
高市総理が目指す『給付付き税額控除』。その制度設計を話し合う超党派の国民会議で、初めて仕組みのイメージが示されました。
【画像】“減税”外してバラマキに?年収540万円以下に給付?『給付付き税額控除』で原案
議論されている給付付き税額控除とは、所得税を減額する“税額控除”と、所得税を支払っていない人には、お金を支給する“給付”とを組み合わせた制度です。

社会保険料の負担に苦しむ中・低所得者を支援することが主な目的とされ、高市総理は、初回の会議でこう訴えていました。

高市総理(2月)
「給付付き税額控除の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革。これは本丸として、議論を進める必要がございます」
それから3カ月。27日、会議で制度のイメージが示されました。

まず、一定の収入はあるものの、非課税ラインを下回る人には定額を給付します。そこを上回る人は、所得の増加に応じて給付額も増やしますが、一定の所得に達すると、給付額は再び定額となり、さらに所得が増えれば、給付額を減らしていきます。
どの程度の所得まで給付を受けられるのかは示されませんでしたが、政府内では、年収540万円程度が目安になるといった声が上がっています。
また、子育て世帯には、給付額を加算するほか、高齢者であっても働いている場合などは、対象に含めることも打ち出されました。
しかし、この案、給付付き税額控除のうちの税額控除、つまり、減税に当たる部分がすっぽりと抜けています。
与野党からは、異論が相次ぎました。

日本維新の会 梅村聡税調会長
「これは『所得連動型給付制度』であって、『給付付き税額控除』と言えるのか」
日本維新の会 藤田文武共同代表
「何かスピード重視で、簡易型の給付で、なかば一発だけのバラマキになることが予見されるような状況であれば、ちょっと違うんじゃないか」

国民民主党 浜口誠政調会長
「目指す姿は『給付付き税額控除』給付の一本化ではなく、『給付付き税額控除』という議論が必要ではないか」
高市総理が悲願と位置付ける“食料品消費税ゼロ”との関連を問う声も上がっています。

中道改革連合 赤羽一嘉税調会長
「消費税の食料品ゼロとのつなぎということには全くならないし、別の話というふうに整理しなければだめではないか」
給付付き税額控除の導入には時間がかかるため、そこまでの“つなぎ”として、消費減税を2年間行うというのが、高市総理のこれまでの説明です。しかし、給付だけであれば、比較的、迅速な実施が見込めることもあり、前提が変わってきます。

高市総理は、消費減税の旗を降ろしておらず、最近では、1%にするという案も浮上しています。

中道改革連合 赤羽一嘉税調会長
「『給付付き税額控除はやりました』『消費減税も2年間やります』では、あまりにもいい加減ではないのかと。“総理の公約”と“やること”が、随分、違うのではと言わざるを得ない」
◆国民会議に『給付付き税額控除』のイメージ案が示されました。政治部官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

(Q.今回、総理が描いていたものとは、形が変わっているようにも見えますが、どうでしょうか)
政治部官邸キャップ 千々岩森生記者
「おっしゃる通りです。形は、かなり変わったように感じます。苦悩がにじむのは、きょう配られた資料の表紙には『給付付き税額控除』と書かれてあるんですが、中をめくって見ると『給付に一本化』と明示されています。“消えた税額控除”の部分ですけども、総理周辺を取材しますと、実施は難しいとの認識です。将来的にも、ハードルが相当、高い、かなり厳しいのではないかと見ています」

(Q.となると、給付付き税額控除実施までの“つなぎ”という位置付けだった食料品の消費減税は、どうなるのでしょうか)
政治部官邸キャップ 千々岩森生記者
「消費税のほうは、必ずやるんだとみています。総理官邸を取材していても、取り下げるという空気は感じられないです。ただ、消費税の方も想定とは、少し変わるかもしれません。これまで食料品の8%をゼロにするという話でした。ただ、これが、ゼロではなく『1%』にする案が、政府内で急速に広がっています。ゼロにする場合、レジの改修に時間がかかることが理由ですけども、今月の報道ステーションの世論調査を見ますと『早くできるなら1%でいい』という答えが、40%でトップでした。『時間がかかってもゼロ』というのは26%でした。実際、高市政権も各社の世論調査に注目しています。もし、1%の場合、1%分の財源が事実上、浮く。約6000億円分ですが、これを中・低所得者に給付するという案も浮上しています」
(Q.確認ですが、ゼロか1%は別にして、食料品の消費税の減税は、総理としては、必ずやると見ているんですね)
政治部官邸キャップ 千々岩森生記者
「総理は『悲願』とまで言っていますので、消費税は譲らないでしょうし、政治的にも譲れないと言っていいと思います」

(Q.そもそもこの議論は、イラン情勢が起きる前の物価高などへの対策として打ち出されたもの。フェーズも変わったと思いますが、そちらについては補正予算で対応するということですか)
政治部官邸キャップ 千々岩森生記者
「そうです、おっしゃる通りです。中東情勢への対策という意味では、補正予算、来週提出ということになりますし、それから予備費。こうしたもので、ガソリンの補助金とか、手を打っていくことになると思います。今回の消費税も給付も、来年度以降を見据えた話になりますので、現在進行形の中東情勢とは別の形で、進めることになりそうです」
