで注意を呼びかけているほか、ANNの取材に対し、「本件につきましては弊社側でも把握しており、現在法務部にて対応を進めております」とコメントしている。
(2026年5月22日放送分より)
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